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最終更新: 2018-04-12 (木) 19:24:54
FrontPage / データ / その他 / 格言集

格言集 Edit

テクノロジー Edit

太古 Edit

陶磁器 - Pottery Edit

「運さえよければ土に水を混ぜて放っておくだけでレンガができあがる。なんて考える者はいまい。」 - プルタコス
"No man ever wetted clay and then left it, as if there would be bricks by chance and fortune."- Plutarch

1世紀頃のギリシャの著述家。プルタルコス、プルタークとも。
アレクサンドロスとカエサルの比較論などが含まれた『英雄伝』で特に有名だが、様々なジャンルのエッセイに関しても多作であった。
この言葉は後世に『モラリア』として編纂される書の第二巻に収録されている「De Fortuna」(運について)から。

「優れた陶工がこねれば土も喜ぶはずだ。」 - ジャネット・フィッチ
"I thought clay must feel happy in the good potter's hand."- Janet Fitch

小説・映画『ホワイト・オランダー』より。

畜産 - Animal Husbandry Edit

「天国に犬はいないというのなら、死んだ後は死んだ犬たちが行くところに行きたいものだ。」 - ウィル・ロジャース
"If there are no dogs in Heaven, then when I die I want to go where they went."- Will Rogers

犬は最古の家畜であり、人間に労働力を提供してきた。

「私は豚が好きだ。犬は人を尊敬し、猫は人を見下す。しかし豚は人を対等に扱う。」 - ウィンストン・S・チャーチル
"I am fond of pigs. Dogs look up to us. Cats look down on us. Pigs treat us as equals."- Winston S. Churchill

いわずとしれた大英帝国の首相。第二次世界大戦連合国指導者にしてノーベル文学賞受賞者。
格言の発言者としては圧倒的に最多。英国紳士らしい皮肉屋。
チャーチル本人は猫を筆頭に動物全般が好きだったと言われており、この言葉は卑屈な人間や失礼な人間を皮肉ったものであるとされる。
彼の仇敵A.ヒトラーが大の犬好きであったことと合わせると興味深い。

伝記ではチャーチルの娘婿クリストファー・ソームズが会食の席で語った回想として紹介されている。それによると1946年4月28日、彼等がチャーチル家の別宅であるチャートウェルの養豚場を訪れた時の言葉とのこと。
Martin Gilbert『Churchill Biography Vol.8: Never Despair, 1945-1965』(Kindle Unlimited対象)

採鉱 - Mining Edit

「炭鉱労働者の妻より立派な人間がいるだろうか?」 - マール・トラビス
"Who deserves more credit than the wife of a coal miner?"- Merle Travis

炭鉱労働者の家庭で育ったカントリーミュージシャン、マール・トラヴィスが雑誌
(鉱山労組の機関紙と思われるが詳細不明)に載せた一文。この文の後には、
"Mother was one. She never complained about the hardships that were hers in abundance.
Lighting the coal-oil lamp long before daylight, and cooking breakfast for her children and husband."
(「母がそうだった。彼女は数多くふりかかる困難に不満を言うことはなかった。
日の出よりずっと早くから鉱油ランプを点け、子供たちと夫のために朝食を作っていた。」)
と続く。
[参考: Songs of Work and Protest]

「穴の中だと気づいたら、それ以上は掘るな。」 - ウィル・ロジャース
"When you find yourself in a hole, quit digging."- Will Rogers

「理屈がとおらないと感じたら手をとめて、墓穴を掘らないようにせよ」といった意味。
20世紀始めごろ考案されたとみられることわざ(?)で、「穴の第一法則」とも呼ばれる(なお第二法則はない)。
由来はロジャース以外にも複数の説があり、はっきりしない。

帆走術 - Sailing Edit

「大きな船なら遠くまで行けようが、小船なら陸の近くに留まるべきだ。」 - ベンジャミン・フランクリン
"Vessels large may venture more, but little boats should keep near shore."-Benjamin Franklin

「寄らば大樹の陰」あるいは「身の丈を知るべし」といった意味の諺。言い回しにはいくつかバリエーションがあり、後半部分だけを載せる辞典も多い。
この言葉が100ドル紙幣の偉い人に当てられている理由は、彼がPoor Richardというペンネームで定期出版していた暦『Poor Richard's Almanack』(1733〜1758)に記載があるためだと思われる。これは暦としての内容に加えて月ごとのポエム、格言集、生活の知恵、占いなど様々なコンテンツを詰め込んだ大衆向けの読み物で、毎年結構売れたらしい。
もちろんフランクリン自身が考えた言葉とは限らず、既に広まっていた言い回しを紹介しただけである可能性も高い。しかしフランクリンが言及していることには間違いはないし、確認できるこの諺の出典としてもかなり早期のものであるため、名前が出るだけの妥当性は十分ある。

「陸での暮らしが嫌なわけではない。だが、船での暮らしはもっといい。」 - フランシス・ドレイク
"It is not that life ashore is distasteful to me. But life at sea is better."- Sir Francis Drake

海賊にして英国提督、史上2番目の世界一周をなしとげ、
アルマダの会戦でスペイン無敵艦隊を葬った男のことば。
さもありなん、である。

占星術 - Astrology Edit

「星占いなんて信じない。私は射手座だから疑り深いのだ。」 - アーサー・C・クラーク
"I don't believe in astrology; I'm a Sagittarius and we're skeptical."- Arthur C. Clarke

科学に造詣の深いSF作家であったクラークらしいジョーク。
ただし「Neil McAleerが書いた伝記に出典がある」と言われるわりには具体的な書名が挙げられていないことから、信頼性を疑問視する声もある。

「星占いの知識を持たない医師に医師を名乗る資格はない。」 - ヒポクラテス
"A physician without a knowledge of astrology has no right to call himself a physician."- Hippocrates

ヒポクラテスは病気の原因を迷信から切り離し、観察と経験にもとづく医療を行った最初の医者とされるが、
その一方で占星医学を支持していた。
とはいっても当時占星術は立派な学問の一つであり、古代人ヒポクラテスにとってはおかしいことではなかった。
精神分析がかつて学問として地位を持ち、そして今や失ったのと同じである。
とはいえ占星術のような「疑似科学」がCivの技術ツリーに登場したのは興味深い。

潅漑 - Irrigation Edit

「愛がなくても人は生きられるが、水がなくても生きられる人はいない。」 - W・H・オーデン
"Thousands have lived without love, not one without water."-W. H. Auden

"First Things First"(1956年)より。

「国土の植林や潅漑に挑む不屈の精神の持ち主には、征服者と同等の栄誉に浴する権利がある。」 - ジョン・トムソン
"The man who has grit enough to bring about the afforestation or the irrigation of a country is not less worthy of honor than its conqueror."- Sir John Thomson

スコットランドの生物学者、ジョン・アーサー・トムソンによるもの。

弓術 - Archery Edit

「私は矢を放った。矢は地に落ちた。どこかはわからない。」 - ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー
"I shot an arrow into the air. It fell to earth, I knew not where."- Henry Wadsworth Longfellow

"The Arrow and the Song"(『矢と歌』)より。

「汝の矢が的に届くまでの間、悪魔の気がそれんことを。」 - ジョージ・カーリン
"May the forces of evil become confused while your arrow is on its way to the target."- George Carlin

アメリカのコメディアン。数々の舞台のほか、米国内では「きかんしゃトーマス」の吹き替えでも有名。
この引用はネットユーザーによって全く違う意味に改変されたバージョンである。元になった台詞はトークCD『Playin' With Your Head』に収録されているショートコント「Hello-Goodbye」中に登場する。
原文は "May the forces of evil become confused while on the way to your house." で、要するに「さようなら」をできるだけ仰々しく言ってみたというネタ。

改変バージョンはオランダのトゥウェンテ大学のアーチェリーサークルのサイトにて見つけることができる。この昔懐かしいサイトには2000年で更新が止まった名言風ジョークのページがあり、自作の格言や、既存の引用句をアーチェリーネタに置き換えた投稿が掲載されている。おそらくここが初出ではないだろうか。

筆記 - Writing Edit

「書くことは共有することだ。思想、概念、見解。考えを共有したいと願うのは人の性だろう。」 - パウロ・コエーリョ
"Writing means sharing. It's part of the human condition to want to share things - thoughts, ideas, opinions."- Paulo Coelho

みんなで作ろうciv6wiki。パウロ・コエーリョはブラジルの作詞家・小説家。
出典: Paulo Coelho (Twitter)

「書くことはたやすい。間違った言葉を棒引きするだけでいいのだ。」 - マーク・トウェイン
"Writing is easy. All you have to do is cross out the wrong words."-Mark Twain

石工術 - Masonry Edit

「我々は石を彫り、柱を立て、ステンドグラスを作り、そうして我々自身よりもはるかに大きなものを築いていくのだ。」 - エイドリアン・クラークソン
"Each of us is carving a stone, erecting a column, or cutting a piece of stained glass in the construction of something much bigger than ourselves." - Adrienne Clarkson

2005年までカナダ総督を務めた政治家。史上二人目の女性カナダ総督。
この発言は任期満了少し前の2005年3月11日に行われたスピーチ中にあるもので、政府の公式サイトに全文が記載されている。

「たとえひどい負け戦によって彫像が引き倒されようとも、石工の業がことごとく破壊されようとも。」 - ウィリアム・シェイクスピア
"When wasteful war shall statues overturn, and broils root out the work of masonry."- William Shakespeare

『シェイクスピアのソネット』55番より。ソネットはルネサンス初期イタリア発祥の定型詩で、その後イギリスに輸入された。
引用元になった詩の内容は、彫像やモニュメントが壊れても名声は詩の中で永遠に残るというもの。

青銅器 - Bronze Working Edit

「青銅は姿を映しだし、 酒は心を映しだす。」 - アイスキュロス
"Bronze is the mirror of the form, wine of the mind."- Aeschylus

ギリシア悲劇の確立者にして古代アテナイ(アテネ)三大悲劇詩人の1人とされるアイスキュロス。
当人を知らしめるもう1つの逸話は「岩にカメを落として捕食するワシに、当人の禿げ頭を岩と誤認されてカメを落とされ死亡」伝説である。

「それと、不朽の作品を生み出したい… なにしろ青銅は何千年も残るのだから。」 - リチャード・マクドナルド
"I'm also interested in creating a lasting legacy … because bronze will last for thousands of years."- Richard MacDonald

車輪 - Wheel Edit

「車輪の回転は遅くなることもあるが、回転を止めはしない。」 - ローン・マイケルズ
"Sometimes the wheel turns slowly, but it turns."- Lorne Michaels

ローン・マイケルズはドラマ「30 ROCK」シリーズ等で知られるカナダのTV/映画プロデューサー。ただしこの発言をしたというソースはない。
より早い例としては、作家ヘンリー・ミラーが書いたエッセイ集『The Wisdom of the Heart』(1947)に "The wheel turns slowly, but it turns and turns, and not even death can arrest it." というほぼ一致する表現が登場している。
また意味は若干変わるが、大器晩成であることを示唆する "Big wheels turn slowly" という慣用句も様々な場面でよく使われる。特定の作者に帰するよりも、多くの人が思いつく一般的な表現だと思っておいた方がいいかもしれない。

「車輪をまた発明する必要はない。調整だけでいいのだ。」 - アンソニー・ダンジェロ
"Don't reinvent the wheel, just realign it."- Anthony D'Angelo

アンソニー・ダンジェロは大学生向けの自己啓発セミナーを専門としている米NPO企業、Collegiate EmPowerment社の主催者。
この言葉は起業直後に自社出版した本『The College Blue Book』(1995)に載っているらしい。弱冠23歳で自己啓発本を書くあたり意識の高さがうかがえる。

古典 Edit

天文航法 - Celestial Navigation Edit

「欲しいものは高い帆のある船、そしてそれを導く星だけだ。」 - ジョン・メイスフィールド
"And all I ask is a tall ship and a star to steer her by."- John Masefield

ジョン・メイスフィールドは元船員の詩人・作家。
引用は詩集"Salt-Water Poems and Ballads"(『海水のバラード』)中の"Sea-Fever"(『海への情熱』)より。

「星を頼りに進め。過ぎさった船の明かりには目をくれるな。」 - オマール・ブラッドレー
"Set your course by the stars, not by the lights of every passing ship."- Omar Bradley

アメリカ史上5人しかいない陸軍元帥の一人。WW2では北アフリカ戦線およびノルマンディー上陸作戦を率い、戦後は統合参謀本部議長の座に就いた。現役兵器のM2ブラッドレー歩兵戦闘車の名は彼に由来する。
この発言は1948年の戦没将兵記念日(5月31日)のスピーチから。新聞「Spirit of Jefferson」紙の6月3日号にその全文が記載されている(単語選びは若干異なる)。
なおこの言い回し自体は古くからある格言だと思われ、一例として『Set your course by the stars』というタイトルの小説も戦前から存在する。意味は「周囲の評価にまどわされず、自分の信じる道を行け」といったものだが、このスピーチ中での文脈は「アメリカは今や世界のリーダーなのだから、他国の声にまどわされず自分の正義を貫くべきだ」というものなので、実は当時の世相を反映したわりと愛国的な主張である。

通貨 - Currency Edit

「豊かさとは多くを持つことではない。多くを求めないことである。」 - エピクテトス
"Wealth consists not in having great possessions, but in having few wants."- Epictetus

エピクテトスは古代ギリシアはストア派の最大の哲学者。ストア派は「ストイック」の語源となった。
この一言はストア派の思想をずばり示している。

「金は幸せをもたらさないかもしれないが、少なくとも惨めさをより快適にしてくれる。」 - ヘレン・ガーリー・ブラウン
"Money, if it does not bring you happiness, will at least help you be miserable in comfort." - Helen Gurley Brown

これも当人の言葉というよりは、古代タルムード(ユダヤ教の聖典)内の一説「金で幸せを買うことはできないが、不幸を押し留めることはできる」が元と思われる。
元来ユダヤ人は流浪の民であり、権力者の圧政や略奪者の略奪に遭った際、身の安全を得るために金や装身具や宝石などを差し出し命を繋いでいた。
そういった経緯で「金は道具であり、敬うものでも卑下するものでもない。でも生きるのに便利だから沢山もっておこうぜ。」というユダヤ人の考え方が表れている。

騎乗 - Horseback Riding Edit

「鞍の上にいる限り、無駄な時間を過ごすことはない。」 - ウィンストン・チャーチル
"No hour of life is wasted that is spent in the saddle."- Winston Churchill

戦前に書かれた自伝『わが半生』("My early life", 1930)より。18歳で入学したサンドハースト陸軍士官学校時代の回想。
この頃のチャーチルは成績がいまひとつだったため不人気な騎兵科に回されたのだが、乗馬をこよなく愛する彼にとってはむしろたいへん充実した時期であったようだ。直前には「小遣いはいらない、馬をくれ」と両親に宣言したという一文もある。
原文

「馬上の人間は物理的にも精神的にも地面に立つ人間より大きくなる。」 - ジョン・スタインベック
"A man on a horse is spiritually as well as physically bigger than a man on foot."- John Steinbeck

『怒りの葡萄』『エデンの東』を代表作とするノーベル文学賞受賞者。
この文は牧場暮らしの少年の成長を描いた連載小説『赤い小馬』("The Red Pony", 1937)から。これは映画やTVドラマにもなっている。
主人公ジョディはどちらかといえば大人しい性格であったが、最近世話を始めた仔馬を友人達に見せると(まだ乗ってもいないのに)たちまち彼等の尊敬を勝ち取ることができた。まさに引用部で語られる通り、馬は人間の本能的な憧れを引き起こすからであった。

鉄器 - Iron Working Edit

「主は鉄から人を作り、それから炎の温度を上げて一部の人を鋼へと変えた。」 - マリー・オスモンド
"The Lord made us all out of iron. Then he turns up the heat to forge some of us into steel."- Marie Osmond
「何事にも限界がある。鉄を金に変えることはできない。」 - マーク・トウェイン
"Everything has its limit - iron ore cannot be educated into gold."- Mark Twain

「老人」と「若者」による対話形式のエッセイ『人間とは何か』("What is Man?", 1906)より。晩年の作品で、存命中はトウェインの名を出さず匿名で出版された。
「老人」は、人間は欲望という制御できない動力によって動かされる機械でしかないと定義し、様々な例えを持ち出して人間の自由意志の限界を示す。「若者」はこの悲観的な見方に反論を試みるも、結局その主張を否定しきれずに終わる。引用部は冒頭付近の老人の発言を要約した箇所で、生まれつきの資質の差と教育の限界を示唆している。
トウェイン自身の思想は「老人」にそのまま仮託されているとみられる。老境に入ったトウェインの人間観が珍しく風刺的ではなく直接的に綴られている異色作。

造船 - Shipbuilding Edit

「船が沈没するなんて想像もつかない。現代の造船技術はその程度のものではないのだ。」 - E・J・スミス、タイタニック号船長
"I cannot imagine any condition which would cause a ship to founder … Modern shipbuilding has gone beyond that."- Capt. E.J. Smith, RMS Titanic

タイタニック沈没の5年前、二代目アドリアティック号の処女航海において述べた台詞とされる。
「科学と文明の前進は、あらゆる困難を解決する」という当時のヨーロッパ社会の世界観を象徴する言葉。
しかしそんな傲慢をあざ笑うように船は沈み、またその2年後には前代未聞の戦死者を量産するWW1が開戦することになる。

「船乗りと永遠を隔てているのは一枚の板だけだ。」 - トーマス・ギボン
"There is nothing but a plank between a sailor and eternity." - Thomas Gibbons

数学 - Mathematics Edit

「数学がなければ人にできることは何もない。この世は数字に満ち、すべては数式で表せるのだから。」 - シャクンタラ・デビ
"Without mathematics, there's nothing you can do. Everything around you is mathematics. Everything around you is numbers."- Shakuntala Devi
「もしも私が今から学問を学びなおすとしたら、プラトンの教えにしたがって数学から始めるだろう。」 - ガリレオ・ガリレイ
"If I were again beginning my studies, I would follow the advice of Plato and start with mathematics."- Galileo Galilei

異端判決を受けて自宅軟禁された状態でひそかに書き上げた、最晩年の著書『新科学対話』より。この本は主に力学をテーマとしており、三人の登場人物による対話形式で議論が展開される。
引用部は前著から引き続きやられ役として登場する、アリストテレス派のシンプリチオ(「抜け作」のような悪意を感じる名前である)の一日目の発言。この日の対話は「重い球と軽い球を同時に塔から落とすとどちらが先に地面に着くか?」という伝統的な疑問を考え直すものであった。シンプリチオは最初は保守的な主張を行うものの、空気抵抗や比重といった観点を採り入れたガリレオ派の人物にすっかり論破され、感服してこの台詞を述べる。

ちなみに前著『天文対話』によると、この頃のアリストテレス派は「数学ばかりやっていると粗探しばかりする小さな人間になる」ということで、師匠以上に数学・幾何学を軽視していたらしい。そんな派閥の人物にわざわざこんな台詞を言わせるのだから、ガリレオも相当溜まっていたものがあるのかもしれない。
なお、プラトンが数学を重視している経緯については「天文学」の項目を参照。

建築学 - Construction Edit

「心で創造し、知性で作り上げるのだ。」 - クリス・ジャミ
"Create with the heart; build with the mind."- Criss Jami

クリス・ジャミは2011年頃から出版活動をしているアメリカの若手詩人。
この言葉は自費出版本『Killosophy』(2015)の前半部に収録されている。この本は前半が自作の格言集、後半が詩集という構成。
詩人の格言集といっても、それっぽい言い回しを思いついたそばからメモしただけという雰囲気の雑多な内容で、ジャンルも方向性もバラバラである。この言葉も特に前後の文脈があるわけではない。

率直に言ってまったく無名の人物であり、たまに「名言まとめサイト」経由で格言が転載されているのを除けば、作品や著者が話題に挙がっている例はほとんど見当たらない。本作に採用されたのも、熱心にまとめサイトに自作格言を登録し続けたおかげでうまいこと検索で拾ってもらえたという以上のものではないだろう。
なお英語Wikipediaの著者記事は「特筆性なし」で削除されており、その後に相次いだ新規アカウントによる抗議も却下されている。

「この宇宙を形づくる四大元素は、火と水と石ころとビニールだ。」 - デイブ・バリー
"The four building blocks of the universe are fire, water, gravel and vinyl."- Dave Barry

工学 - Engineering Edit

「ある者は『魔法』と呼び、ある者は応用技術と呼ぶ。」 - ロバート・ハインライン
"One man's ‘magic' is another man's engineering."- Robert Heinlein

ハインラインの著書『愛に時間を』より。
同じSF御三家であるアーサー・C・クラークの「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」にも相通じる。

「普通の人は、壊れなければ直さなくていいと考える。エンジニアは、壊れなければそれは機能が足りない証拠だと考える。」 - スコット・アダムス
"Normal people … believe that if it ain't broke, don't fix it. Engineers believe that if it ain't broke, it doesn't have enough features yet."- Scott Adams

エンジニアものの定番四コマ漫画「ディルバート」の作者。
この台詞はアダムス本人が漫画のコマを交えながら展開するエッセイ『ディルバートの法則』("The Dilbert Principle")からの引用。
「壊れていないならば、それ以上直すな」は寝た子を起こすなという意味の有名な格言だが、(時間がある時の)プログラマはつい良かれと思って頼まれもしないバージョンアップやリファクタリングを始めてしまうものである。

中世 Edit

戦術 - Military Tactics Edit

「戦術とは、持てる手段でなにができるかを考えることである。」 - ソウル・アリンスキー
"Tactics mean doing what you can with what you have."- Saul Alinsky

持てる者ならぬ持たざる者が、みずからの需要を達成するためにあみだされた草の根運動は、
「(社会的弱者でも)持てる手段でできること」の体現であろう。
アリンスキーの理念はこんにちアメリカ政治社会で左右にかかわらず広く受け入れられている。

「戦略において求められるのは思考であり、戦術において求められるのは観察である。」 - マックス・エーワ
"Strategy requires thought; tactics require observation."- Max Euwe

数学者/チェスマスターの言葉。
最終的な目標を達成するみちすじが戦略、戦略を達成するためのこまごましたメソッドが戦術。

徒弟制度 - Apprenticeship Edit

「我々はみな工房の徒弟であり、全員が親方になれるわけではないのだ。」 - アーネスト・ヘミングウェイ
"We are all apprentices in a craft where no one ever becomes a master."- Ernest Hemingway
「弟子を育てるのに簡単な方法なんてない。私がよく使うのはたとえ話と説教だ。」 - レモニー・スニケット
"There is no easy way to train an apprentice. My two tools are example and nagging."- Lemony Snicket

レモニー・スニケットは現代アメリカの作家。子供向け小説「世にも不幸なできごと」シリーズで人気を博した。なおスニケットという名前は同作の登場人物になぞらえたペンネームであり、他の作品はもっぱら本名のダニエル・ハンドラー名義で出版している。
この台詞は同作のスピンオフシリーズの一部として書かれた『File Under: 13 Suspicious Incidents』(未訳、2014)から。新たに主人公役を務めるレモニー・スニケット少年を「親方」として指導するおばちゃんの台詞。

あぶみ - Stirrups Edit

「乗馬に使う『あぶみ』ほど単純な発明も珍しいが、これほど歴史に影響した発明もまた少ない。」 - リン・ホワイト・ジュニア
"Few inventions have been so simple as the stirrup, but few have had so catalytic an influence on history."- Lynn White Jr.

鐙(あぶみ)の効能は「馬上で踏ん張る」という動作をだれもが容易にこなせる点にある。

「あぶみと地面の間で私は慈悲を乞い、慈悲を与えられた。」 - ウィリアム・カムデン
"Betwixt the stirrup and the ground, Mercy I asked, mercy I found."- William Camden

16世紀イギリスの歴史家。大著『Britannia』をはじめ、自国に関する様々な地理誌・文化誌を書き上げた。
この言葉はウェストミンスター寺院に存在する、落馬で死んだ無名の人物の墓碑銘で、カムデン編纂の『Remaines of a Greater Worke, Concerning Britaine』(1605)に収録されている。原文は前二行に「友よ、我を裁くなかれ/我は汝を裁かぬがゆえに」という文が挿入された四行詩。
同書中の解説によると、アウグスティヌスの言葉に「主の慈悲は橋と川の間、ナイフと喉の間に見つかる」という表現があり、それをふまえた碑文らしい。こちらの言葉はロバート・バートンの著書などでも触れられている(→「アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア」の項を参照)。
『Remaines of a Greater Worke, Concerning Britaine』原文

機械 - Machinery Edit

「ここからは世界が1つの大きな機械に見えた。機械に不要な部品は1つもない。どの部品もすべて必要だ。」 - ヒューゴ・カブレ
"I'd imagine the whole world as one big machine. Machines never come with any spare parts, you know. They always come with the exact amount they need."- Hugo Cabret

ブライアン・セルズニック原作の映画『ヒューゴの不思議な発明』(2011)から。ヒューゴ・カブレはキャラクター名(他の引用の表記ルールと一貫してない気がする)。
主人公ヒューゴ少年はパリの時計台に隠れ住んでいる孤児。亡き父譲りの機械修理の腕を駆使して生きていく中でヒロインと知り合い、この人生観を語った。

「機械だけでなく人も壊れるということを忘れてはならない。」 - グレゴリー・ベンフォード
"Remember that people break down, too, not just machinery."- Gregory Benford

グレゴリー・ベンフォード著『Shipstar(未邦訳)』より。
お前は大切なことを述べた(+25)。

教育 - Education Edit

「教育の目的とは、空っぽの心を開かれた心にすることである。」 - マルコム・フォーブス
The purpose of education is to replace an empty mind with an open one."- Malcolm Forbes
「教養のある者とは、自分の考えとは相容れない思考を楽しむ精神を持つ者である。」 - アリストテレス
"It is the mark of an educated mind to be able to entertain a thought without accepting it."- Aristotle

アリストテレスの思想にはそぐわない出典不明の引用。アリストテレス説の初出は目下のところ1959年の哲学入門書とみられている。
この英文に似た言い回しは『ニコマコス倫理学』第一巻第三節に登場するが、似ているのは前半だけで、内容は全く無関係である。日本語訳だとますます別物になる。

「そのことがらの性質のゆるす程度の厳密を、それぞれの領域に応じて求めることが教育あるものにはふさわしい。その場かぎりの仕方で語ることを数学者にゆるすことが不可ならば、弁論家に厳密な「論証」を要求するのも明らかに同じようにあやまっているのである。」(高田三郎 訳)

本来は理想主義に走りすぎないよう諫める内容。
おそらく近代以降の誰かが書き出しだけ真似て持論を述べたものが、伝播の過程で混同されてしまったのだろう。

軍事工学 - Military Engineering Edit

「爆破、建設、戦闘。」 - アメリカ第16工兵旅団のモットー
"Blast - Build - Battle"- Motto of the U.S. 16th Engineer Brigade
「戦争において科学の果たす役割が大きくなるにつれ、前線において工兵が果たす役割も大きくなっていく。現代の戦争では、土木工兵は何人いても十分ではない。」 - バーナード・モントゴメリー
"The more science intervenes in warfare, the more will be the need for engineers in the field armies; in the late war there were never enough sappers at any time."- Bernard Montgomery

Ben Kite著:[Stout Hearts: The British and Canadians in Normandy 1944]にて1945年の言葉として引用されている言葉。
当人は様々な分野に名を残しており、一例として
・アーネスト・ヘミングウェイの小説「河を渡って木立の中へ」にジン:ベルモット=15:1というドライ・マティーニのレシピ「モンゴメリー将軍」
が挙げられる。ジェームズ・ボンドと言い、チャーチルと言い、英国人はマティーニに縁があるらしい。

城 - Castles Edit

「道に石が落ちていたら? 拾っておくさ。それを使っていつか城を建てるために。」 - ネモ・ノックス
"Rocks in my path? I keep them all. With them I shall build my castle."- Nemo Nox
「霧の向こうに城が見えたらそこまで歩いていけ。大きな夢を手に入れるために。」 - メフメト・ミュラ・イルダン
"If you see a castle under fog, you must walk there to meet the extraordinary dreams."- Mehmet Murat Ildan

ルネサンス Edit

地図製作法 - Cartography Edit

「あなたの行動で人々がより多く夢を持ち、より多く学び、より多く行動し、より良くなろうとしたなら、あなたは地図を作ったと言える。」 - ジョン・クィンシー・アダムズ
"If your actions inspire others to dream more, learn more, do more and become more, you are a cartographer."- John Quincy Adams

ジョン・クィンジー・アダムズは第6代アメリカ大統領だが、この引用は二重に間違っている。
まず、現在アダムズの名言として流布している言葉は最後の部分が「you are an excellent leader」となっており、地図とは何の関係もない。
これをcartographerに改変したのは地理情報システムの活用法を解説しているブログ。この記事では他の偉人達の名言も地図関連の内容に改変されており、明らかにパロディを意図しているとわかるのだが、よく読まずに採用したらしい。

そして元の言葉の方もアダムズ大統領が言ったという証拠はなく、ほぼ確実に別人の作と考えられる。
先行研究によると、確認できる限りもっとも古い資料は1997年に出版された名言集、Lorne Adrian編『The Most Important Thing I Know』とのこと。これは同時代の有名人に直接依頼して手書きしてもらった人生訓を集めたチャリティ本で、当該の言葉を書いたのは女優のドリー・パートンである。本のコンセプトからみて、パートンが自作した言い回しである可能性が高い。
アダムズ説の初出は2002年のビジネス書の模様。

「すべての放浪者が迷い人とは限らない。」 - J・R・R・トールキン
"Not all who wander are lost."- J.R.R. Tolkien

おなじみ『指輪物語』より、ビルボが友アラゴルンのために作った詩。
「金はすべて光るとは限らぬ。/放浪する者すべてが、迷う者ではない。
 年ふるも、強きは枯れぬ。/深き根に、霜は届かぬ。
 灰の中から火はよみがえり、/影から光がさしいづるだろう。
 折れた刃は、新たに研がれ、/無冠の者がまた王となろう。」 (瀬田・田中 訳)

大量生産 - Mass Production Edit

「どんな色のT型モデルでも売ろう。それが黒である限りは。」 - ヘンリー・フォード
"People can have the Model T in any color - so long as it's black."- Henry Ford

T型フォードは大量生産の代名詞であるとともに、ゆきすぎた画一性として引き合いに出される。
述べられたとおりT型のカラーは黒しかなかった。理由は「ペンキがすぐ乾くから」。

「ラベルを貼って包装して大量生産できるものは、真実でも芸術でもない。」 - マーティー・ルビン
"What can be labeled, packaged, mass produced is neither truth nor art."- Marty Rubin

銀行制度 - Banking Edit

「銀行から100ドル借りているなら、それは当人の問題だ。1億ドル借りているなら、それは銀行の問題だ。」 - J・ポール・ゲティ
"If you owe the bank $100 that's your problem. If you owe the bank $100 million, that's the bank's problem."- J. Paul Getty

多額の貸付が回収不能になれば銀行も共倒れになるため、大企業が苦境に陥るとかえって銀行の方が支援に必死になることがある。金融における「Too big to fail」という概念をストレートに指摘した格言。

なおジャン・ゲティはアメリカの石油王であるが、本人がこの言葉を言ったかどうかは定かでない。他にもマイク・ダフィー(カナダの政治家)、レーガン、ケインズなど様々な名前が発言者として挙げられており、言い回しにも細かいバリエーションがある。
このうちケインズ説についてはある程度ソースがある。ケインズ全集には、1945年5月25日のイギリス国会での議事録として以下の発言が収録されているとのこと。

"The old saying holds. Owe your banker £1000 and you are at his mercy; owe him £1 million and the position is reversed."
「古い諺にもあるが、もし銀行から1000ポンド借りているなら、貴方は銀行の慈悲にすがる立場となる。しかし100万ポンド借りていれば立場は逆転する」

ただしこの時点で「古い諺にもある」と但し書きがついている通り、ケインズが考えた言葉でないことは確定している。他の本で引用される時も「アメリカの古い諺では」のような言い回しになっていることが多いので、詠み人知らずの一般的な格言と考えておくのが無難。

「24時間営業の銀行を見かけたが、私にそんな時間はなかった。」 - スティーヴン・ライト
"I saw a bank that said '24-Hour Banking,' but I didn't have that much time."- Steven Wright

俳優スティーヴン・ライトの放ったジョーク。

火薬 - Gunpowder Edit

「大男になった気にさせること。それが火薬の真の効用だ。」 - トーマス・カーライル
"The real use of gunpowder is to make all men tall."- Thomas Carlyle

自著『衣装哲学』("Sartor Resartus", 1836)第二巻第八章から。言い回しは原文と若干異なる。
"Such I hold to be the genuine use of Gunpowder: that it makes all men alike tall."

「人は軍隊的な生き物だ。火薬の匂いに酔いしれ、パレードを好む。」 - フィリップ・ベイリー
"Man is a military animal, glories in gunpowder, and loves parades."- Philip Bailey

フィリップ・ジェームス・ベイリーは19世紀イギリスの詩人。
ファウスト伝説を強く意識した長編劇詩「Festus」(1839)が代表作。主人公フェスタスがルシフェルと出会い、人間の本質や愛について様々な問答を交わすという内容である。
この引用も同作中からのもので、ルシフェルが人間について語る台詞の一部。
原文

印刷 - Printing Edit

「ペンは剣より強くないかもしれないが、印刷機は攻城兵器より強力だ。ほんのわずかな言葉ですべてを変えることができるのだから。」 - テリー・プラチェット
"The pen might not be mightier than the sword, but maybe the printing press is heavier than the siege weapon. Just a few words can change everything."- Terry Pratchett

テリー・プラチェットはSF/ファンタジー作家。看板作品の『ディスクワールド』シリーズは実に41作も続いた大長編で、
ローグライクゲーム NetHack や *band シリーズに登場するクラス「観光客」の直接の元ネタであることから
RPG史上においても重要な作家と認識されているのだが、残念ながらその作品の大半は日本語未訳である。
この文は同シリーズ31作目『Monstrous Regiment』からの引用とのこと。
ちなみに元の格言「ペンは剣よりも強し」はエドワード・ブルワー=リットンが1839年に書いた戯曲が出典と言われる。

「印刷機が人の精神におよぼした影響は、火薬が戦争におよぼした影響にも等しい。」 - ウェンデル・フィリップス
"What gunpowder did for war the printing press has done for the mind."- Wendell Phillips

横帆船 - Square Rigging Edit

「自然に近づく物を人が生み出すことは滅多にないが、帆船はそのわずかな例外だ。」 - アラン・ヴィラーズ
"There is little man has made that approaches anything in nature, but a sailing ship does."- Allan Villiers
「船を動かすのはそそり立つ帆ではなく、目に見えない風である。」 - イギリスのことわざ
"It's not the towering sails, but the unseen wind that moves a ship."- English Proverb

天文学 - Astronomy Edit

「天文学は魂をして天を仰がせ、人をこの地上から他の天体へと導く。」 - プラトン
"Astronomy compels the soul to look upwards and leads us from this world to another."- Plato

『国家』第七章より。プラトン演じるソクラテスは、理想国家の市民に必ず学ばせるべき学問とは何かについて弟子グラウコンと議論する。
結論として、感覚的世界ではなく抽象的思考にのみ立脚する学問こそが魂を高めるということになり、重要な順に数学(数論・算術)、平面幾何学、立体幾何学、天文学、音響学と決まる。
そこで出てくるのが引用部の台詞だが、これはグラウコンの台詞なので、すぐソクラテスに否定されてしまう。天を眺めることは本質ではなく、速度や運動についての思考を育むからこそ重要なのだ、というのが理由。すなわち静止した立体を扱う立体幾何学に対して、運行する立体を扱うのが天文学だとする定義であり、結局ここで挙げられた五つの学問はすべて広義の数学の一部であると解釈できる。
最後の音響学というのも同じ発想で、目によって法則を見出す天文学に対し、耳で学ぶ音響学は協和・不協和といった法則についての知性を育む、という理由で挙げられている。

「天文学を楽しみたければ天文学者にはなるな。」 - ブライアン・メイ
"Astronomy's much more fun when you're not an astronomer."- Brian May

天文学者にしてギタリスト。ロックバンド クイーンのメンバー、ブライアン・メイその人である。

鋳造 - Metal Casting Edit

「そしてまずヘパイストスは巨大な盾を作りあげ… その表面に2つの雄大なる都市の姿を描いた。」 - ホメロス
"And first Hephaestus makes a great and massive shield … And he forged on the shield two noble cities."- Homer
「鍛冶場で鎚を振るう姿を見ずしてそれがどんな人物かを判断することはできない。」 - リック・ライアダン
"Don't judge someone until you've stood at his forge and worked with his hammer."- Rick Riordan

代表作「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」シリーズ、迷宮の戦い (The Battle of the Labyrinth)より。

攻囲戦術 - Siege Tactics Edit

「都市への攻撃は下策中の下策である。それは最後の手段でなければならない。」 - 孫子
"The lowest is to attack a city. Siege of a city is only done as a last resort."- Sun Tzu

書き下し原文:「其の下は城を攻む。城を攻むるの法は已むを得ざるが為なり」(謀攻第三)
ちなみに謀略を破る、外交を断つ、兵を攻める、城を攻める、の順で上策とされる。

「最高の恋は隙なく包囲されているさなかに花開く。」 - マイルズ・キャメロン
"All the best romances bloom in the midst of a good siege."- Miles Cameron

現代アメリカのファンタジー作家。処女作『The Red Knight』(2012)から。

産業時代 Edit

工業化 - Industrialization Edit

「私は思う、産業革命は人類にとって大きな過ちだったと。人は性急に機械化を進めすぎた。創造力を発揮するには、自らの手を動かさねばならないのに。」 - アンドレ・ノートン
"I think the human race made a big mistake at the beginning of the Industrial Revolution, we leaped for the mechanical things. People need the use of their hands to feel creative."- Andre Norton
「暴力的経済を象徴する言葉、それは都市化、工業化、集中化、効率性、数量、そしてスピードである。」 - E・F・シューマッハー
"The key words of violent economics are urbanization, industrialization, centralization, efficiency, quantity, speed."- E.F. Schumacher

ドイツ生まれのイギリスの経済学者。石油危機を予言した著書『スモール・イズ・ビューティフル』がベストセラーとなった。
資源問題やQOLの観点から、労働集約・大量消費を前提とする現代西洋の経済を「暴力的経済」と呼んで批判し、身の丈に合ったコンパクトな消費で回せる社会を目指す「非暴力的経済」を理想とした。また彼は仏教にも傾倒しており、後者を仏教の八正道の理念と結びつけて「仏教経済学」とも呼んだ。

この文はBarbara Wood著の伝記『E.F. Schumacher, his life and thought』第二十五章で引用されている手記から。手記に表題や日付はついていなかったとあるが、かねてよりの主張とも合致する内容である。

シューマッハーセンター所蔵『E.F. Schumacher, his life and thought

科学理論 - Scientific Theory Edit

「我々を奮い立たせ、驚きの念をかき立てるという点でどれほど優れていようとも、証明も反証も不可能な主張には、いかなる価値もありはしない。」 - カール・セーガン
"Claims that cannot be tested, assertions immune to disproof are veridically worthless, whatever value they may have in inspiring us or exciting our sense of wonder."- Carl Sagan

現代アメリカの天文学者、作家。一般向けの科学啓蒙書やドキュメンタリー番組を多く手がけ、反オカルト論壇の旗手として知られる。
この文は自著『The Demon-Haunted World』(邦題は『カール・セーガン科学と悪霊を語る』『悪霊にさいなまれる世界』など、再出版のたびに改題されていてややこしい)の第十章から。
ポパーが提唱した「反証可能性」という概念の流れを汲む、現代科学の基本的な考え方だといえる。

「事実と理論が合致しないなら、事実を変えよ。」 - アルバート・アインシュタイン
"If facts don't fit the theory, change the facts."- Albert Einstein

出典不明。少なくともアインシュタインが言ったという記録は存在しない。
事実と理論が合わないことを皮肉る、よく似た言い回しは "(If facts don't fit the theory,) so much the worse for the facts"(事実にとってはお気の毒だ)という形で19世紀から使用例がみられる。アインシュタイン以前にはヘーゲル説やフィヒテ説が唱えられているが、どちらも明確なソースはない。

弾道学 - Ballistics Edit

「起きたことを推測するのもいいが、弾道学によって確認しないうちに思いこみで動くのはやめておこう。」 - ジョン・ハンセン
"It's one thing to surmise what happened, but we don't speculate on that until ballistics confirms what happened …"- John Hansen

2005年にミシガン州トラバースシティで起きた殺人事件の捜査進捗について、同市の警官ジョン・ハンセンが述べたコメント。
地元紙トラバースシティ・レコード・イーグルのWeb版記事にて出典を確認できる。
よくもまあこんなローカルな人物の台詞を拾ってきたものである。

「ひざまずいて祈りを捧げよう。だが誰に祈れば? 弾道学の聖人はいるのだろうか?」 - アダム・サヴェッジ
"Let's get on our knees and pray. I don't know to whom. Is there a patron saint of ballistics yet?"- Adam Savage

アダム・サヴェッジはディスカバリーチャンネルの人気番組「怪しい伝説 (MythBusters) 」の司会として有名な特撮エンジニア。
この台詞は同番組中で実験スタート前に言ったものだが、この回は「風呂場で感電死することはありうるか?」という実験だったので(2004 Ep.19)、
祈っているのは正確には「弾道学」の聖人ではなく「(毎回使っている)弾道実験用ダミー人形」の聖人である。

軍事学 - Military Science Edit

「いかに美しい戦略を描けたとしても、結果に目を向けることを忘れてはならない。」 - ウィンストン・チャーチル
"However beautiful the strategy, you should occasionally look at the results."- Winston Churchill

出典不明。チャーチル研究サークルの記事でも「不明」扱いになっているので、チャーチルの発言ではないと考えた方が無難。

「いかにして戦争を遂行し、それによってどのような目的を達成するのか。それを明確に思い描かないまま戦争を始める者はいない。より正確に言えば、自覚的にそうする者はいない。」 - カール・フォン・クラウゼヴィッツ
"No one starts a war - or rather, no one in his senses ought to do so - without first being clear in his mind what he intends to achieve by that war and how he intends to conduct it."- Karl von Clausewitz

ナポレオン戦争を戦ったプロイセン将校にして近代軍事学の大家。著書『戦争論』は現代に至るまで読み継がれている名著である。
この文は第八篇「作戦計画」第二章の冒頭部に見ることができる。戦争を利益獲得のための一外交手段としてとらえる彼の思想の基本原則が現れた一文であり、同様の主張は本書のあちこちに登場する。
なお古い日本語訳本は省略が多く、篇・章の番号がずれているものもあるので注意。

蒸気機関 - Steam Power Edit

「蒸気機関の発明以降、科学の発展が人類にとって良いことばかりであったかは、意見の分かれるところだ。」 - ウィンストン・チャーチル
"It is arguable whether the human race have been gainers by the march of science beyond the steam engine."- Winston Churchill

1951年7月10日、チャーチルが王立外科医師会の名誉フェローに任命された時のスピーチ。科学の発展スピードが社会に与える影響に懸念を表明しつつも、医学の進歩については賞賛している。
息子のランドルフ・チャーチルが編纂したスピーチ集『Stemming the Tide: Speeches 1951 and 1952』に収録。
原文

「蒸気機関の発明が科学のおかげである以上に科学は蒸気機関の恩恵を受けている。」 - ローレンス・ヘンダーソン
"Science owes more to the steam engine than the steam engine owes to science."- Lawrence Henderson

20世紀前半の化学者。「ヘンダーソン−ハッセルバルヒの式」などに名を残す。
この言葉は1917年初出とする説が流布しているものの、それに対応する具体的なソースは見つかっていない。さしあたって辿れるのは、科学史について書かれた1960年の本に「ヘンダーソンの有名な言葉」として載っているあたりまでのようである。
参考サイト

公衆衛生 - Sanitation Edit

「トイレの発明によってもたらされた衛生革命は、人々の命を救い、健康状態を改善させたという点において、過去200年間で最大の改革であったと言える。」 - シルビア・バーウェル
"No innovation in the past 200 years has done more to save lives and improve health than the sanitation revolution triggered by the invention of the toilet."- Sylvia Burwell

米国保健福祉省現長官シルビア・バーウェルによるアフリカ水閣僚会議のスピーチから抜粋。
下水処理こそ都市における衛生改善の第一歩であった。

「医薬品、教育、酒、公秩序、道路、水道、公衆衛生の他に、ローマが我々に遺してくれたものなどあるだろうか?」 - グレアム・チャップマン
"Apart from the sanitation, the medicine, education, wine, public order, roads, the fresh water system, and public health … what have the Romans ever done for us?"- Graham Chapman

モンティ・パイソンのスケッチ、ライフ・オブ・ブライアンにおけるグレアム・チャップマンの台詞より。
この問いに対して"平和をもたらした"と返され、それを一笑に付す内容が続く。

経済学 - Economics Edit

「経済学は人間の望みをさほど尊重しない学問である。」 - ニキータ・フルシチョフ
"Economics is a subject that does not greatly respect one's wishes."- Nikita Khrushchev
「人は道路や鉄道で移動するが、経済学者はインフラで旅をする。」 - マーガレット・サッチャー
"You and I come by road or rail, but economists travel on infrastructure."- Margaret Thatcher

ライフリング - Rifling Edit

「ボルトアクションは言葉より雄弁だ。」 - クレイグ・ロバーツ
"Bolt actions speak louder than words."- Craig Roberts

クレイグ・ロバーツは米海兵隊のスナイパーとしてベトナム戦争に従軍した軍人。最終階級は中佐。
退役後、狙撃や軍隊経験に関するノンフィクションを複数書いている。この文は著書『Crosshairs on the Kill Zone』からの引用とのこと。
元々は "Actions speak louder than words"、つまり「不言実行」といった意味の格言で、それをもじった洒落。

「ライフル兵を罵る前に、まず彼の立場になって考えることだ。たとえば、自分は射程内にいるのかなどを。」 - セカンド・ターゲット・カンパニー
"Never criticize a rifleman until you have walked a mile in his shoes. That way, he'll be barefoot and you'll be out of range."- The 2nd Target Company

The 2nd Target Companyはノースカロライナにある射撃用の標的メーカーのようだ。2013年創業の若い会社。同社のFacebookにこの一文が書かれている。
由来がある言い回しなのかどうかは不明だが、検索では他にヒットしないので、彼らのオリジナルかもしれない。

なお walk in one's shoes は「〜の立場になって考える」という意味の成句。むやみに人を非難せず、相手の気持ちになって考えよう…というお説教かと思わせて、原文ではわざとこれを「〜の靴を履いて歩く」という文字通りの意味に使い、「そのまま射程外まで逃げれば相手は裸足だから安全だぜ!」とオチをつけるというジョーク。
しかしこの含みを日本語で表現するのは難しいので、本作の訳文では成句の方の意味をメインにして全体を大きく意訳している。ダブルミーニングは消えてしまったが、ユーモアを残した翻訳としてはこれも悪くないのではないかと思われる。

近代 Edit

航空技術 - Flight Edit

「一度でも空を飛んだ者は、いつも空を見上げて地上を歩くことになる。なぜなら、そこに自分はいたことがあり、そこに戻りたいと願わずにはいられないからだ。」 - レオナルド・ダ・ヴィンチ
"For once you have tasted flight you will walk the earth with your eyes turned skywards, for there you have been and there you will long to return."- Leonardo da Vinci

レオナルド・ダ・ヴィンチの『パリ手稿』にあるこの格言は、今作Civ6におけるデザインコンセプトの一つであろうと思われる。
メインテーマのSogno di Volare(空飛ぶ夢)の歌詞にも、レオナルドが飛行機械の実験をしたとされるチェチェリ山/チェチェロ山が登場しており、
OPムービーでは飛行にフォーカスしたシーンが多く見られる。

「着陸後にそこから歩き去ることができれば良い着陸、翌日その飛行機で飛び立てれば最高の着陸だ。」 - チャック・イェーガー
"If you can walk away from a landing, it's a good landing. If you use the airplane the next day, it's an outstanding landing."- Chuck Yeager

共通規格 - Replaceable Parts Edit

「機械を正常かつ円滑に動かすには、部品の規格を統一し、互換性を確保する必要がある。」 - チャールズ・エイゼンシュテイン
"For a machine to run smoothly and predictably, its parts must be standard and hence replaceable."- Charles Eisenstein
「私たちは往々にして自分の体より自動車のほうを心配しがちだが… 自動車は部品を交換できるのだ。」 - B・J・パーマー
"Many of us take better care of our automobiles than we do of our own bodies … yet the auto has replaceable parts."- B.J. Palmer

鉄鋼 - Steel Edit

「最も輝いている鋼が最高の鋼とはかぎらない。」 - ジョー・アバクロンビー
"The best steel doesn't always shine the brightest."- Joe Abercrombie

ジョー・アバクロンビーはイギリスのファンタジー作家。この台詞は処女作『The Blade Itself』(未訳、2006年刊)から。

「この世で最も難しい3つのこと。それは鋼とダイヤモンドを砕くこと、そして己を知ることである。」 - ベンジャミン・フランクリン
"There are three things extremely hard: steel, a diamond, and to know one's self."- Benjamin Franklin

これも『Poor Richard's Almanack』に収録されていた格言の一つ。詳しくは「帆走術」の項目を参照。
現代に復刻されている同書の抜粋編集本によると、1750年の号に載っていた言葉のようだ。日本語訳は掛詞の hard をうまく補って訳している。

電気 - Electricity Edit

「電気がなかったら、ロウソクの灯りでテレビを見ることになっていただろう。」 - ジョージ・ゴベル
"If it weren't for electricity, we'd all be watching television by candlelight."- George Gobel

電気がなかったらテレビも映ってねーよ!というツッコミ待ちのジョーク。
1954年10月24日放映の二時間スペシャル番組「Light's Diamond Jubilee」(「電球発明50周年祭」)において、司会のゴベルが披露した台詞。番組の主旨をふまえた上手いジョークだったので大いに受け、その後いろいろな本に引用されたようだ。
なお元々は「もしベンジャミン・フランクリンの凧の糸が切れていたら」という言い回しだったらしく、引用が重ねられるうちに変化した模様。
参考サイト

「電気を発見したのはベンジャミン・フランクリンだが、電気で儲けたのはメーターを発明した人間だ。」 - アール・ウィルソン
"Benjamin Franklin may have discovered electricity, but it was the man who invented the meter who made the money."- Earl Wilson

無線通信 - Radio Edit

「ラジオのない世界は静寂に包まれた世界だ。」 - アーネスト・イエボア
"A world without radio is a deaf world."- Ernest Yeboah

これも出典不明のフレーズ。ネットで流布されているものを信じるなら以下のように続く。

 A world without radio is a deaf world.
 A world without television is a blind world.
 A world without telephone is a dumb world.
 A world without communication is indeed a crippled world.
 ラジオのない世界は聾の世界だ。
 テレビのない世界は盲の世界だ。
 電話のない世界は唖の世界だ。
 コミュニケーションのない世界は、なるほど不具の世界と言うほかない。

ゲーム内の訳文は柔らかい表現だが、見ての通り実際は直訳したら自主規制コードに引っかかるようなきつめのポエムである。
発言者とされているアーネスト・アギェマン・イェボアはガーナ人の著述家なのだが、主にキリスト教徒向けのポジティブな自己啓発本を書いている人物であり、こういう強い言葉を使う人物には見えない。実際、本人のFacebookや著書内を探してみたがこの詩は出てこなかった。無関係な別人の名前が拾われてしまった可能性を疑うべきかもしれない。

「ラジオはいわば心の劇場であるが、テレビは心のない劇場である。」 - スティーブ・アレン
"Radio is the theater of the mind; television is the theater of the mindless."- Steve Allen

化学 - Chemistry Edit

「化学は物理の汚い部分である。」 - ピーター・リース
"Chemistry is the dirty part of physics."- Peter Reiss

ペーター・リースは帯電の研究に功績のある19世紀ドイツの物理学者。フリードリヒ・ヴェーラーやアウグスト・ヴィルヘルム・フォン・ホフマンといった著名な化学者達と親交があった。
この台詞はホフマンの回顧録『Zur Erinnerung an vorangegangene Freunde』第二巻(1888)において言及されている。

「その学期のごたごたがようやく片付いた頃には、研究室はすっかり煤と煙だらけになってしまった。彼(ヴェーラー)は友人ペーター・リースが我々の分野に与えた有名な定義を引用して慰めてくれた:『化学は物理の汚い部分だからね。』」
Google Books版 p.177

なおReissはスペルミスで、Riess (Rieß) が正しい。Reisつながりでフィリップ・ライス(グラハム・ベルと電話の発明を競った発明家)と混同しているサイトも散見される。

「たいていの化学者は滑舌がいい。メチルチラミロフェニリウムのような言葉をしょっちゅう口にしているのだから無理もない。」 - ウィリアム・クルックス
"Chemists do not usually stutter. It would be very awkward if they did, seeing that they have at times to get out such words as methylethylamylophenylium."- Sir William Crookes

まるで現代人が飛ばしたジョークのようだが、この一文はW.H.ブロック著『化学の歴史』("The Norton History of Chemistry")の序文で紹介されているもの。それによると、クルックスが編集長を務める学術誌『Chemical News』(1859〜1932)に、何らかのミスで吃音症に関する書籍が献本されたことがあり、クルックスはそれを見て1865年にこのような書評を載せたという。こんな軽口までもが記録に残っているとは興味深い。
ウィリアム・クルックスは19世紀イギリスの化学者。クルックス管の発明を通じて電子の存在を立証した。

内燃機関 - Combustion Edit

「何十年も昔から自動車は大して進歩していない。動力はいまだに内燃機関だ。」 - デイナ・ブルーネッティ
"The cars haven't advanced that much since we were kids. When you boil it down, it's still a gas combustion engine."- Dana Brunetti

デイナ・ブルネッティは映画「ソーシャル・ネットワーク」などに携わった映画/TVプロデューサーだが、この発言は本業がらみではなく、文字通り自動車の話題に首を突っ込んだ時のものである。雑誌『Hollywood Reporter』の2013年2月14日の記事に掲載されている。
この数日前、ニューヨークタイムスの記者がテスラ社の電気自動車Model Sをこき下ろすレビューを書き、テスラCEOがそれに反論したことで論争が発生していた。自動車愛好家でありModel Sオーナーでもあるブルネッティはテスラ側につき、「NYTのレビューは明らかにアンチ電気自動車の意図を持った捏造だ」と語気を強め、自分の運転では記者が指摘するような問題は全く起きていないと述べた。なお最終的にはレビュー方法に瑕疵があったことをNYT側が認める形で決着したようである。
引用部はブルネッティのコメントの締めくくりに登場する。「今頃は空飛ぶ自動車ができているはずだと思ったものだが」と前置きしつつ、結局のところ自動車メーカーの方も電気自動車の技術発展にあまり積極的なようには見えない、と嘆き、石油業界の圧力についても疑っている。

「常々思うことがある。馬が廃れて内燃機関が普及したことは、人類の進歩にとって暗澹たる一里塚だったのではないだろうか? - ウィンストン・チャーチル
"I have always considered that the substitution of the internal combustion engine for the horse marked a very gloomy milestone in the progress of mankind."- Winston Churchill

原子力時代 Edit

高度な航空技術 - Advanced Flight Edit

「たしかにジェット機は早くて経済的だ。しかし効率競争の陰で、我々はどんな楽しみを犠牲にしているのだろう?」 - ジンジャー・ロジャース
"Sure, jets are fast and economical, but, oh my, what fun we've lost and what leisure we've sacrificed in the race for efficiency."- Ginger Rogers
「人が空を飛ぶのが神の思し召しなら、なぜ空港は不便な場所にあるのだ。」 - ジョージ・ウィンターズ
"If God had really intended men to fly, He'd make it easier to get to the airport."- George Winters

ジョージ・ウィンターズなる人物の素性は不明。同じ台詞をジョナサン・ウィンターズ(米コメディアン)のものとして紹介するサイトの方が若干多く、こちらならまだいくらか頷ける。誰かのうろ覚えが裏取りなしで拡散されているようだ。もっともジョナサンの作だとしても明確なソースはない。
ちなみに「人が空を飛ぶのが神の思し召しなら、我々はチケットを持って生まれてくるはずだ」といった作者不明のバリエーションもあるので、自然発生的な定番ジョークの一種と考える方が正解かもしれない。

ロケット工学 - Rocketry Edit

「ロケット工学にまつわる神話は、その真の難しさをまるで伝えていない。」 - ジョン・カーマック
"Rocket science has been mythologized all out of proportion to its true difficulty."- John Carmack

伝説的FPS「DOOM」「Quake」を作ったプログラマであり、id Softwareの共同創立者の一人。彼はロケット製作にも本気で取り組んでおり、2000年には宇宙開発専門企業Armadillo Aerospaceを設立している。
この発言は2002年のCNNインタビューから。民間初の有人宇宙飛行を目指す賞金付コンテスト「Ansari X Prize」への参加を表明した時のものである。
コンテストは2004年に実施されたが、Armadillo社は技術的問題から本戦参加を事実上断念。テストという形で無人機「Black Armadillo」を打ち上げたものの、目的の着陸プロセスを完了できずに墜落した。

「ロケットは飛行機と違う。打ち上げは必死にしがみついている感じだ。」 - マイケル・アンダーソン
"When you launch a rocket, you're not really flying that rocket. You're just sort of hanging on."- Michael P. Anderson

マイケル・アンダーソンは米軍の宇宙飛行士。
飛行機のくだりは原文にない意訳で、乗り心地ではなく打ち上げの技術的困難について述べた発言である。
「ロケットを『飛ばす』というが、とても飛ばしてるなんてもんじゃない。大暴れするエネルギーを必死に押さえつけているというのがせいぜいだ」といった感じか。
続いて、我々は最善を尽くすが不確定要素をぬぐい去ることは決してできない、という意味のコメントが繰り返される。
懸命な努力にもかかわらず彼の不安は現実となり、2003年コロンビア号の大気圏突入失敗事故により彼のチームは全員死亡する。
ボストン・グローブ紙のコロンビア事故特集アーカイブでこの発言が載った記事を確認可能。アンダーソンの発言への直接リンクはこちら

高度な弾道学 - Advanced Ballistics Edit

「教養のある銃弾の前に無学な勇気は役に立たない。」 - ジョージ・パットン
"Untutored courage is useless in the face of educated bullets."- George Patton

『Cavalry Journal』(1888年創刊の由緒正しい軍人向け雑誌)の1922年春号に掲載された論評から。「What the World War did for cavalry」と題し、WW1がもたらした戦場の変化と今後の部隊運用について分析する内容である。
引用部付近では、今回の戦争で一芸しか持たない「スペシャリスト」兵士が生産され、無駄に玉砕したことを指摘する。塹壕戦では射撃だけ、擲弾だけに特化した兵士がやっていくことも可能であり、この風潮は教える側の都合で後押しされることもあった。こういった兵士は命令通りに弾幕を張ることにかけては効率的だが、包括的な訓練を受けていないため柔軟な応戦ができない。ひとたび戦況が動いたとき、彼らが他に知っている戦法は勇敢な突撃だけであった。結局「よく教育された部隊の連携行動の前に無学な勇気は役に立たなかったのだ」、と解説する。したがって原文では "was useless" と過去形になっている。

「月を目指せ。失敗しても、星に辿りつけるかもしれない。」 - W・クレメント・ストーン
"Aim for the moon. If you miss, you may hit a star."- W. Clement Stone

目標を高く持てば、たとえ道半ばで力尽きても、なんらかの水準に達しているだろう。精密誘導の対極のような話だが、人生の軌道計算には役に立つ。
なおクレメント・ストーンはアメリカの実業家であり自己啓発書ライターなので、いかにもこんな台詞を言いそうであるが、
実際には彼の著書には登場しないらしい。この混同を生み出した犯人が2007年のビジネス書であることはほぼわかっているが、
肝心の格言自体の出典は特定できておらず、オスカー・ワイルド、ウィリス・リード(バスケットコーチ)など様々な人物に仮託される。

諸兵科連合 - Combined Arms Edit

「何かのために戦う方が無為に生きるより良い。」 - ジョージ・S・パットン
"Better to fight for something than live for nothing."- George S. Patton
「戦争で最も計算し難いのは人の意志だ。」 - B・H・リデル=ハート
"The chief incalculable in war is the human will."- B.H. Liddell Hart.

WW1に従軍した軍事研究家。引用は著書『戦略論:間接的アプローチ』(1941)第十章から。
「戦術レベルでの計算は不確定要素が多すぎて難しい。ゆえに戦略レベルでの計算とは予想外の抵抗に対処するためではなく、抵抗が発生する可能性そのものを減らすことを目的とする」という文脈。

プラスチック - Plastics Edit

「詩的な物質の序列で言えば、プラスチックの扱いは良いものではない。ゴムのような気さくさも、金属のような厳しさも持ち合わせていないのだから。」 - ロラン・バルト
"In the hierarchy of the major poetic substances, plastic figures as a disgraced material, lost between the effusiveness of rubber and the flat hardness of metal."- Roland Barthes

フランスの構造主義(後期にはポスト構造主義)を代表する思想家の一人。
この一文は小編「プラスチック」より。日常の様々な文化を「神話」の定義に当てはめて分析する連載エッセイのうちの一つで、邦訳書では『神話作用』もしくは『ロラン・バルト著作集3 現代社会の神話』に収録されている。
ダイヤモンド、絹、羽毛といった物質が「実質」を持つとするならば、柔らかくも硬くもないプラスチックには本来の姿といえるような明確な実質がなく、むしろ無限の変形という概念そのものである。という論旨で「実質」と「効用」についての思考実験を行う短い評論。

「永遠に滅びないものなどない… プラスチックは例外かもしれないが。」 - パトリシア・ダン
"Nothing on this earth lasts forever. Except maybe plastic."- Patricia Dunn

アメリカのジュニアノベル作家。この引用は処女作『Rebels by Accident』(2014)から。

コンピューター - Computers Edit

「人は過ちをおかすが、本当に大きな過ちをおかすのはコンピューターである。」 - ポール・R・エールリッヒ
"To err is human, but to really foul things up you need a computer."- Paul R. Ehrlich
「コンピューターの長所は命令に従順なところであり、短所は命令に従順なところである。」 - テッド・ネルソン
"The good thing about computers is that they do what you tell them to do. The bad news is that they do what you tell them to do."- Ted Nelson

核分裂 - Nuclear Fission Edit

「さらに核開発をつづけても、瓦礫をさらに細かく砕く役にしか立たないだろう」 - ウィンストン・チャーチル
"If you go on with this nuclear arms race, all you are going to do is make the rubble bounce."- Winston Churchill

いくら大量の核兵器を持っていても、どうせ最初の数発で事は済んでしまうだろう。残りの核兵器が壊すものといえば、もはや瓦礫しかない。
核開発競争という壮大なる「無駄遣い」への皮肉。
…かと思わせて、実はこれも伝言ゲームにより文脈が変わってしまった言葉。

元になった記述は自著『第二次世界大戦』第二巻("Their Finest Hour", 1949)に登場するが、これは戦時中のドイツ軍によるロンドン爆撃についての描写。しかも意外にも再起を促すポジティブな文脈である。当時庶民院で国威発揚のためにこのような発言をしたとのこと。

 「(ロンドンは壊滅的な被害を受けたが、)収穫逓減の法則は都市の破壊にも当てはまるはずである。いずれ爆弾の多くは壊れた家々をさらに壊し、瓦礫を跳ね上げるだけになっていくだろう。そうなればもう燃えるものも壊れるものも広範囲にわたって無くなる。それでも人々は住処を見つけ、尽きることのない生命力と忍耐によって生き抜いていくことができるはずだ。」
原文 解説サイト

のちにキッシンジャーがこの一節を引用して、「チャーチルも言ったように、瓦礫をさらに壊す必要はないのだ」という形で核開発競争への懸念を述べたらしい(1968年のNYT記事。ただしこれは記者が地の文で書いた要約であり、キッシンジャーの元発言が存在するかどうかは不明)。この記事をきっかけに以後「チャーチルが核開発競争について述べた言葉だ」とする誤解が広まっていく。

「原子には手を出すな。」 - E・Y・ハーバーグ
"Leave the atom alone."- E. Y. Harburg

「オズの魔法使い」(1939)の劇中歌で一躍有名となった作詞家。
"Leave the atom alone" は1957年にブロードウェイで上演されたミュージカル「Jamaica」に使われている曲名である。ジャマイカの田舎娘がニューヨークから来たイケメンビジネスマンに恋をするも最後には地元の幼馴染みを選ぶというストーリーで、脚本もハーバーグ自身が担当した。
全体のテーマといい劇中の他の曲名といい、テクノロジー至上主義に突入した現代アメリカに対するカウンター文化の萌芽が見てとれる。

化学合成物質 - Synthetic Materials Edit

「プラスチック製品があふれる昨今、ビニール製の豹革は絶滅寸前だ。」 - リリー・トムリン
"There's so much plastic in this culture that vinyl leopard skin is becoming an endangered synthetic."- Lily Tomlin
「ポリエステルに慈悲をかける必要などない。この一点に関するかぎり、悪魔と神の意見は一致している。」 - ジョー・ヒル
"There may be no forgiveness for polyester. On this one matter, Satan and the Lord are in agreement."- Joe Hill

ジョー・ヒルはアメリカのホラー作家であり、スティーブン・キングの実子。親の名前で先入観を持たれるのを避けるためペンネームでデビューし、成功を収めた。
この台詞は映画化もされた長編『ホーンズ -角-』("Horns")から。潜伏生活のさなか、主人公は神と悪魔について思いを巡らす。そして厳しい戒律を課す神と異なり、ありのままの人間を愛せるのは悪魔だけだという結論にたどりつく。その際ふと「混ぜ織りの着物を着てはならない」(申命記22:11)という奇妙な戒律が聖書に存在することを思い出し、今の結論にこじつけてみようとしてつぶやいた台詞。

 「人間が軽くて着やすい多くの服のなかから服を選べることを望むのは悪魔だけだ」
 やがてイグは新たな諺をひねりだそうとして、低い声でつぶやいた。「ただし、ポリエステルだけは許してはいけないかもしれない。この一点についてのみ、悪魔と神は手を組んでいるんだな」(白石朗 訳)

なお申命記で言及されているのは正確には「羊毛と亜麻糸を混ぜて織った着物」なので、そこにポリエステルを含めたのは主人公による拡大解釈。
この作品は悪魔めいた姿に変化してしまった主人公が恋人の死の真相を暴くために奔走する異能系サスペンスであり、したがって主人公の語る「悪魔」という概念には彼自身の姿が投影されている。要するに主人公自身がポリエステルの服を嫌っているのだが、どうやら神様と好みが一致するようだな!というユーモアである。

情報時代 Edit

電気通信 - Telecommunications Edit

「ワトソン君、来てくれ。用がある。」 - アレキサンダー・グラハム・ベル
"Mr. Watson… Come here… I want to see you."- Alexander Graham Bell

1876年3月10日、発明者グラハム・ベルと助手と電気技師トーマス・ワトソンの会話。
世界ではじめての電話による会話である。

「コミュニケーションにおける唯一最大の問題は、相手に伝わったと思い込むことである。」 - ジョージ・バーナード・ショー
"The single biggest problem in communication is the illusion that it has taken place."- George Bernard Shaw

ノーベル文学賞を獲得したアイルランドの文豪。しかしその名声のため、名言業界では出典がわからなかったらとりあえずバーナード・ショーかマーク・トウェインかオスカー・ワイルドにしとけという風潮がまかり通っており、検証者を泣かせている。そりゃバーナード嬢もアニメ化するわけである。
検証サイトによれば、この言葉はほぼ確実にショーとは無関係。都市計画に関する論評を多く書いているジャーナリスト、ウイリアム・H・ホワイトが1950年に「Fortune」誌に書いた記事にかなり近い表現が使われているとのこと。その後時代が下るにつれて、伝言ゲーム的に言い回しと発言者が変わっていくのを見ることができる。

人工衛星 - Satellites Edit

「人工衛星に良心はない。」 - エドワード・R・マロー
"A satellite has no conscience."- Edward R. Murrow

エドワード・ロスコー・マローはアメリカのジャーナリスト。戦後はマッカーシズム批判の嚆矢となり、その功績を評価されて合衆国情報庁(USIA)長官に就任した。世界初の通信衛星テルスター1号が打ち上げられた際、その運用ポリシーを定めたのは彼である。
この台詞は最晩年となる1964年10月28日、ニューヨーク・プロテスタント協議会から「Family of Man」賞を授与された時のスピーチ。同年に受賞した大統領自由勲章と比べればそれほど大きな賞ではないが、結果的に生涯最後の公的スピーチとなったことから引用される機会が多い。伝記『Prime Time: The Life of Edward R. Murrow』(1969)に言及があるのを確認できる。

「今日におけるコミュニケーションの速度は目を見張るほどだ。だがこの速さは真実でない情報の拡散をも速めてしまうということも事実である。最先端の人工衛星に良心はない。最新のコンピュータというのも、人間同士の間に生じる最古の問題をただ高速で結びつけることができるというだけだ。何を言うべきか、いかに言うべきかという昔ながらの問題に直面することになるのは、結局コミュニケーションを行う者本人なのだ。」

「現在、地球を周回している31個の人工衛星には、道案内程度しかするべき仕事がない。」 - エド・バーネット
"Right now there are thirty-one satellites zipping around the world with nothing better to do than help you find your way to the grocery store."- Ed Burnette

エド・バーネット著『初めてのAndroid』("Hello, Android")より。
31個の人工衛星とはGPSシステムのこと。
道案内しかできないツールをわれわれ開発者はどのように活用できるのか……とつづく。

誘導システム - Guidance Systems Edit

「道さえ間違えなければ、目的地にはいずれたどり着ける。」 - 老子
"If you do not change direction, you may end up where you were heading."- Lao Tzu

英語の名言集にはちょくちょく登場するが、出典は全く提示されていない、かなりあやしい引用。
原典にもぴったり当てはまる箇所は見当たらないが、あえて言えば「善く行くものは轍迹なし」(第二十七)が
"A good traveler has no fixed plans and is not intent upon arriving" と独自の解釈で意訳された例があるので、
これをさらに一回転ひねるとこの形になるかもしれない。

「カーナビとケンカしながら帰ってくる母が好きだ。」 - イザベル・ファーマン
"I love watching my mom argue with the GPS on the way home."- Isabelle Fuhrman

イザベル・ファーマンはアメリカ合衆国の女優。この引用はTumblrのコメントから。

レーザー - Lasers Edit

「神が『光あれ』と仰せられたときに生まれた光は、完全なコヒーレント光だったに違いない。」 - チャールズ・タウンズ
"When God said, ‘Let there be light,' he surely must have meant perfectly coherent light."- Charles Townes

レーザー及びメーザーの基本原理を発明した物理学者、チャールズ・H・タウンズによる言葉。
メーザー、レーザーの発明および量子エレクトロニクス分野の基礎研究により他2名と共に1964年ノーベル物理学賞を受賞。

「私はレーザーの信奉者だ。やがてレーザーの時代が来るに違いない。」 - コートニー・コックス
"I'm a big laser believer - I really think they are the wave of the future."- Courteney Cox

そしてこちらはその恩恵を受けるモデルのことば。
レーザーはレーザーでもアンチエイジングのレーザー治療のススメである。
掲載誌

合成物 - Composites Edit

「あらゆる物体は、固く堅牢な粒子でできているように思える… そしてそれらの粒子は知的な媒介の手助けにより、最初の創造物とさまざまに関わり合っている。」 - アイザック・ニュートン
"All material things seem to have been composed of the hard and solid particles … variously associated with the first Creation by the counsel of an Intelligent Agent."- Isaac Newton
「科学が地上に天国をもたらそうとしているのは自明だが、その成果を利用して地獄を作ろうとしている輩もいる。」 - ハーバート・フーヴァー
"It is obvious that while science is struggling to bring Heaven to Earth some men are using its materials in the construction of Hell."- Herbert Hoover

アメリカ第31代大統領。世界恐慌への対策で支持を失い、フランクリン・ルーズベルトに負けて退陣した。
1938年11月22日に開かれたカナダのヨーク聖書クラスの年次会における発言として、スピーチ集『America's Way Forward』に収録されている。
原文

ステルス技術 - Stealth Technology Edit

「透明人間になることができればさぞ楽しいだろう。誰にも見られることなくどこへでも行けるのだから。」 - ケヴィン・ベーコン
"I would say invisibility would be sort of a fun power to have just to see what it was like to move through the world and not be looked at."- Kevin Bacon
「芸術や夢の世界では、自由奔放に進むといい。現実の世界では、バランスと秘密主義を大切にするといい。」 - パティ・スミス
"In art and dream may you proceed with abandon. In life may you proceed with balance and stealth."- Patti Smith

'70年代後半に活躍し「パンクの女王」と呼ばれたミュージシャン。長い休止期間を経て近年ふたたび一線に復帰している。
この言葉は1996年、夫や近親者の死をきっかけに音楽活動を再開した際のRolling Stone誌の取材記事から。芸術の世界を一時抜けて「現実の世界」に下りていた自分の生き方を念頭に置いているものと思われる。「自分はバランスと秘密主義のセンスには長けているつもりだ」とも続けており、後段の対話からも両方の世界を愛していることがうかがえる。

ロボット工学 - Robotics Edit

「ロボット工学は次世代技術の目玉として各国で研究されている。このあまりにも魅力的なテーマに、研究者は夢中だ。」 - コリン・アングル
"Robotics has been around forever, and it's been the next big thing forever, and it is so exciting and compelling that it's easy to get carried away."- Colin Angle

ルンバで有名なiRobot社の社長のインタビュー発言。この訳文は前半のネガティブなニュアンスを表現できていない気がする。
「ロボット工学は何年経っても次世代技術の目玉と呼ばれ続けている。あまりにも魅力的なテーマなので、研究者達はしばしば実用性という視点を忘れてデモ作りに夢中になってしまうのだ」と同業者を批判する文脈。

「I'll be back.」
"I'll be back."

デデンデンデデン
この台詞自体は『ターミネーター』シリーズに限らず他のシュワルツェネッガー作品でも使われる。

ナノテクノロジー - Nanotechnology Edit

「テクノロジーが変化をもたらすエンジンなら、ナノテクノロジーは人類を未来へ運ぶ燃料だ。」 - ナターシャ・ヴィタモア
"If technology is the engine of change, then nanotechnology is the fuel for humanity's future."- Natasha Vita-More
「ナノテクノロジーによって多くの変化が生じつつある… ナノテクノロジーは数え切れないほどの良いものと悪いものを共にもたらすだろう。」 - マット・スパイア
"Many, many rules had begun to bend at the hand of nanotechnology … This produced a lot of good, and a lot of bad."- Matt Spire

マット・スパイアはアメリカの若手SF小説家。
この引用は処女作『Caligatha』(2015)から。突然採用されたことに対する驚きを本人がredditに書き込んでおり、自ら出典を説明している。
正確には先端技術全般を指した文脈で、省略された部分には「遺伝子治療、ロボット工学、AI」が並ぶ。

未来技術 - Future Tech Edit

「未来を創り出すことにかけて夢に勝るものはない。」 - ヴィクトル・ユーゴー
"There is nothing like a dream to create the future."- Victor Hugo

ヴィクトル・ユーゴーの手による大河小説『レ・ミゼラブル』第三部 マリユスより。この前後にも文章は存在し、文と意味はそれぞれ
(前):There is nothing like dogma to produce the dream. 「夢を創り出すことにかけて独断に勝るものはなく」
(後):Utopia today, flesh and blood tomorrow. 「今日の空想郷も、明日には血肉をそなうるに至る」
と言ったところか。

「未来ははるか彼方にあるように思えるが、実は今ここで始まっている。」 - マティ・ステパネク
"Even though the future seems far away, it is actually beginning right now."- Mattie Stepanek

核融合 - Nuclear Fusion Edit

「地球から1億5千万km彼方で起きている核融合はすばらしい。太陽は高性能でノーコストの核融合炉だ。地球上の核融合炉とは比べ物にならない。」 - ジョー・ロム
"I am a big proponent of harnessing the power of fusion - from 93 million miles away. Fusion is done by our sun really, really well and for free. Here on Earth in reactors, not so much."- Joe Romm
「夜空を見上げるとそこには星が輝いている。あれはすべて遠い宇宙で起きている核融合の光なのだ。」 - カール・セーガン
"When we look up at night and view the stars, everything we see is shining because of distant nuclear fusion."- Carl Sagan

社会制度 Edit

太古 Edit

法典 - Code of Laws Edit

「法を作るのは智慧ではなく権威である。」 - トマス・ホッブズ
"It is not wisdom but authority that makes a law."- Thomas Hobbes
「人間はあらゆる動物の中で最も気高いが、それも法と正義があればこそだ。」 - アリストテレス
"At his best, man is the noblest of all animals; separated from law and justice he is the worst."- Aristotle

『政治学』第一巻より。

職人技 - Craftsmanship Edit

「熟練の技がなければ、ひらめきなど絵にかいた餅に等しい。」 - ヨハネス・ブラームス
"Without craftsmanship, inspiration is a mere reed shaken in the wind." - Johannes Brahms

直訳は「熟練の技がなければ、ひらめきは風に揺れる1つの葦(あし)にすぎない」となる。
意訳せずにそのまま解釈すると、「凡百の発想のうちの1つにすぎない」という意味が近いか。

「想像力をともなわない技術を工芸といい、ピクニックかごのような役に立つ品をもたらしてくれる。」 - トム・ストッパード
"Skill without imagination is craftsmanship and gives us many useful objects such as wickerwork picnic baskets."- Tom Stoppard

イギリスの脚本家。この台詞はBBCのラジオドラマ「Artist Descending a Staircase」(1972)に登場するようだ。
芸術家である主人公が言った台詞で、この後には「技術をともなわない想像力はモダンアートをもたらす」と続く。

対外貿易 - Foreign Trade Edit

「交換こそ国家の糧である。」 - アダム・スミス
"Every nation lives by exchanging."- Adam Smith

ご存じ経済学の父。著書『国富論』(正式には『諸国民の富の性質と原因の研究』)で知られるが、実はこの文は本書中に登場しない。
ただし主語を Every nation ではなく Every man にしたものならば第一篇第四章冒頭に見つけることができる。nationに変えたバージョンは検索してもCiv6関係しかヒットしないので、おそらく担当者のミスだろう。
個々人が分業を行えば必然的に交換という行為が必要になる。すなわち「交換こそ人の糧である」、と商業の本質を端的に述べた文。続いて交換を容易にするための貨幣という概念について考察が進められていく。

「それが貿易のいい面だろう。世界中が一緒になって盛り上がれるのだから。」 - イザベル・ホビング
"That's the positive aspect of trade I suppose. The world gets stirred up together."- Isabel Hoving

軍の伝統 - Military Tradition Edit

「勇気とは恐れを自覚することに他ならない。」 - デイビッド・ハックワース大佐
"Bravery is being the only one who knows you're afraid." - Colonel David Hackworth

『「勇気」とは「怖さ」を知ることッ!』という風にあちこちで見掛けるこの表現であるが、その起源ははっきりしない。
ハックワースは1930年生まれの軍人なので初出とみなすには少々若すぎるし、具体的なソースがあるわけでもないので忘れて構わないだろう。てかなんでこの人だけ階級つきなのか。
同じ言葉を1934〜1960年まで活動していた米ジャーナリストのフランクリン・P・ジョーンズに仮託する説も流布しているようだが、こちらも出典はまったくない。

ということで完全一致する表現を探すのはあきらめて、「似た言葉」でもいいからもっと古い例を探してみると、イギリスの劇作家ジョアンナ・ベイリーの作「Basil: A Tragedy」(1798)に次のような台詞が登場する。
 The brave man is not he who feels no fear,
 For that were stupid and irrational;
 But he, whose noble soul its fear subdues,
 And bravely dares the danger nature shrinks from.
 勇者とは恐れを知らぬ者ではありませぬ、
 それはただの愚かな狂人ですから。
 その気高き魂で恐れを押さえつける者、
 みなが怯む危険にあえて立ち向かう者のことでございます。

ひとまず18〜19世紀まで遡れることは確かだが、もちろん勇気は古今東西の文学で取り上げられる普遍的テーマであるから、これより古い用例が見つかっても不思議ではない。

「軍隊式の方法論を見下すつもりはない。だが、従順なだけの兵士では戦いに勝利できないだろう。」 - ユリシーズ・S・グラント
"I don't underrate the value of military knowledge, but if men make war in slavish obedience to rules, they will fail."- Ulysses S. Grant

南北戦争における最も有名な将軍。ウィリアム・シャーマンらを指揮下におき、最終的には北軍の総司令官にまで昇進した。後の第18代アメリカ大統領でもある。
この言葉はいくつかの伝記に掲載されているが、おそらく自身も南北戦争に参加していたウィリアム・コナント・チャーチ中佐(全米ライフル協会の創立者。本業は新聞記者であった)が書いた『Ulysses S. Grant and the period of national preservation and reconstruction』(1906)が初出と思われる。
1863年のビックスバーグ方面作戦を回顧しての台詞。ただし文脈の勘違いから誤訳が生じている。ここでの「obedience to rules」は(兵士が規律に従うことではなく)将軍が軍事学の法則を無批判に信じてしまっていることを指摘したものである。

「我々の将軍たちが失敗したのは、すべてを法則に沿って解決しようとしたからだ。彼らはフリードリヒ大王やナポレオンの業績を知っていた。ナポレオンならどうするだろうかと常に考えていた。だが不幸なことに、南軍はまったく別のことを考えていたのだ。軍事知識を軽視するつもりはないが、法則に盲目的に従って戦争をしようとすれば、いずれは失敗するだろう。ヨーロッパとアメリカほど戦況が異なっている時に、同じ法則など当てはまるはずもない。」
"Ulysses S. Grant" p.188 原文

ビックスバーグ包囲戦は戦争全体の趨勢の転換点となった重要な戦闘であるが、そこに至るまでにはグラント自身を含む諸将の数々の失敗があった。しかしグラントは挫けず、セオリーにないさまざまな奇策を試し、試行錯誤の末に勝利を掴んだのである。
リーダーたるものいつかはマニュアルをあてにせず自分の才覚で乗り切らねばならない局面がやってくる、ということを示唆した実体験に基づく教訓である。

労働徴発 - State Workforce Edit

「安定した経済は十分な教育を受けた労働者から始まる。」 - ビル・オーウェンズ
"A strong economy begins with a strong, well-educated workforce." - Bill Owens
「熱心で満ち足りた従業員を持つことは、利益を出すことと同様に大切だ。」 - ヴァーン・ドッシュ
"It is equally important to have a happy and engaged workforce as it is to have a profitable bottom line."- Vern Dosch

アメリカのIT企業、National Information Solutions Cooperative社の社長。管理職向けのビジネス書も書いている。
この言葉は著書『Wired Differently』(2015)から。

古代の帝国 - Early Empire Edit

「これまでに幾多の帝国が勃興を繰り返してきた。過去を振り返れば未来を見通せる。」 - マルクス・アウレリウス
"Look back over the past, with its changing empires that rose and fell, and you can foresee the future, too."- Marcus Aurelius

ローマ帝国皇帝。五賢帝の一人に数えられる。ストア派の哲学者としても知られる。

「ローマ帝国が滅びたのは、いわばエアコンのような贅沢のせいだ。エアコンがあるから窓を閉める。だから蛮族の来襲が聞こえなかったのだ。」 - ギャリソン・ケイラー
"It was luxuries like air conditioning that brought down the Roman Empire. With air conditioning their windows were shut; they couldn't hear the barbarians coming." - Garrison Keillor

ギャリソン・ケイラーはアメリカの作家、ラジオパーソナリティ。
この言葉はラジオ番組からスピンアウトした小説シリーズの一作目『Lake Wobegon Days』(1985)から。これは現代の架空の田舎町を舞台にしたコミカルな日常もの。
エアコンは軟弱者や怠け者が使うものだ、と考える登場人物が地の文の形で述べた言葉である。

神秘主義 - Mysticism Edit

「神秘主義とは、単なる偶然の産物を普遍的なものと誤認することだ。」 - ラルフ・ワルド・エマーソン
"Mysticism is the mistake of an accidental and individual symbol for a universal one."- Ralph Waldo Emerson

エマーソン(日本では「エマソン」表記が多い)は19世紀アメリカを代表する思想家。牧師として思索をスタートし、やがて既存宗教にとらわれず人間の知性そのものの中に至高性を見出す超越主義と呼ばれる哲学を打ち立てた。
この言葉はエッセイ「詩人」("The Poet")から。真善美のうち美の徳を広める者を「詩人」と位置づけ、その役割が人間の魂にとっていかに重要であるかを語る。
ここで「神秘家」は詩人に似ているものの異なる存在として対比される。詩人にとって世界の解釈は一貫しておらず流動的であるが、神秘家は世界の中に不変の真理を見出す。どちらも人間が世界に意味を与えているという点において人間の知性の力を証明するものであるが、神秘家はあくまで象徴にすぎないものを不変的真理と結びつけてしまうがゆえにその解釈はやがて陳腐化してしまう、と説く。決して唯物論者が迷信を全否定するような言葉ではないので誤解なきよう。

「よく知らないことを心から信じているという意味で、私は軍隊式神秘主義の実践者だ。」 - ロブ・ベル
"I like to say I practice militant mysticism. I'm absolutely sure of some things that I don't quite know."- Rob Bell

ロブ・ベルはアメリカの単立キリスト教会「Mars Hill Bible Church」(いわゆるメガチャーチの一つ)を創立した牧師。「死後の裁き」や「地獄」といった脅しを多用する保守的な福音主義を批判して従来の教派から離れた。
この発言はキリスト教徒向け雑誌『Christianity Today』の2009年4月22日のインタビューから。聖書の教義を正確に理解しようと努めることは信仰の本質ではなく、むしろ理解が不正確だったら救済されないのではないかという恐れを招いて信仰を挫けさせることにも繋がる。よくわからないありがたいものをただ一心に信じればそれでよいとするのが本来の福音の受け止め方だ、と説く。「自分の(信仰上の)行いについて確固たる理解を持っているような人々のことは警戒せざるを得ない」とも述べている。
なおmilitantは軍隊というよりは「急進的」程度の意味。
該当記事の転載版

古典 Edit

遊びと娯楽 - Games and Recreation Edit

「生活必需品の1位が食べ物なら、僅差の2位は娯楽である。」 - エドワード・ベラミー
"If bread is the first necessity of life, recreation is a close second."- Edward Bellamy

19世紀アメリカの作家であり社会主義ナショナリスト。代表作『かえりみれば』("Looking Backward", 1888)は一種のコールドスリープにより1887年から2000年まで眠り続けた主人公が、そこで未来の理想社会を目の当たりにするという筋書きで、SFの走りとしても社会主義の啓蒙書としても世間に大きな影響を与えた。
この一節は同書中の1シーン。共産制ユートピアにおいても依然娯楽としてのスポーツ観戦は存在し、人気を博していた。ただし金銭や私有財産という概念がない社会なのでプロもおらず、労働者チーム同士の対抗戦が主である。選手達は純粋に名誉のためだけに戦う。

「娯楽の時間をろくに持てない人は、遠からず病気に時間を費やすはめになるだろう。」 - ジョン・ワナメイカー
"People who cannot find time for recreation are sooner or later to find time for illness."- John Wanamaker

19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したアメリカの実業家。フィラデルフィア州最初の百貨店を設立したのを皮切りに、現代にも通じる様々なマーケティング手法を導入した。後には政界入りし郵政長官も務めている。
当時の代表的な成功者ということで、「ワナメイカーの経営術」をうたう本は存命中にも死後にもいろいろと出版されたようだ。この引用部と完全に一致する一文はまだ発見できていないが、類似の主張が載った文献ならいくつか現存しているため、信憑性はありそうである。

「よく働き、よく休み、よく遊べ。丸一日体力仕事をしたならば、夕方には貴方の身体は休みを欲するし、心は娯楽を欲して当然なのだ。」(自著『Wanamaker Primer on Abraham Lincoln - the typical American example of the Rule of Four』, 1909)
「年配社員には、老後に休息と娯楽をとれるよう明確な退職金プランを。若手社員には昇進のチャンスを与えよ」(「ワナメイカー・メソッド」の紹介。伝記『The Business Biography Of John Wanamaker』, 1930)
読む限りなかなかのホワイト企業であったように見える。もっとも同じ伝記によると、本人は休みを必要としないタイプだったため、娯楽の大切さに気付いたのは晩年であったとも書いてあるが。

政治哲学 - Political Philosophy Edit

「政治とは可能性の芸術であり、次善の結果を追求するものである。」 - オットー・フォン・ビスマルク
"Politics is the art of the possible, the attainable - the art of the next best."- Otto von Bismarck

オックスフォード引用句辞典が採用した説によると、1867年8月11日に新聞記者の取材に答えた時の発言とのこと。
Web上で読める資料では、週刊誌『Die Gartenlaube』(ドイツ語で書かれた定期刊行誌としては最古とされる)の1876年51号にこの発言を取り上げた記事があるのを確認できる。
ただし the attainable 以降に対応する言葉はこの資料には含まれていないことに注意。他の辞典も後半部を載せないものがほとんどなので、後年に翻訳者が混入させてしまったものである可能性も否定できない。

なお、よく似たバリエーションとして「政治は、学者達が思っているような科学ではない。政治とは芸術だ」という発言もあり、これは伝記によって1863年もしくは1884年と紹介されている。折にふれて繰り返していた持論なのかもしれない。

「『統合して先導せよ』は『分割して統治せよ』に勝るモットーだ。」 - ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
"Divide and rule, a sound motto. Unite and lead, a better one."- Johann Wolfgang von Goethe

演劇と詩 - Drama and Poetry Edit

「チーズについて世の詩人はなぜか沈黙を守ってきた。」 - G・K・チェスタートン
"The poets have been mysteriously silent on the subject of cheese."- G. K. Chesterton

ギルバート・キース・チェスタートンは20世紀初頭に活躍したイギリスの作家。推理小説「ブラウン神父」シリーズで特に有名。
この一文は『Alarms and Discursions』(1910)に収録されているエッセイで、その名もずばり「Cheese」。世の文学はチーズを軽視しすぎている!俺にこの問題を論じさせたら五冊は書ける!とうそぶきながら、チーズがいかに詩的で多様性に富んだすばらしいものであるかを滔々と語る、ユーモラスかつ情熱的な小論。
調子に乗って「まあダライ・ラマはチーズの味なんか知らないだろうけど」とか余計なことを言い始めるのはこの時代のイギリス人の悪い癖なので話半分で見てもらいたい。
全文

「この世は舞台であり、すべての男女は役者である。」 - ウィリアム・シェイクスピア
"All the world's a stage, and all the men and women merely players."- William Shakespeare

ウィリアム・シェイクスピア作の喜劇「お気に召すまま(原題:As You Like It)」の登場人物ジェイクイズが
第二幕にて話すモノローグの冒頭である。

軍事訓練 - Military Training Edit

「殺戮が人の本能なら、どうして殺し方を学ぶ必要があるのだ?」 - ジョーン・バエズ
"If it's natural to kill, how come men have to go into training to learn how?"- Joan Baez

ジョーン・バエズはアメリカのフォークミュージシャンにして反戦運動家。
彼女が懇意にしていた「The Center for Teaching Peace」という団体が平和教育のためのカリキュラムを作成しており、その教材の中にこの架空の対話が含まれる。おそらくはバエズ自身が書いたか、もしくは原案に協力したのであろう。引用部の台詞はバエズが発言しているということになっている。
もちろん「殺戮は止められない本能などではない。愛や親切さもまた人の本能だ」という文脈。
「Class of Nonviolence」教材(Colman McCarthy編)

「争いを仲裁する者には怪我をする覚悟が求められる。」 - ジョン・ゲイ
"Those who in quarrels interpose, must often wipe a bloody nose."- John Gay

18世紀イギリスの劇作家、詩人。親交の深かった同時代人には『ガリバー旅行記』のジョナサン・スウィフトらがいる。
この引用は詩集『The Fables』に収録されている詩「The Mastiffs」の冒頭二行。
原文

防御戦術 - Defensive Tactics Edit

「防御によって敗北を避け、攻撃によって勝利を得る。」 - 孫子
"Invincibility lies in the defense; the possibility of victory in the attack."- Sun Tzu

書き下し原文:「勝つべからざる者は守なり。勝つべき者は攻なり」(軍形第四)
敵が自分に勝てない(=勝つべからざる)状態は自分で作り出せるが、こちらが勝てるかどうかは敵次第である。
ゆえにまず守備を整え、その上で勝機を見つけ出して攻めよ、の意。

「防御は富に勝る。」 - アダム・スミス
"Defense is superior to opulence."- Adam Smith

『国富論』の第四篇第二章から。この本は国家経営についてもかなりの紙幅が割かれているので、国防の話題も登場する。
この章でスミスは重商主義を批判し、基本的には自由経済を支持するものの、ただし例外として防衛だけは富よりも重要であるから、イギリス航海条例のような国防に利のある形の市場規制を導入するのは利口な選択と言える、と譲歩している。

歴史の記録 - Recorded History Edit

「私の人生は恐怖でいっぱいだが、実際に起きたのは一部だけだ。」 - マーク・トウェイン
"I've lived through some terrible things in my life, some of which actually happened."- Mark Twain
「歴史とは、過去の出来事に対する人々の合意である。」 - ナポレオン・ボナパルト
"History is the version of past events that people have decided to agree upon."- Napoleon Bonaparte

このバージョンは後世になってからコンパクトに編集されたものであろう。元になった発言は晩年の会話録の中に見つけることができる。
セントヘレナ島への流刑に同伴した側近ラス・カーズの日記『セント=ヘレナ覚書』には、1816年11月20日付として以下の発言が掲載されている。口述なのでかなり長い。
なお日本で出版されている訳書(小宮正弘 編・訳)は抄訳であるため、この部分はばっさりカットされているので注意。

「認めなければならないな、ラス・カーズ君。」この日皇帝は私におっしゃった。「歴史の意図について絶対の確信を得るというのは最も難しいことだと。幸い、それを求めるのは本当に重要だからというよりも、もっぱら単なる好奇心のためであるが。とにかく真実の種類が多すぎる!たとえばフーシェとか、あれに似た策謀家が言うような真実だけでなく、多くの正直者たちが語る真実ですら、しばしば私が関わるようなそれとは全く違っていたりする。歴史の真実とは――求める声は多く、また誰もが熱心に喧伝するが――ほとんどの場合、単なる言葉にすぎない。ある出来事が起きたとき、各々相反する熱情が燃えているさなかには、そんなものは存在できないのだ。後になって、もしすべての当事者達がそれを尊重することに同意し、反対する者がいなくなったなら、そのとき初めて出現するのだ。ではつまるところ、歴史の真実とは何か?同意された寓話だ。」
Google Booksの英訳版

神学 - Theology Edit

「正確な測定や天体観測にとっての数学、あるいは製鉄にとっての化学のように、今や神学なくして厳格な宗教思想は成り立たない。」 - ジョン・ホール
"We can no more have exact religious thinking without theology, than exact mensuration and astronomy without mathematics, or exact iron-making without chemistry."- John Hall

ジョン・ホールは19世紀の牧師。アイルランドに生まれて宣教師となり、後にアメリカに移住した。
ホール自身に著書はなく、この言葉は同時代の学校教師ジョサイア・H・ギルバートによる格言集『Dictionary of Burning Words of Brilliant Writers』(1895)に収録されているもの。よって前後の文脈は提供されていない。
出典をまったく載せていない本なのでどこまで信頼できるかはわからないのだが、「この手の格言集としてはそこそこ古い」「宗教的テーマに絞った内容である」「同時代のアメリカ人の発言を多く収集している(よって今日の我々にとってはマイナーな人物も多い)」といった特徴があるので、多少特筆には値するかもしれない。

「人が苦しむのは、神々の悪戯をまじめに受け取るからだ。」 - アラン・W・ワッツ
"Man suffers only because he takes seriously what the gods made for fun."- Alan W. Watts

イギリスの禅研究家。戦前から1970年代までの長い期間にわたって多数の著作を書き、とりわけ後年アメリカで勃興するニューエイジ運動に大きな影響を与えた。
この言葉は「Lightness of Touch」というエッセイから。書籍化されていない手記を没後に集めた選集『Become What You Are』(2003)に収録されている。
マーヤ(幻影)でしかない現世をまじめに受け取ろうとすることはそれ自体が矛盾であり、苦しみの道である。むしろ現世を遊びと捉え、あるがままに生きる方が神あるいは仏の心にかなう。そのことを知れば「遊びだからこそ真剣に楽しむ」という視点も持てるようになるのである。という内容。
これも一つの宗教的理念であって、決して西洋的な一神教信仰をからかっているわけではないのだが、そうはいってもやはり「神々の言葉をまじめに解釈する」ことに全力を注ぐ神学とは相性がよくない。どうも本作は当該テクノロジーをわざわざ否定するような言葉をフレーバーテキストに選ぶ傾向があるように思える。

中世 Edit

海軍の伝統 - Naval Tradition Edit

「強力な海軍は戦争の原因ではなく平和の保障となる。」 - セオドア・ルーズベルト
"A good navy is not a provocation to war. It is the surest guaranty of peace." - Theodore Roosevelt

まさしくアメリカの指導者、テディ・ルーズベルトの発言である。

「海軍には伝統があり、未来がある。我々は誇りと確信をもってそれらを見据えている。」 - アーレイ・バーク
"The Navy has both a tradition and a future - and we look with pride and confidence in both directions."- Arleigh Burke

これはアーレイ・バークの言葉ではない。キューバ危機の1962年に海軍作戦部長を務めたジョージ・アンダーソンの言葉である。
シヴィロペディアそのものの誤り。

封建制度 - Feudalism Edit

「民主主義では一票が物事を決め、封建主義では領主が決める。」 - モーエンス・ジャルバーグ
"In democracy it's your vote that counts; in feudalism it's your count that votes."- Mogens Jallberg

countという語を動詞「価値を持つ」と名詞「伯爵」の二通りの意味に使った洒落。
作者のジャルバーグ氏に関する情報は皆無で、検索しても同名の人物すらほとんどヒットしない。かろうじてデンマークのIT会社の役員が一人見つかるため、これを作者とみなしているサイトもあるが、発言録はまったくないし活動時期も比較的最近なので、偶然の一致である可能性の方が高そうだ。
このジョークそのものはもう少し前から作者不明として雑誌等に登場している模様。いつからジャルバーグ説が生まれたのかは定かでないが、実在したとしてもせいぜいジョーク集をまとめた記者の友人、程度の無名の人物と考えておいた方がよさそうである。

「封建制度の発達とともに鉄の鎧が発達し、やがて全身を覆った戦士が登場するまでになった。」 - ジョン・ボイル・オライリー
"With the advance of feudalism came the growth of iron armor, until, at last, a fighting-man resembled an armadillo."- John Boyle O'Reilly

公務員制度 - Civil Service Edit

「何をするにしても書類、書類、書類。役所というのは紙切れと書類と手続きでできた要塞だ。」 - アレキサンドル・オストロフスキー
"It's all papers and forms, the entire civil service is like a fortress made of papers, forms and red tape." - Alexander Ostrovsky
「納税者とは公務員試験を受けていなくても連邦政府の役に立てる人々のことである。」 - ロナルド・レーガン
"The taxpayer - that's someone who works for the federal government but doesn't have to take the civil service examination." - Ronald Reagan

オハイオ州シンシナティでの講演会発言として1965年6月の新聞に掲載されているもの。まだ州知事にも立候補していない一議員だった時期である。
Web上で読める資料としては『The Florence Times』1965年6月16日号のスキャン画像にて確認できるほか、前後数日の他紙にも同一の文章が配信されている。
ただしこの言い回し自体はレーガンが考えたものではないらしく、少なくとも1957年の新聞記事には同じ表現が登場している様子。
参考サイト

傭兵 - Mercenaries Edit

「平時には傭兵が、戦時には敵が富を略奪する。」 - ニッコロ・マキャヴェッリ
"In peace one is despoiled by mercenaries; in war by one's enemies."- Niccolo Machiavelli

『君主論』第十二章より。君主が扱う軍事力を、自国軍、傭兵軍、外国援軍および混成軍に分けて論じた章。
このうち傭兵軍(と外国援軍)は士気が低いため役に立たず、むしろ治安を悪化させるリスクすらある。今日のイタリアの凋落は傭兵に頼りすぎたためであり、国を守るためには必ず常備軍を持たねばならない、と説く中の一文。

「傭兵というものは、金と争いごとの匂いがする場所ならどこへでも行くものだ。」 - ハワード・テイラー
"Being a mercenary, though … Hey, we just go wherever there's a mixture of money and trouble."- Howard Tayler

宇宙の傭兵を描いた連載Webコミック『Schlock Mercenary』の作者。連載開始は2000年であり、Webコミックとしてはなかなかの古株である。
この台詞は第六部「Resident Mad Scientist」の中の一コマ

中世の市 - Medieval Faires Edit

「輝くもの必ずしも金ならず。まさしく名言だ。」 - ウィリアム・シェイクスピア
"All that glisters is not gold; often have you heard that told."- William Shakespeare

「ヴェニスの商人」第二部第七幕より。主役のアントーニオは友人に金を借りてまで(このせいで友人は後に破産しシャイロックにつけこまれる)良家の娘に求婚するが、彼女は他に二人の金持ちからも求婚されていた。父親の遺言に基づき、男達は金・銀・鉛の箱を見せられ、最初に正しい箱を選んだ者が結婚を許されることになった。
最初に挑戦したモロッコ公は「天使は金のベッドに眠る」とうそぶきながら意気揚々と金の箱を開けるが、中には不吉なドクロと共にこの言葉で始まる手紙が入っていた。ハズレである。

なお「輝くもの必ずしも金ならず」はシェイクスピアよりも昔から存在する諺で、古くはジェフリー・チョーサーなど様々な文豪が引用している。本作におけるトールキン(→「地図製作法」)、アバクロンビー(→「鉄鋼」)の引用も同じ言葉を下敷きにしていると言えるだろう。

「いい買い物とは商人を騙すことだと考える誠実な人も世の中にはいる。」 - アナトール・フランス
"There are very honest people who do not think that they have had a bargain unless they have cheated a merchant."- Anatole France

ギルド - Guilds Edit

「すべての父親は息子に手に職を持つことを教えてやらなければならない。先の見えない世の中を渡っていけるようにしてやりたいと思うのならば。」 - フィニアス・T・バーナム
"Every man should make his son learn some useful trade or profession, so that in these days of changing fortunes … they may have something tangible to fall back upon."- Phineas T. Barnum

中世にギルドという概念が生まれ、職人文化が爛熟すると、徒弟工として世を渡り歩くための技術を教えるのが父親にとって最高の餞とされた。

「盗賊ギルドの連中をすべて逮捕しようなんて思わないほうがいい。日が暮れてしまう。」 - テリー・プラチェット
"You can't go around arresting the Thieves' Guild. I mean, we'd be at it all day!"- Terry Pratchett

ファンタジー世界におけるギルドの定番といえば盗賊ギルド。
もちろん我々の世界にはそんなものは存在しない、…いや存在しないことになっているので、こんな台詞が普通に出てくるのはフィクションの中だけである。
ディスクワールドシリーズ8作目『Guards! Guards!』(未訳)に登場する台詞。
プラチェットについては同シリーズから引用している「印刷」のフレーバーテキストも参照のこと。

王権神授説 - Divine Right Edit

「神の原理にもとづいて王の権力について述べるなら、神の意志に逆らうのは冒涜であると余は断じる。したがって、王の意志に逆らうのは謀反である。」 - ジェームズ1世
"I conclude then this point touching upon the power of kings with this axiom of divinity, That as to dispute what God may do is blasphemy … so it is sedition to dispute what a king may do."- King James I

メアリ・スチュアートとエリザベス1世の後を継いだスコットランド王にしてイングランド王。王権神授説の信奉者の代表格として知られる。
この引用は1609(1610?)年3月21日に王国議会で行った発言として記録に残っている。「王は神以外の何者にも責任を負わない」という言葉が含まれた有名な演説だが、こういった姿勢のため議会との対立が絶えなかった。
グラスゴー大学が所蔵する一次史料 (Bf72-e.5 item 4) 書き起こし

「池に住む怪しげな女から剣を与えられても、それを政府の礎とすることはできない。そんなバカげた理由で最高権力者を決めてよいわけがないではないか。」 - モンティ・パイソン
"Listen, strange women lying in ponds distributing swords is no basis for a system of government … You can't expect to wield supreme power just ‘cause some watery tart threw a sword at you!"- Monty Python

映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」(アーサー王伝説をもとにしたパロディ)に出てくるセリフの一節。
これ自体は、ガラハド卿, 城の兵士1, 村人2, ナレーター etc.を演じるマイケル・ペイリンがデニスという役でアーサーに向けて話すものである。
元ネタはもちろんアーサー王がエクスカリバーを与えられるシーンである。

ルネサンス Edit

探検 - Exploration Edit

「我々が探究をやめる日とは、好奇心を失う、夢のない停滞した世界で生きることを決意する日のことだ。」 - ニール・ドグラース・タイソン
"The day we stop exploring is the day we commit ourselves to live in a stagnant world, devoid of curiosity, empty of dreams."- Neil deGrasse Tyson

アメリカの天体物理学者であり、ヘイデン・プラネタリウムの館長。2014年版のドキュメンタリー番組『コスモス』では司会を務めた。ちなみに1980年版『コスモス』の司会はカール・セーガンであり、そちらも本作に採用されている。(→「核融合」)
この言葉は公式Twitterから。

「探究をやめるなかれ。すべての探究の最後に我らは初源の場所に戻り、そこがどこかを初めて知るだろう。」 - T・S・ エリオット
"We shall not cease from exploration, and the end of all our exploring will be to arrive where we started and know the place for the first time."- T.S. Eliot

『四つの四重奏』所収、「リトル・ギディング」第五節より。
後述の「ソーシャルメディア」の項で引用されているバーント・ノートンともども、庭園をモチーフに魂の救済とでもいうべきものを歌った哲学的な連作。タイトルはどちらも地名に由来している。
全体としてはかなり難解な作品だが、少なくともこの一文は比較的意味をとりやすく、素直に深みを味わえる名文といえる。

人本主義 - Humanism Edit

「好奇心、自由な精神、良識への信頼、人類への信頼。これがヒューマニズムの4つの柱だ。」 - E・M・フォースター
"The four characteristics of humanism are curiosity, a free mind, belief in good taste, and belief in the human race."- E.M. Forster
「人間に絶望してはならない。海の水と同じく、たとえ数滴が汚れていたとしても、海のすべてが汚れるわけではないのだから。」 - マハトマ・ガンジー
"You must not lose faith in humanity. Humanity is like an ocean; if a few drops of the ocean are dirty, the ocean does not become dirty" - Mahatma Gandhi

外交官 - Diplomatic Service Edit

「外交には2種類の問題しかない。小さな問題と大きな問題だ。前者はいずれ勝手に片がつく。後者については、できることは何もない。」 - パトリック・マックギネス
"In diplomacy there are two kinds of problems: small ones and large ones. The small ones will go away by themselves, and the large ones you will not be able to do anything about."- Patrick McGuinness

イギリスの文学教授、作家。小説の他には比較文学論や翻訳を多く手がけている。
この言葉は小説デビュー作『The Last Hundred Days』(2011)に登場。登場人物が別の人物から教わった金言として紹介している。

「外交官とは、女性の誕生日は覚えていても年齢は思い出せない男のことだ。」 - ロバート・フロスト
"A diplomat is a man who always remembers a woman's birthday but never remembers her age."- Robert Frost

宗教改革 - Reformed Church Edit

「私は天国にも地獄にも肩入れしたくない。どちらにも友人がいるのだから。」 - マーク・トウェイン
"I don't like to commit myself about Heaven and Hell, you see, I have friends in both places."- Mark Twain
「現代文明が生みだした偉大なものが3つある。火薬、印刷技術、プロテスタントだ。」 - トーマス・カーライル
"The three great elements of modern civilization: gun powder, printing, and the Protestant religion."- Thomas Carlyle

著書『The State of German Literature』(1827)冒頭付近に登場する一節だが、前段も含めて読まないと意味が変わってしまう。ここで挙げられているのは「ドイツがもたらした三つの偉大なもの」である。
ドイツ文学研究家としての立場から、他国人(特にフランス人)のドイツに対する認識が偏見に満ちていることを指摘するために述べた文。プロテスタントを挙げているのは、おそらく主な対象読者がイギリス人だからであろう。

「100年ほど前、ブウール神父は示唆的な疑問を提示した。『ドイツ人に知性はあるか?』もしケプラーやライプニッツがどの国で生まれたか、あるいは現代文明における三つの偉大な発明、すなわち火薬、活版印刷、プロテスタントをもたらしたのが誰だったかを神父が考慮に入れていたならば、この質問に対する答は明らかであっただろう。」
『The State of German Literature』原文

なお当時のヨーロッパでは、火薬を発明したのはベルトルト・シュヴァルツという14世紀ドイツの錬金術師であるとする説が信じられていた。ただしこの人物には謎が多く、現代では実在を疑う声も大きい。

重商主義 - Mercantilism Edit

「しかし市場経済においては、個人が国家から逃れられる可能性が多少なりとも存在するのだ。」 - ピーター・バーガー
"In a market economy, however, the individual has some possibility of escaping from the power of the state."- Peter Berger
「非市場経済には、目にした途端に市場経済の良さを強く理解せしめるものがあった。」 - エスター・ダイソン
"Having seen a non-market economy, I suddenly understood much better what I liked about a market economy."- Esther Dyson

啓蒙思想 - The Enlightenment Edit

「新しい考えというのは、まだ普及していないというだけの理由で、いつも疑われ、たいてい反対されるものだ。」 - ジョン・ロック
"New opinions are always suspected, and usually opposed, without any other reason but because they are not already common."- John Locke

『人間知性論』冒頭にあるペンブルック伯への献辞より。

「自然と相容れないものは道理とも相容れず、それが何であれ、道理に合わないものはバカげている。」 - バールーフ・デ・スピノザ
"Whatever is contrary to nature is contrary to reason, and whatsoever is contrary to reason is absurd."- Baruch Spinoza

産業時代 Edit

植民地主義 - Colonialism Edit

「政治、植民地主義、帝国主義、戦争。どれも人間の脳の産物であることを忘れるな。」 - ヴィラヤヌル・ラマチャンドラン
"Remember that politics, colonialism, imperialism and war also originated in the human brain."- Vilayanur Ramachandran

インド出身のカリフォルニア大学の神経科学者・心理学者。幻肢痛をはじめとする神経疾患や脳機能の研究に功績がある。
この言葉は2003年に行われた全5時間の講演を締めくくる一文で、著書『脳のなかの幽霊、ふたたび』("The Emerging Mind", 2003)にも収録されている。
過去の回においてラマチャンドランは、美的感覚や言語獲得といった我々が普遍的に体験する概念について、脳科学の視点から法則を見出せる可能性があることを示してきた。この考え方を推し進めれば、やがてはこれまで哲学の領分とされていた概念についても脳科学がヒントを提供できるようになるかもしれない。それは芸術・哲学のみならず、政治や戦争といった分野についても同様かもしれない。
全体としては神経科学の応用可能性をポジティブに語るパラグラフである一方、いわゆる悪とされている思想も「一部の異常者が暴走して生んだもの」ではなく、我々人類の脳が普遍的に生み出すものの一つなのでは?といった示唆を感じさせる。

BBCによる講演内容書き起こし

「植民地主義。理性的支配の強制的普及。だが、誰がそれを入植者たちに普及させる?」 - アンソニー・バージェス
"Colonialism. The enforced spread of the rule of reason. But who is going to spread it among the colonizers?"- Anthony Burgess

『時計じかけのオレンジ』で知られるイギリスの作家。日本ではアントニイとも。
引用部は『Earthly Powers』(未訳、1980)から。

土木技術 - Civil Engineering Edit

「手を入れることで道はまっすぐになる。しかし、曲がったままの道は天才の道である。」 - ウィリアム・ブレイク
"Improvement makes straight roads; but the crooked roads without improvement are roads of Genius."- William Blake

18世紀後半を中心に詩、水彩画、版画など多彩な業績を残した偉人。
この言葉は詩、挿絵、印刷すべてを自身の手によって仕上げた自著『天国と地獄の結婚』("The Marriage of Heaven and Hell", 1793)より、「地獄の箴言」と題する章から。
預言めいた意味深長な言葉がちりばめられたこの書は当時のキリスト教神学に対するアンチテーゼであり、旧来の抑圧的な道徳観に疑問を呈するような大胆な思索が多く含まれている。

「ミスを完全になくそうとしたとき、よくやってしまうミス、それは人間の愚かさを過小評価することだ。」 - ダグラス・アダムズ
"A common mistake that people make when trying to design something completely foolproof is to underestimate the ingenuity of complete fools."- Douglas Adams

『銀河ヒッチハイクガイド』で人気を博したSFコメディ作家(日本の出版社では一貫して「アダムス」表記)。
Googleに「人生、宇宙、すべての答え」を尋ねるとこの作品にちなんだ答を返してくれるなど、とりわけエンジニア達の間でカルト的評価を得ている。
この引用はシリーズ完結作『ほとんど無害』から。訳文の「ミスをなくそうとしたとき」という部分はユーザーのミスをなくすことを想定している。
作中では主人公が設計の隙を突いてまんまとピンチを脱出するシーンだが、現実で製品の隙を突かれるとだいたい困ったことが起こる。「まさかそんな使い方をするとは思わなかった!」とため息をついた経験が思い出されるような、エンジニア好みの一文である。

「どんなばかにも壊しようのない完全無欠なシステムを設計しようとする人間は、たいてい同じあやまちを犯す。それは、完全無欠なばかの独創性を甘く見るということだ。」(安原和見 訳)

ナショナリズム - Nationalism Edit

「愛国主義が国家を生むのであって、その逆では断じてない。」 - アーネスト・ゲルナー
"It is nationalism which engenders nations, and not the other way round."- Ernest Gellner
「トライバリズムやナショナリズムを見ればわかるように、人の性質は進化の歯車を回す原動力となる。」 - アーサー・キース
"Human nature, as manifested in tribalism and nationalism, provides the momentum of the machinery of human evolution."- Arthur Keith

トライバリズムとは「部族(中心)主義」のこと。部族主義や国粋主義が対立とそれに続く戦争を呼ぶという皮肉か。

オペラとバレエ - Opera and Ballet Edit

「オペラでは、背中を刺されても人は血を流さず、かわりに歌いだす。」 - ロバート・ベンチリー
"Opera is when a guy gets stabbed in the back and, instead of bleeding, he sings."- Robert Benchley
「バレエが醸しだすものは、繊細な力強さと、ある種の確固たる精密さである。」 - アイン・ランド
"It [ballet] projects a fragile kind of strength and a certain inflexible precision."- Ayn Rand

博物学 - Natural History Edit

「私が天地創造に居合わせたなら、この宇宙をよりよく形作る助言ができたろうに。」 - ネルソン・オルグレン
"Had I been present at the Creation, I would have given some useful hints for the better ordering of the universe."- Nelson Algren

カスティーリャ王アルフォンソ10世の言葉としてトーマス・カーライルにより紹介されているもの(言い回しは若干異なる)。プトレマイオスの天動説の複雑さに驚いて述べた言葉とされる。

なおネルソン・オルグレンは20世紀アメリカの作家だが、なぜここに出てきたのかは不明。オルグレンとこの引用を結びつける例はCiv6以外に全く見当たらないため、単に担当者のミスである可能性が高そうだ。たとえばオックスフォードイェールなどいくつかの引用句事典では Alfonso と Algren が隣同士に配置されているので、それでごっちゃにしてしまったとか。
トーマス・カーライル『History of Friedrich II of Prussia』第二巻原文

「博物学研究の成果は、餌、習性、生息環境といった面で動物がいかに優れた適応力を発揮するかを私たちに教えてくれる。」 - アルフレッド・ウォレス
"In all works on Natural History, we constantly find details of the marvelous adaptation of animals to their food, their habits, and the localities in which they are found."- Alfred Wallace

焦土作戦 - Scorched Earth Edit

「戦争は地獄だ。」 - ウィリアム・シャーマン
"War is hell."- William Tecumseh Sherman

南北戦争において北軍を代表する将軍。後にM4シャーマン戦車の愛称の由来にもなった。
アトランタ方面作戦において容赦なき焦土作戦を敢行し、勝利を決定的なものとした。しかし本人は決して殺戮を好んだわけではなく、以前から戦争の虚しさや悲惨さを強調する手紙を多く残していたという。
この台詞は終戦から14年後の1879年、ミシガン陸軍士官学校におけるスピーチで述べたものとされる。翌年オハイオ州でも「hell」という言葉を使って同様のスピーチをした記録が残っている。

「友情と焦土作戦しか私には理解できない。」 - ロジャー・エイルズ
"I only understand friendship or scorched earth."- Roger Ailes

アメリカで視聴者数第一位を誇るニュース放送局、Fox Newsの元社長(2016年に辞職)。
この台詞は大衆雑誌Rolling Stoneが書いたルポの中で引用されている。自分は敵か味方かという考え方をしがちで中間がないのだ、という告白であろうか。Webでも該当記事を読むことができる。
この記事はFoxを「恐怖の工場」「プロパガンダマシン」と呼ぶ相当に辛辣な内容であり、社長エイルズのこともかなり極端な気性の持ち主として紹介している。その点は差し引いて読まねばならないものの、この記事の頃のFoxといえば日本の震災についての報道で「渋谷エッグマン原発」なる謎の存在を生み出し日本人を脱力させていた時期であるから、普段のFoxの信頼性に対する評価はだいたい察して欲しい。

都市化 - Urbanization Edit

「匿名性という観念をもたらしたのは、産業革命と都市への集中化である。」 - ヴィントン・サーフ
"It's the Industrial Revolution and the growth of urban concentrations that led to a sense of anonymity."- Vint Cerf

ヴィントン・サーフはTCP/IPを設計したアメリカのコンピュータ科学者(Vintは通称)。後にはICANN会長やGoogle副社長などを歴任した。
この発言はIoTに関する2013年11月19日の講演から。いくつかの技術系ニュースサイトが内容の要約を載せている。
プライバシーとは近代化に伴って生まれた新しい観念であり、今の時代だけの例外である可能性すらある。「人口3000人の町にはプライバシーは存在していない」、と語る。

「都会の良いところは、美しさも醜さも、すべてキングサイズであることだ。」 - ヨシフ・ブロツキー
"What I like about cities is that everything is king size, the beauty and the ugliness."- Joseph Brodsky

近代 Edit

資本主義 - Capitalism Edit

「資本主義には幸福を不平等に分配してしまうという問題がある。社会主義には不幸を平等に分配するという利点がある。」 - ウィンストン・チャーチル
"The inherent vice of capitalism is the unequal sharing of blessings; the inherent virtue of socialism is the equal sharing of miseries."- Winston Churchill

1945年10月22日の庶民院答弁。動員解除の遅れについて指摘された時のもの。
400万人以上にもおよぶイギリス兵の復員は一大事業であり、全員の帰国が完了するまでには丸2年近くを要した。そのため早期に除隊できた人はすぐに次の仕事を探せるが、遅くまで居残りになった人は求職が不利になるのではないか、といった懸念がかねてから指摘されており、兵士達の間でも不満の声が挙がっていた。
これについてチャーチルは軍の賃金を割り増しして補償することなどを提案しつつ、「全員に我慢させるよりは、不平等であってもできるところから順番に進めて行く方がよい」という意味でこのたとえを述べた。

ちなみにこのとき復員兵に配られた物資の代表が「デモブ(復員)スーツ」。当面の生活のために用意された背広で、それなりに良い素材を使ってはいたのだが、一斉配給のためサイズが合うとは限らずデザインも画一的と、ここだけ共産主義みたいな感じになってしまい不評だったとか。
議事録全文

「金をなでつづけるといい。長い間なでていれば、なで返してくれるかもしれない。」 - デイモン・ラニアン
"Always try to rub up against money, for if you rub against money long enough, some of it may rub off on you."- Damon Runyon

戦前アメリカの作家。ブロードウェイをテーマにした小説を多く手がけ、演劇化や映画化された作品も多い。
引用部は短編小説「A Very Honorable Guy」(1929)より。落ちぶれたギャンブラーのサミュエルズを中心とする物語だが、語り手は彼に良い印象を持っていなかった。彼の貧乏な姿を見るたび、昔聞いたこの教訓を思い出すからである。
つまり「金持ちになりたければ金持ちの近くにいろ」、ひいては「類は友を呼ぶ(から友はちゃんと選べ)」と解釈できる格言。

なお「なで返してくれる」は「剥がれ落ちてくる」の方が適切だが、もともと例え話なので好きに意訳しても差し支えない部分かもしれない。rub off on someone で「(考え方や性格が)伝染る」という意味の成句にもなる。

自然保護 - Conservation Edit

「水と空気。生命にとって欠かせないこの2つが、今や巨大なゴミ箱と成り果てている。」 - ジャック=イヴ・クストー
"Water and air, the two essentials on which life depends, have become global garbage cans."- Jacques Yves Cousteau
「経済的利益のために熱帯雨林を伐採するのは、料理のために名画を燃やすようなものだ。」 - エドワード・ウィルソン
"Destroying rainforest for economic gain is like burning a Renaissance painting to cook a meal."- Edward Wilson

マスメディア - Mass Media Edit

「意見の集約ではなく、熱狂と依存の維持。それがマスメディアの効能だ。」 - クリストファー・ラッシュ
"The effect of the mass media is not to elicit belief but to maintain the apparatus of addiction."- Christopher Lasch
「新聞を読まない人は情報を知らない。新聞を読む人は正しい情報を知らない。」 - マーク・トウェイン
"If you don't read the newspaper, you're uninformed. If you read the newspaper, you're mis-informed."-Mark Twain

いかにもトウェインらしいウィットに富んだ名言…と見せかけて、実はこれも出典不明のフレーズ。
先行研究によれば、今の形の言い回しが広まったのは最近のことであり、それ以前には「間違った情報を信じる人よりは、何も知らない人の方がまだマシだ」という比較タイプのものが多く見られる。これの起源を探して行くと、トーマス・ジェファーソン大統領が1807年に書いた手紙にたどりつく。

 I will add, that the man who never looks into a newspaper is better informed than he who reads them; inasmuch as he who knows nothing is nearer to truth than he whose mind is filled with falsehoods & errors.
 「付け加えれば、新聞を読む人間より一切読まない人間のほうが情報に通じていると言える。頭の中が誤りで満たされている人間より、何も知らない人間の方が真実に近いからだ。」
米議会図書館が所蔵する手紙の現物

新聞はフェイクニュースを垂れ流すものだという認識は200年前からずっと変わらないらしい。
この手紙の引用が時代とともに形を変えていったのでは、とするのが現在有力な説である。

ちなみに明確にトウェイン作品に出典を持つ言葉の中から似た候補を探すと、『Following the Equator』(1897)に次のような表現が登場する。これもこれで名言ではあるが、使いどころはだいぶ違う。

 Often, the surest way to convey misinformation is to tell the strict truth.
 「しばしば、真実を正確に伝えることが、間違った情報を広めるもっとも確実な手段になる。」

戦時動員 - Mobilization Edit

「戦争の準備を進める指導者は、軍の動員が完了するまでの間、ことさらに平和について語るものである。」 - シュテファン・ツヴァイク
"When they are preparing for war, those who rule by force speak most copiously about peace until they have completed the mobilization process."- Stefan Zweig
「政府が国民を戦争に駆りたてるには敵が必要だ。敵がいなければ、でっちあげることさえ厭いはしない。」 - ナット・ハン
"In order to rally people, governments need enemies … if they do not have a real enemy, they will invent one in order to mobilize us."- Nhat Hanh

核開発 -Nuclear Program Edit

「原子力は我々の思考方法を除くあらゆることを変化させた。問題の解決策は、心の中にある。こうなるとわかっていれば、私は時計職人になっていただろう。」 - アルバート・アインシュタイン
"The release of atom power has changed everything except our way of thinking…the solution to this problem lies in the heart of mankind. If only I had known, I should have become a watchmaker."- Albert Einstein

少なくとも三つの異なるソースをつぎはぎしたもの。
大筋においてアインシュタインの持論から外れてはいないとはいえ、かなり乱暴な編集だと言わざるを得ない。
なお、この合体バージョンの初出はアメコミ『ウォッチメン』説が有力。第四巻の締めに挿入されている。

1.
最初のセンテンスは、アインシュタインが「原子力科学者による非常委員会(ECAS)」を立ち上げる際の資金集めのため各位に送った電報に由来する。これはニューヨークタイムスの1946年5月25日号に掲載されたことで広く知られるようになった。ただしCiv6に採用されている英文は伝記作家の手を経て 英→独→英 と重訳されたバージョンであるため、原文とは言い回しが異なる。

2.
"the solution to..." の文に一致する発言は存在しないが、似た表現ならば同じくニューヨークタイムス紙の1946年6月23日号に見つかる。これは同紙記者Michael Amrineが 1. の記事をふまえて実施したインタビュー。結論に影響はないものの、「問題がある」と「解決策がある」で文意が反転してしまっていることに注意。
"Science has brought forth this danger, but the real problem is in the minds and hearts of men."
「この危険を持ち込んだのは科学だが、真の問題は人々の心の中にある」
1. 2. の新聞記事の転載が含まれる非公式アーカイブ

3.
時計職人のくだりのソースは不明。ただし、もし人生をやり直せるなら何になりたいかについて言及した例は、1954年に「The Reporter」誌にあてた書簡の中に存在する。
「もし若い頃に戻ってやり直せるなら、私はもう科学者にも人文学者にも教師にもなろうとはしないでしょう。それよりは配管工か行商人でも選びます。その方が今の状況でもいくらか独立した生き方ができるでしょうから」
信頼性の高い引用集の立ち読み版

「核の時代の子供は、愛する力が弱まってしまうのではなかろうか。爆発の衝撃に備えながら愛を語るのは難しい。」 - マーティン・エイミス
"The children of the nuclear age, I think, were weakened in their capacity to love. Hard to love, when you're bracing yourself for impact."- Martin Amis

イデオロギー - Ideology Edit

「いかなる社会体制も――たとえどれほど非人間的であっても――イデオロギーなしには存在しえない。」 - ジョー・スロヴォ
"It has been demonstrated that no system, not even the most inhuman, can continue to exist without an ideology."- Joe Slovo
「アイディアはイデオロギーに、イデオロギーは政策になり、行動へつながっていく。」 - ナンダン・ニレカニ
"Slowly, ideas lead to ideology, lead to policies that lead to actions."- Nandan Nilekani

選挙権/参政権 - Suffrage Edit

「なぜ女性は違う扱いを受けるのか? この抵抗はゲリラ的でみじめだが、女性は選挙権を勝ち取るだろう。」 - ビクトリア・ウッドハル
"Why is a woman to be treated differently? Woman suffrage will succeed, despite this miserable guerilla opposition."- Victoria Woodhull
「男性の権利は『人の権利』以上のものではなく、女性の権利も『人の権利』以下のものではない。」 - スーザン・B・アンソニー
"Men, their rights, and nothing more; women, their rights, and nothing less."- Susan B. Anthony

19世紀後半に活躍した活動家、教師。アメリカにおける女性参政権の確立に多大な貢献をし、1ドル硬貨の顔にもなった。また禁酒運動でも知られる。

この言葉は彼女達が1868年から発行を始めた政治新聞「The Revolution」のスローガン。
原文はスローガンとしての美しさを重視したシンプルな表現だが、本作の訳文は含意をはっきりさせた意訳となっている。

全体主義 - Totalitarianism Edit

「全体主義の勢いに惹きつけられるのは暴徒とエリート層だけだ。大衆の支持は、プロパガンダによって得なければならない。」 - ハンナ・アーレント
"Only the mob and the elite can be attracted by the momentum of totalitarianism itself. The masses have to be won by propaganda."- Hannah Arendt
「どんなイデオロギーも最後には全体主義に行きつく。」 - トム・ロビンズ
"The ultimate end of any ideology is totalitarianism."- Tom Robbins

階級闘争 - Class Struggle Edit

「階級戦争が起こっている。我々高所得階級が戦争を始め、勝利をおさめつつあるのだ。」 - ウォーレン・バフェット
"There's class warfare, all right, but it's my class, the rich class, that's making war … and we're winning." - Warren Buffett
「階級闘争は必然としてプロレタリアートによる独裁に至る。」 - カール・マルクス
"The class struggle necessarily leads to the dictatorship of the proletariat."- Karl Marx

原子力時代 Edit

冷戦 - Cold War Edit

「バルト海のシュチェチンからアドリア海のトリエステまで、大陸を横断する鉄のカーテンが降ろされた。」 - ウィンストン・チャーチル
"From Stettin in the Baltic to Trieste in the Adriatic, an iron curtain has descended across the continent."- Winston Churchill
「冷戦の氷は溶けておらず、むしろ激しさを増している。」 - リチャード・ニクソン
"The Cold War is not thawing; it is burning with a deadly heat."- Richard Nixon

共産主義は眠ってはいない。かれらは常に策謀し、計画し、働き、戦っている、とつづく。

プロスポーツ - Professional Sports Edit

「勝利がすべてでないなら、なぜスコアを記録する?」 - ヴィンス・ロンバルディ
"If winning isn't everything, why do they keep score?" - Vince Lombardi

ヘッドコーチとしてキャリアを通じて105勝35敗6分け(勝率.750 規定により引き分け含まず)
1度の負け越しも無しという、アメリカンフットボールの伝説的コーチ、ヴィンス・ロンバルディの言葉。
その名は死後も、NFL優勝決定戦 スーパーボウルの優勝トロフィーがヴィンス・ロンバルディ・トロフィーと呼ばれるなどして刻まれている。

「スポーツは個性を育むのではなく、明らかにする。」 - ヘイウッド・ブラウンストン
"Sports do not build character. They reveal it."- Heywood Broun

ヘイウッド・ヘイル・ブルーンはアメリカCBS放送のスポーツ記者(「ブラウンとは読まない」という注釈がつく珍しい家系)。ちなみにブラウンストンというのは日本版Google限定の誤りらしく、Googleのデータベース以外ではまったくヒットしない謎人名。

「健全な精神が健全な肉体に宿るようにと祈るのが一番よい」というローマ時代の詩の一節は、近代に入ると「健全な肉体に宿る」と言い切られ、体育が人格教育を兼ねるとでも言いたげなスローガンに変化してしまった。しかし1970年代になってようやく心理学者による研究成果が出版され、肉体トレーニングが性格を直接変化させるとの期待はできないという事実が知られ始める。具体的には『Psychology Today』誌の1971年10月号が先駆けで、この号の特集タイトルは「Sport: If You Want to Build Character Try Something Else」。
かねてよりスポーツコーチングについても語る機会が多かったブルーンは、講演や自著において積極的にこの知見を紹介している。特に「They reveal it」が追加された現在の言い回しは、1974〜1976年にかけて複数の新聞が「ブルーンの発言」として引用しているとのこと。
資料サイト

なお父親も同名のヘイウッド・ブルーンでありしかもスポーツ記者である、というややこしい歴史事情から、この格言を父親に帰する説もあるが、前述の時系列をふまえるとほぼ確実に息子の言葉であろうと判断できる。

文化遺産 - Cultural Heritage Edit

「歴史、起源、文化を知らない人々は、根のない木のようなものだ。」 - マーカス・ガーベイ
"A people without the knowledge of their past history, origin and culture is like a tree without roots."- Marcus Garvey
「伝統は偶然の発見ではない。それは探究され、広められるのを待っている。」 - ロビー・ロバートソン
"You don't stumble upon your heritage. It's there, just waiting to be explored and shared."- Robbie Robertson

モホーク族の血を引くカナダ人ロックミュージシャン。'70年代を中心に「ザ・バンド」で確固たる評価を得た。
この発言は1999年7月6日掲載のCNNインタビューより。ロックの分野から急にネイティブアメリカンの出自を生かしたソロ活動を始めたことについて、「唐突に伝統に立ち返ったかのように見えるかもしれないが、唐突ってわけじゃない」と前置きしたうえで述べた台詞。

早期展開 - Rapid Deployment Edit

「完璧な計画を来週実行するより、まあまあの計画を今すぐ断行する方がはるかに良い。」 - ジョージ・S・パットン
"A good plan violently executed right now is far better than a perfect plan executed next week."- George S. Patton

ほとんど全ての優秀な用兵家が時間の重要性を述べている。孫子からティムール、アレクサンドル・スヴォーロフ、ナポレオンに至るまで。
この引用部はパットンの日記や手紙を編集した書籍『War as I knew it』(初版1947)に掲載されている。
Google Books立ち読み版 p.354

「難しいことは考えず、ただまっすぐに突き進め。」 - ホレーショ・ネルソン
"Never mind the maneuvers, just go straight at them."- Horatio Nelson

ナポレオンを海で完敗せしめたイギリス最大の英雄。
史実のネルソンがこの言葉を言ったという確かな記録はないため、この台詞はおそらくパトリック・オブライアン原作の映画「マスター・アンド・コマンダー」(2003)からの引用と思われる。同時代の英海軍の戦いを描いた戦争もので、主人公の部下であるプリングス副長が「ネルソンの口癖」として間接的にこの言葉に言及するシーンがある。

宇宙開発競争 - Space Race Edit

「我々は10年以内に月へ行く。容易だからではない。困難だからそうするのだ。」 - ジョン・F・ケネディ
"We choose to go to the moon in this decade and do the other things, not because they are easy, but because they are hard."- John F. Kennedy

1962年9月12日 テキサス州ヒューストンのライス大学にてジョン・F・ケネディが行った演説の一節。
7年後の1969年7月21日 アポロ11号の月着陸でこれは現実のものとなる。しかし、ケネディ自身は暗殺によりこの偉業を目にすることは叶わなかった。

「NASAは宇宙で文字が書けるように巨費を投じてボールペンを開発したが、ソ連は鉛筆を持っていった。」 - ウィル・シャボット
"NASA spent millions of dollars inventing the ball-point pen so they could write in space. The Russians took a pencil."- Will Chabot

有名なアメリカンジョーク。単純な皮肉とも、結局は宇宙開発に負けたソ連技術への揶揄とも取れる。
ちなみにボールペンを持っていったのは事実だが、あくまで民生品。
巨額を投じて開発したのはフィッシャー社で、莫大な広告効果をあげ大儲けしたという。

情報時代 Edit

グローバル化 - Globalization Edit

「グローバル化に反論するのは万有引力の法則に反論するようなものだと言われている。」 - コフィー・アナン
"It has been said that arguing against globalization is like arguing against the laws of gravity." - Kofi Annan

ノーベル平和賞を受賞したアナン国連事務総長のインタビュー発言。ニューヨークタイムスの2000年9月の記事で該当部分を確認できる。

「いつか国境も国旗も国家も消え、人々はその心だけを証明に大地を行くようになるだろう。」 - カルロス・サンタナ
"One day there will be no borders, no boundaries, no flags and no countries and the only passport will be the heart."- Carlos Santana

ヨーロピアンのロックンロールとラテンアメリカのテイストを融合させたサンタナのダイナミズムあふれることば。
しかし今日、世界の潮目はむしろ国家を強く意識させる方向へと変わりつつあるようにもみえる。
かつてそうあったように独立国家の集合体となるのか、「万有引力」にしたがいグローバライゼーションの波が再びやってくるのか、
あるいは想像もつかない未知のテックツリーが実装されるのか?

ソーシャルメディア - Social Media Edit

「どの大切でくだらない話から始めよう?」 - ジェーン・オースティン
"Which of all my important nothings shall I tell you first?"-Jane Austen

本作では大著述家としても登場している19世紀初頭の作家。
彼女は姉カサンドラと頻繁に手紙のやりとりをしていたことが知られており、この引用はそのうちの一通の冒頭部から。
ありふれた日常を写実的に描く彼女の作風を、何気ない日常を書き留めるSNSになぞらえての選出か。

「思考は示され、回され、燃やされる。」 - T・S・エリオット
"Distracted from distraction by distraction!" - T.S. Eliot

『四つの四重奏』所収、「バーント・ノートン」第三節より。
もともとうまく訳しにくい言葉遊びだとはいえ、さすがにこの訳文は何を意図したのかわからない。destructedと見間違えたのだろうか?
過去には以下のように翻訳された例がある(続きの文を含めて引用)。もっとも原文が難しいのでこちらの訳もかなり難解である。
「放心によって放心からわずかにまぬがれている者共
 夢想に満ち意味の皆無の
 集中を知らぬ腫れ上った無感覚の
 人間どもが紙片もろとも
 時の前時の後に吹きわたる寒風に
 濁った肺に出入するその風に捲かれている」(二宮尊道 訳)

原作は時間の静謐さを歌った格調高い詩なのだが、該当の一行だけ直訳すると「気晴らしによって、気晴らしから気をそらされた」とも読める。
ひょっとしたら「暇つぶしにネットを見始めたらつい気をとられてしまって、本来やりたかったことをやる時間がなくなったじゃないか!まあそのやりたいことっていうのも暇つぶしだけど…」みたいなあるあるネタのつもりでここだけ切り取ったのかもしれない。英文の方には勝手に感嘆符まで追加されており、これでは前後の文脈も台無しである。

世界遺産 Edit

ピラミッド - Pyramids Edit

「これらピラミッドの頂きから、4000年の歴史が我々を見下ろしている。」 - ナポレオン・ボナパルト
"From the heights of these pyramids, forty centuries look down on us." - Napoleon Bonaparte

ナポレオンの養子ウジェーヌが書いた自伝に記載がある言葉とのこと。それによると1798年7月21日に兵士達の前で行ったスピーチとされている。この頃17歳のウジェーヌはナポレオンの補佐官としてエジプト遠征に参加していた。

ペトラ - Petra Edit

「荒野から生まれた荘厳なるペトラは、人間の芸術性の燦然たる証明だ。」 - エドワード・ドーソン
"Petra is a brilliant display of man's artistry in turning barren rock into majestic wonder." - Edward Dawson

エドワード・ドーソンはヨルダン福音神学校(JETS)で講師を務めた現代イギリスの神学者。
キリスト教徒向けのツアー企画や観光ガイド執筆の経験もあり、この引用は著書『Travel Through Jordan』からのものとのこと。

モン・サン=ミシェル - Mont St. Michel Edit

「モン・サン=ミシェルでは、教会と国家、精神と肉体、神と人がひとつになる。すべての使命はそれぞれの方法で戦い、互いを守ることである。」 - ヘンリー・アダムズ
"Church and State, Soul and Body, God and Man, are all one at Mont Saint Michel, and the business of all is to fight, each in his own way, or to stand guard for each other." - Henry Adams

チチェン・イツァ - Chichen Itza Edit

「この球技場も実に素晴らしい。結末は血なまぐさいものだったようだが、試合の様子を見てみたかったものだ。観客でいる分には、さほど危険ではなかったろう。」 - IslaDeb
"The Great Ball Court is also very impressive. I would like to have seen them play a game, although it sounds like the end was pretty violent. I think it was safer to be a spectator." - IslaDeb

IslaDebは旅行ブログ。特に有名というわけでもなさそうだ。
観光客としてとりとめのない感想を述べたという以上の発言ではなく、なぜこの一文が採用されたのかは理解しにくい。
英語圏のプレイヤーからも「Chichen Itzaでぐぐると四番目に出てくるから、適当に選んだだけじゃねーの?」と訝しむ声が聞かれる。

ストーンヘンジ - Stonehenge Edit

「想像できるだろうか? 600人に50トンの巨石を引かせ、田園地帯を30劼皹燭个擦襦そしてその石を人力で直立させた後、こう告げるのだ。『いいぞ、みんな。これをあと20回繰り返せば、宴のときだ』。」 - ビル・ブライソン
"Can you imagine trying to talk six hundred people into helping you drag a fifty-ton stone eighteen miles across the countryside and muscle it into an upright position, and then saying, ‘Right, lads! Another twenty like that … and then we can party!" - Bill Bryson

アメリカのエッセイスト、旅行記者。この文章はイギリス旅行記『Notes from a Small Island』から。

アポロン神殿 - Oracle Edit

「海原を往く船の上を私はイルカとなって跳んだ。我、アポロ・デルフィニウスに祈りを捧げよ。祭壇もデルフィニウスとせよ。」 - ホメロス
"I sprang upon the swift ship in the form of a dolphin, pray to me as Apollo Delphinius; also the altar itself shall be called Delphinius and overlooked forever." - Homer

兵馬俑 - Terracotta Army Edit

「世界には7つの不思議があるとされていたが、兵馬俑が発見されたことにより、その数は8つに増えたと言えるだろう。」 - ジャック・シラク
"There were seven wonders in the world, and the discovery of the Terracotta Army, we may say, is the eighth miracle of the world." - Jacques Chirac

第22代フランス大統領。ただしこの発言は1978年9月23日、パリ市長であった時代に公務で中国を訪問した時のものである。
兵馬俑は1974年に発見されたばかりでまだ一般公開前であったため(公開は1979年)、シラク市長は兵馬俑を訪れた最初の外国人となった。このフレーズは今でも大いに宣伝に活用されている。

アルハンブラ宮殿 - Alhambra Edit

「ここにあるものはみな、優しさと幸福な気持ちを呼び覚ますべく計算されているかのようだ。何もかも繊細で美しい。」 - ワシントン・アーヴィング
"Everything here appears calculated to inspire kind and happy feelings, for everything is delicate and beautiful." - Washington Irving

コルコバードのキリスト像 - Cristo Redentor Edit

「この彫像は見る者に「すべては神の手中にある」との想いを抱かせる。」 - セルゲイ・セミョーノフ
"Thus, the sculpture serves to give people one thought - ‘Everything is in God's hands.'" - Sergey Semenov

ロシア人写真家による写真サイト「airpano.com」より。そう言わしめるほどの荘厳さをたたえている。

該当ページ

ポタラ宮 - Potala Palace Edit

「初めてポタラ宮の屋根に立ったときのあの感覚は、後にも先にも経験したことがない。私は自分という存在の屋根に立っていた。それまで一度も達したことのない意識の次元に立っていたのだ。」 - ピコ・イヤー
"The first time I stepped onto the rooftop of the Potala Palace, I felt, as never before or since, as if I were stepping onto the rooftop of my being: onto some dimension of consciousness that I'd never visited before." - Pico Iyer

空中庭園 - Hanging Gardens Edit

「最上階へは階段を使って上る。その階段の脇には水を汲みあげる装置があり、これを動かす専任の者が常に雇われていて、ユーフラテス川から庭園へと水を送りつづけている。」 - ストラボン
"The ascent to the highest story is by stairs, and at their side are water engines, by means of which persons, appointed expressly for the purpose, are continually employed in raising water from the Euphrates into the garden." - Strabo

ストラボンは古代ギリシアの博物学者。『地理誌』による空中庭園の描写である。

紫禁城 - Forbidden City Edit

「宮殿全体が中心の軸に沿って建てられている。それは世界の軸である。この中心から四方に伸びるすべてが、この宮殿によって象徴されていた。」 - ジェフリー・リーゲル
"The whole palace complex is built along a central axis, the axis of the world, everything in the four directions suspend from this central point represented by these palaces." - Jeffrey Riegel

ジェフリー・リーゲルは中国史を専門とするシドニー大学教授。
この説明はヒストリーチャンネルの2008年の番組 "Secrets of the Forbidden City" で解説を担当した時の言葉らしい。

エルミタージュ美術館 - Hermitage Edit

「博物館は戦いの最前線にある。それは文化のための戦いであり、善と悪の戦いであり、つまりは陳腐な言葉や粗野な精神との戦いである。」 - エルミタージュ美術館館長、ミハイル・ピオトロフスキー
"Museums are on the front lines of the fight for culture, of good with evil - in any case, of the fight against platitudes and primitiveness." - Mikhail Piotrovsky, Director of the State Hermitage

エッフェル塔 - Eiffel Tower Edit

「私より有名になったあの塔に私は嫉妬して然るべきだろう。」 - ギュスターヴ・エッフェル
"I ought to be jealous of the tower. She is more famous than I am." - Gustave Eiffel

たしかにエッフェルといえばパリの鉄塔が想起される。
彼は他にも気象学や航空力学に功績を残し、風洞実験を確立した人物としても名高い。また、女性のストッキングを止めるガーターベルトの発案者でもある。

ロードス島の巨神像 - Colossus Edit

「ロードス島に、太陽を象徴する、天を突く巨像が建てられた。用いられた銅は膨大で、鉱山を掘り尽くしてしまうほどだった。」 - ビザンティウムのフィロン
"At Rhodes was set up a Colossus of seventy cubits high, representing the Sun … the artist expended as much bronze on it as seemed likely to create a dearth in the mines." - Philo of Byzantium

ファロス灯台 - Great Lighthouse Edit

「かつてこの灯台は万人を導いた。」 - ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
"This Lighthouse was the cynosure of all eyes." - Henry David Thoreau

19世紀アメリカの博物学者、作家。各地の自然を探訪したり森の中で自給自足生活したりといった野外活動のかたわら、ラルフ・ワルド・エマーソンらの思想家と親交して多数の自然誌やエッセイを書き上げた。
この一文はマサチューセッツ州ケープコッドにおける見聞をまとめた著書『コッド岬 海辺の生活』("Cape Cod", 1865)から。既にお察しの通りファロス灯台とは何一つ関係がない。英語では大文字で「The Lighthouse」と書けば地名がつかなくてもファロス灯台のことを指すことがよくあるが、この文は原文でも小文字のlight-houseであり言い訳にもならない。また担当者サボりやがったな!
上述ケープコッドにある、建てられたばかりのマイノッツ・レッジ灯台を紹介した一文。ソローは当時ちょうどこの地に滞在しており、工事から稼働開始までの一部始終を見ていた。よって本来は「(新築できれいな)この灯台は人々の注目の的だった。」程度で済む文なのだが、日本語訳ではいかにも文化遺産めいた壮大なセリフに訳されている。

シドニー・オペラハウス - Sydney Opera House Edit

「オペラは、幕が上がるずっと前に始まり、幕が下りてからもずっとつづく。それは想像の中で始まり、人生になり、オペラハウスを出た後も人生の一部でありつづけるのだ。」 - マリア・カラス
"An opera begins long before the curtain goes up and ends long after it has come down. It starts in my imagination, it becomes my life, and it stays part of my life long after I've left the opera house." - Maria Callas

グレート・ジンバブエ遺跡 - Great Zimbabwe Edit

「その恵み深さにふさわしく、ソロモン王はシバの女王に贈り物をし、その他にも女王が欲するすべてを与えた。そして女王は従者とともに自分の国へ帰っていった。」 - 『列王記上』10章13節
"King Solomon gave the Queen of Sheba all she desired and asked for; besides what he had given her out of his royal bounty. So she turned and went to her own country, she and her servants." - 1 Kings, 10:13

グレートジンバブエ遺跡が白人に発見されたのは19世紀後半のことだが、当初は「黒人にこんな文明を作る能力があったはずがない」という前提のもと、聖書に登場する「シバの女王」の宮殿ではないかとする仮説が立てられた。
しかし発掘が進むにつれてこの説は完全に破棄され、最終的にはアフリカ土着民族のショナ人が11〜15世紀にかけて築いた建築物であるという結論が出る。それでも予想外の由来に心理的抵抗を覚えた白人は少なくなく、発表時にはだいぶ物議を醸したらしい。

よってグレート・ジンバブエ遺跡にこの引用をあてるのは、よりにもよって一番信憑性がない説を強調するということになり、学術的にも政治的にも非常にまずい。確かに「研究前史」においては広く喧伝されていた説なので話の枕として多用されがちなのだが、それを単発のフレーバーテキストにまで採用してしまってはミスリーディングも甚だしい。本作の格言担当者はちゃんと文脈をチェックしていないんじゃないか?と疑いたくなる例のひとつ。

ビッグ・ベン - Big Ben Edit

「大時計を眺めるのをやめ、大時計を見習い、たゆまずに進め。」 - サム・レベンソン
"Don't watch the big clock; do what it does. Keep going." - Sam Levenson

コロッセオ - Colosseum Edit

「コロッセオある限りローマは続く。だがコロッセオが崩壊すれば、ローマも崩壊する。ローマが崩壊するとき、世界は終わりを迎えるだろう。」 - 聖ベーダ
"While the Colosseum stands, Rome shall stand; when the Colosseum falls, Rome shall fall; when Rome falls, the world shall fall." - Saint Bede

エスタジオ・ド・マラカナン - Estádio do Maracanã Edit

「歴史上、マラカナン・スタジアムを沈黙させたのは3人しかいない。法王、フランク・シナトラ、そして私だ。」 - アルシデス・ギジャ、サッカー選手 (ウルグアイ)
"Down through its history, only three people have managed to silence the Maracana: the Pope, Frank Sinatra, and me." - Alcides Ghiggia, Uruguayan soccer player

1950年ブラジルW杯決勝で隣国ウルグアイは開催国ブラジルを破り、20万人のブラジル人サポーターを黙らせた「マラカナンの悲劇」。
ブラジルがこの呪いを打ち破り「マラカナンの歓喜」を挙げたのは66年後の2016年ブラジルオリンピックであった。

アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア - Venetian Arsenal Edit

「アルセナーレ・ディ・ヴェネツィアにはこう書かれている。『平時に戦争のことを考える国は安泰だ』。」 - ロバート・バートン
"The commonwealth of Venice in their armory have this inscription: ‘Happy is that city which in time of peace thinks of war.'" - Robert Burton

ロバート・バートンは16〜17世紀のイギリスの学者で、1621年に『憂鬱症の解剖』("The Anatomy of Melancholy")を著した。この本は精神病という概念を解説する医学書ではあるが、のっけから「人は神の似姿なのになぜ病気にかかるのか」と始まる、宗教的・文学的・歴史的思索が山ほど詰め込まれた当時の文化のごった煮のような大著である。
この引用部は第二部第三節に登場する。かつて国々が戦争に備えたがごとく、我々は道徳心をもって悪徳に備えるべし、と説く際に引き合いに出したもの。
碑文の原語は見つけられなかったが、これは有名な「平和を欲するならば、戦争に備えよ」のバリエーションの一つであろう。この格言はローマ帝国時代から言い回しを変えつつヨーロッパ各国に受け継がれており、そのラテン語版「Si vis pacem, para bellum」は銃弾の名前「パラベラム弾」の由来にもなった。
現代英語版『The Anatomy of Melancholy』

ルール地方 - Ruhr Valley Edit

「ドイツ工業の心臓部は、鼓動を止めたも同然だった。人は働かず、機械も動かない。もはやルール地方の人々は、他の地方に支えてもらうしかなかった。」 - アダム・ファーガソン
"The industrial heart of Germany practically stopped beating. Hardly anyone worked; hardly anything ran. The population of the Ruhr area … had to be supported by the rest of the country." - Adam Fergusson

ルール地方は、ドイツ西部ルール川流域に存在する工業地域であり、WWIの賠償のため1923年にフランスに占領された。
この格言は、占領時の様子を表したものである。

マハーボーディー寺院 - Mahabodhi Temple Edit

「インドのビハール州の一角、ほこりの舞う猥雑な地域に、仏教の中枢とも言える聖地が存在する。」 - ブッダガヤ・ビジターズガイド
"In a dusty, bustling corner of the Indian state of Bihar, there is a magical place that one might think of as the hub of Buddhism." - Visitor's Guide, Bodh Gaya

ハギア・ソフィア聖堂 - Hagia Sophia Edit

「これは美しく重要な記念碑であり、国と国、文化と文化を結ぶ財産でもある。2つの宗教によって分かち合われる日まで、この建物は双方を等しく讃える非宗教的な存在としてありつづけるべきである。」 - リュボ・ヴヨヴィッチ
"It is a beautiful and important monument and an international, inter-cultural treasure … Unless and until it can be shared by both religions in harmony - which would be a grand idea - it should remain a secular building honoring both religions who have made it beautiful." - Ljubo Vujovic

アレキサンドリア図書館 - Great Library Edit

「アレキサンドリア図書館にはあらゆる想像力と知識が蓄えられていた。この図書館が破壊されたことで我々は知るのだ、集めた物はいつか失われると。」 - アルベルト・マングェル
"We can roam the bloated stacks of the Library of Alexandria, where all imagination and knowledge are assembled; we can recognize in its destruction the warning that all we gather will be lost." - Alberto Manguel

オックスフォード大学 - Oxford University Edit

「賢いオックスフォードの人間たち… 知るべきすべてを知っている… だけどそのうちの誰一人… トードさんほど賢くない!」 - ケネス・グレアム
"The clever men at Oxford... Know all that there is to be knowed. But they none of them know one half as much... As intelligent Mr Toad!" - Kenneth Grahame

ボリショイ劇場 - Bolshoi Theatre Edit

「ボリショイ・バレエはイマジネーションの小宇宙であり、魔法と魅惑、美とロマンスの殿堂である。このバレエ団の持つたくさんの世界は、雅やかなダンサーと壮大な音楽、そして豪華な衣装と響き合う。」 - トルーディ・ガーファンクル
"Bolshoi Ballet is a universe of the imagination, a place of magic and enchantment, beauty and romance. Its many worlds vibrate with graceful dancers, glorious music, and sumptuous costumes." - Trudy Garfunkel

ブロードウェイ - Broadway Edit

「ショービジネスほど素晴らしい商売はない。」 - アーヴィング・バーリン『アニーよ銃をとれ』より
"There's no business like show business." - Irving Berlin, 'Annie Get Your Gun'

マウソロス霊廟 - Mausoleum at Halicarnassus Edit

「ハリカルナッソスの地に建つ広き墳墓に私は眠る。その巨大なること、その美の精緻なること、他の死者には望むべくもあるまい。」 - サモサタのルキアノス
"A vast tomb lies over me in Halicarnassus, of such dimensions, of such exquisite beauty as no other shade can boast." - Lucian of Samosata

アパダーナ - Apadana Edit

「このアパダーナは我が祖先ダレイオスによって築かれ、後に焦土と化した。アフラ・マズダー、アナーヒター、そしてミスラの恩寵のもと、我はここにアパダーナを再建する。」 - アルタクセルクセス2世
"My ancestor Darius made this Apadana, but it was burnt down. By the grace of Ahuramazda, Anahita, and Mithra, I reconstructed this Apadana." - Artaxerxes II

現地に存在する楔形文字の碑文の現代語訳。専門家の間では「碑文A2Sa」と呼ばれているもの。
写真およびペルシャ語書き起こし

ゲベル・バルカル - Jebel Barkal Edit

「南西の一角には、深い裂け目によって山から隔てられた砂岩が、切り立った崖のように天高くそびえている。その佇まいは、あたかも巨大な彫像のようだ。」 - ウォーリス・バッジ
"At the south-west corner a large perpendicular mass of sandstone has become separated by a deep fissure from the body of the mountain … it has all the appearance of a colossal statue." - E. A. Wallis Budge

ウォーリス・バッジは大英博物館の古代エジプト・アッシリア部門のキーパー(責任者)を務めた考古学者。中東研究に大きな業績を残す一方、遺物収集にあたって盗掘まがいの強引な国外持ち出しを行ったことでも知られており、評価は分かれる。
引用部は彼の調査結果がまとめられた自著『The Egyptian Sudan, Its History and Monuments』(1907)から。スーダン考古庁が管理する公式サイト中の解説でも引用されている。
『The Egyptian Sudan, Its History and Monuments』原文

アンコールワット - Angkor Wat Edit

「寺院と外を繋ぐのはただ一本の橋のみ。そこには魁偉な石の虎が二頭鎮座し、訪れる者を身震いさせずにはおかない。」 - ディオゴ・デ・コート
"The temple is surrounded by a moat, and access is by a single bridge, protected by two stone tigers so grand and fearsome as to strike terror into the visitor." - Diogo do Couto 

Rise and Fall Edit

アムンゼン・スコット基地 - Amundsen-Scott Research Station Edit

「科学的見地に基づいたリーダーシップならスコット。速さと効率を求めるならアムンゼン。」 - レイモンド・プリストリー卿
"For scientific leadership, give me Scott; for swift and efficient travel, Amundsen." - Sir Raymond Priestley

通商院 - Casa de Contratacion Edit

「それ以外、境界線の西側で見つかったすべての土地は、カスティーリャの王と女王、その後継者に帰属するものとする。」 - トルデシリャス条約
"All other lands found on the western side of the boundary shall belong to the King and Queen of Castille?and their successors." - Treaty of Tordesillas

キルワ・キシワニ - Kilwa Kisiwani Edit

「キルワは世界有数の美しい都市だ。家屋はすべて木造で、屋根には縄状に編んだ草がかけられている。また、この街には雨が豊富に降り注ぐ。」 - イブン・バットゥータ
"Kilwa is one of the most beautifully built cities in the world; the houses there are entirely made of wood, their rooftops out of rope grass, and it rains with great vigour." - Ibn Battuta

高徳院 - Kotoku-in Edit

「細き道に歩を進める者は、トペテの炎に導かれ、裁きの日を目指す。穏やかであれ、「異教徒」が鎌倉の大仏を拝む時も!」 - ラドヤード・キップリング
"O ye who tread the Narrow Way, by Tophet-flare to Judgment Day, be gentle when 'the heathen' pray, to Buddha at Kamakura!" - Rudyard Kipling

『ジャングル・ブック』で有名なイギリスの作家・詩人。
新婚旅行の際に日本を訪れており、そこでこの詩「Buddha at Kamakura」(1892)を書いた。

聖ワシリイ大聖堂 - St. Basil's Cathedral Edit

「1つはねじれ、緑地に赤が散りばめられている。黄色と黒の突起に覆われているもの、青と緋色の鱗片があしらわれたもの、またあるものはメロンをくし型に切ったようになっている。」 - キャサリン・ブランチ・ガスリー
"One had a twisted design, red, on a green ground; another, all prickly angles, yellow and black; a third was ornamented with scales of blue and crimson; a forth was in quarters like a melon." - Katharine Blanche Guthrie

自由の女神 - Statue of Liberty Edit

「波洗う、日没を望むこの門に、松明を手にした頼もしき女性の姿あり。その炎は稲妻を閉じ込めしもの。」 - エマ・ラザロー
"Here at our sea-washed, sunset gates shall stand a mighty woman with a torch, whose flame is the imprisoned lightning." - Emma Lazarus

エマ・ラザラスはアメリカの詩人。
"The New Colossus" と題されたこの詩は、当時まさに始まったばかりの自由の女神像プロジェクトを支援するため1883年に書かれたものである。像の除幕後、やや遅れてこの詩を刻んだ金属板が作られ、現在では女神像の台座内部に飾られている。

タージ・マハル - Taj Mahal Edit

「空に城を建てたことはあるだろうか? ここにその城がある。城は地上に舞い降り、後世まで残る奇跡となった。」 - ベイヤード・テイラー
"Did you ever build a castle in the air? Here is one, brought down to earth and fixed for the wonder of ages." - Bayard Taylor

アルテミス神殿 - Temple of Artemis Edit

「アルテミスの宮が雲をついてそびえているのを目にしたとき、その他の不思議は輝きを失った。見よ。オリンポス以外に、これほど見事なものが日の目をみたことがあったろうか。」 - シドンのアンティパトロス
"When I saw the house of Artemis that mounted to the clouds, those other marvels lost their brilliancy, and I said, 'Lo, apart from Olympus, the Sun never looked on aught so grand.'" - Antipater of Sidon

シドンのアンティパトロスは紀元前ギリシャの詩人であり、ビザンチウムのフィロンやシケリアのディオドロスと並んで「世界の七不思議」に言及した最初期の人物の一人。
彼のこの言葉は10世紀頃に編纂された『パラティン詞華集』に収められたことで現代に伝わっている。

自然遺産 Edit

グレートバリアリーフ - Great Barrier Reef Edit

「生物は二酸化炭素を毒だと思っていない。植物や殻を作る生物、サンゴは、建築資材だと思っている。」 - ジャニン・ベニュス
"Organisms don't think of CO2 as a poison. Plants and organisms that make shells, coral, think of it as a building block." - Janine Benyus

ドーバーの崖 - Cliffs of Dover Edit

「白亜の崖の胸壁の下、安息日よりなお深い静けさに包まれて。」 - ウィリアム・ワーズワース
"Under the White Cliff's battlemented crown, Hushed to a depth of more than Sabbath peace." - William Wordsworth

クレーターレイク - Crater Lake Edit

「こんな景色を目にすることは二度とないだろう。地上にこれほどの場所があろうとは。クレーターレイクの美しさは比べるものがない。」 - ジャック・ロンドン
"Never again can I gaze upon the beauty spots of the Earth and enjoy them as being the finest thing I have ever seen. Crater Lake is above them all." - Jack London

死海 - Dead Sea Edit

「死海に実る林檎のように灰となるその味は。」 - バイロン男爵
"Like to the apples on the Dead Sea's shore, all ashes to the taste." - Lord Byron

エベレスト山 - Mount Everest Edit

「山ではなく自分自身を征服するのだ。」 - エドモンド・ヒラリー
"It is not the mountain we conquer but ourselves." - Sir Edmund Hillary

ガラパゴス諸島 - Galápagos Islands Edit

「この群島の自然の歴史は類を見ない。まるで独立した小さな世界を宿しているかのようだ。」 - チャールズ・ダーウィン
"The natural history of this archipelago is very remarkable: it seems to be a little world within itself." - Charles Darwin

キリマンジャロ山 - Mount Kilimanjaro Edit

「タンザニアでの2週間は、旅の途中で会った人たちと話すことに時間を費すしかなかった。なにしろキリマンジャロではWiFiが使えないのだ。」 - ナンシー・ボンド
"As it turns out, Mount Kilimanjaro is not wi-fi enabled, so I had to spend two weeks in Tanzania talking to the people on my trip." - Nancy Bonds

ナンシー・ボンドはテキサス大学経営学部の学生。学内のお知らせブログに寄稿された旅行記のようだ。
チチェン・イツァと並んで選考基準がさっぱりわからない謎の引用である。試しに「kilimanjaro quote」でGoogle検索すると5件目にヒットするので(2016年12月現在。ちなみに4件目は「Civ6のナンシー・ボンドって誰?」)たぶんこれも「たまたま1ページ目にあったから」以上の理由ではないだろう。それにしたってヘミングウェイとか、もうちょっと箔のある選択肢もあっただろうに…

パンタナル - Pantanal Edit

「パンタナルは世界一複雑な環境を持つ熱帯沖積平野だが、その研究はまったく進んでいない。」 - アジズ・アブサバー
"The Pantanal is the most complex intertropical alluvional plain of the planet and perhaps the least known area of the world." - Aziz Ab'Saber

パンタナルはブラジルに存在する世界最大級の湿地帯。2000年世界遺産登録。

ピオピオタヒ - Piopiotahi Edit

「フィヨルドランドへの道すがら、私の心には長く忘れていた少年時代の純粋な畏敬の感情がよみがえっていた。ミルフォード・サウンドの美しさは知っていたが、まさかこれほど美しいと誰が思うだろう?」 - ダロッチ・ドナルド
"But as I headed into the heart of New Zealand's fiordland that same child-like feeling, long lost, of pure unadulterated awe came rushing back. I knew the road to Milford Sound was good - but this good?" - Darroch Donald

トーレス・デル・パイネ - Torres del Paine Edit

「虎の牙を彷彿とさせる花こう岩の峰の連なりが、劇的な様子で空高くそびえ立っていた。」 - ハワード・ヒルマン
"Several closely situated granite peaks resembling tiger's teeth dramatically soar about a kilometer into the sky" - Howard Hillman

ツィンギ・デ・ベマラ - Tsingy de Bemaraha Edit

「ツィンギにはギザギザの槍のような岩が密集し、巨大な剣山の様相を呈している。きれいな顔も傷だらけになってしまうだろう。」 - バド・エリクソン
"Tsingy is a 250-square-mile tiger trap made up on massive obelisks riddled with jagged spears. And yes, they will cut your pretty face." - Budd Erickson

英語圏の総合ネタサイト「Cracked」の記事、「近づいたら死にそうな世界の絶景5選」から。バド・エリクソンは記者名。
どうにもソース選択に手抜き感が漂う。

ヨセミテ - Yosemite Edit

「私にとってヨセミテといえば夜明けだ。堂々たる岩と空が、緑と金の光を放ち始めるのである。」 - アンセル・アダムス
"Yosemite Valley, to me, is always a sunrise, a glitter of green and golden wonder in a vast edifice of stone and space." - Ansel Adams

戦前からアメリカ各地の自然を精力的に撮影した写真家。国立公園の制定や芸術振興にも大きく貢献し、大統領自由勲章を受勲している。
とりわけヨセミテは彼がライフワークとした被写体の一つであった。引用部の言葉は自作写真集『The Portfolios of Ansel Adams』(1977)に掲載されているとのこと。

エイヤフィヤトラヨークトル - Eyjafjallajökull Edit

「火口から立ち昇る巨大な炎の柱のため、ホルトの人々は夜中でも昼間のように文字を読むことができたという。」 - リバプール・マーキュリー
"An enormous and lofty column of flame allowed the people in Holt to read as perfectly at night as if it had been day." - Liverpool Mercury

リバプール・マーキュリーは1811年に創刊されたイギリスの新聞。合併・改名を経て現代に至るまで刊行を続けていたが、2012年に日刊紙としての配信を終了し、現在は完全廃刊となっている。
引用部は同紙の1822年9月13日の記事から。昨年から発生している一連の噴火活動について報じたもので、その書き起こしが火山情報を扱うブログに掲載されている。
現地では2010年に史上四度目の噴火が起きており、それを受けて過去の噴火例を振り返るために投稿されたのがこのブログ記事である。2010年にも住民の避難は必要になったのだが、1821〜22年の噴火ではこれをはるかに上回る多量の火山灰が巻き上げられ、アイスランドは甚大な被害を受けたという。

ジャイアンツ・コーズウェー - Giant's Causeway Edit

「こちらには暗褐色の玄武岩があり、向こうには赤みがかった黄土があり、下に目を戻せば、細いながらもはっきりとした木炭の層が見える。」 - ダブリン・ペニー・ジャーナル
"Here the dark brown amorphous basalt, there the red ochre, and below that again the slender but distinct lines of the wood-coal." - Dublin Penny Journal

リースフィヨルド - Lysefjord Edit

「海の孤独のなかに、厳粛なる一本の道がある。これは人のための道ではない。ここを通る人はなく、また乗り入れる船もない。」 - ヴィクトル・ユーゴー
"In this sea, and in the midst of this solitude, rises a great sombre street―a street for no human footsteps. None ever pass through there; no ship ever ventures in." - Victor Hugo

ウルル - Uluru Edit

「雨季にはさぞ壮大な光景が見られるに違いない。どこに目を向けても滝が流れ落ちているのだから。」 - ウィリアム・ゴセ
"What a grand sight this must present in the wet season; waterfalls in every direction!" - William Gosse

ゴセ(ゴスとも表記)は南オーストラリア州政府測量局に所属して現地の探検を行った調査員。当時まだ西洋人には名が知られていなかったウルルに「エアーズロック」の名前を与えた人物でもある。
この引用文はウルル調査に関する報告の一環で、1874年7月付の州議事録に掲載されているようだ。
なお現実のウルルの降雨は年に数回あるかないかという程度なのだが、ごくまれながら本当に大雨が直撃して滝のような光景が見られることはあるらしい。

ハロン湾 - Hạ Long Bay Edit

「見よ、天と地の織りなす神秘を。澄みわたる蒼き水は鏡となり、仄かに黒い、空色をした幾千のカラスを映し出す。」 - 阮チ
"Behold the wonders of the Heavens and Earth. The clear aqua blue serves as a looking glass, thousands of turquoise crows tinged with a touch of black." - Nguyen Trai

阮廌(げんち / グエン・チャイ / Nguyễn Trãi)は15世紀ベトナムを代表する将軍にして詩人。「抑斎」と号し、『抑斎詩集』で知られる。
この詩はおそらく中期の作「雲屯」の前半部を訳したもの。原典は漢文で書かれた七言律詩。
「天恢地設付奇觀
 一盤藍碧澄明鏡
 萬斛鴉青鬌翠鬟」
原文

Rise and Fall Edit

デリケート・アーチ - Delicate Arch Edit

「デリケート・アーチに価値があるなら、足を運ぶのもやぶさかではない。想像を超えた不思議な風景との出会いは、常識にとらわれた感覚と心に刺激を与えてくれることだろう。」 - エドワード・アビー
"If Delicate Arch has any significance it lies, I will venture, in the power of the odd and unexpected to startle the senses and surprise the mind out of their ruts of habit." - Edward Abbey

1950〜60年代にかけてアメリカ国立公園局の公式レンジャーを務めた探検家。
この一文はアーチーズ国立公園の探索を記録した著書『砂の楽園』("Desert Solitaire", 1968)から。

サハラの目 - Eye of the Sahara Edit

「意外なことに、虹のような色彩に彩られたこれは、隕石の傷跡でなく、浸食によって深くえぐられたドームであるらしい。」 - クリス・ハドフィールド
"Oddly, it appears not to be the scar of a meteorite but a deeply eroded dome, with a rainbow-inspired color scheme." - Chris Hadfield

カナダ人初の宇宙飛行士。ミールやISSにおいて5度の宇宙ミッションに参加している。
退役後、宇宙から撮影した地球の写真集『You Are Here: Around the World in 92 Minutes』(2014)を出版した。その中にサハラの目の写真とこの紹介文が含まれる。

マッターホルン - Matterhorn Edit

「では、おいとまして、かつて追い求めたマッターホルンに敬意と称賛を示そう。最後の陽の光がその頂を離れ、遠く連なるより高い峰へと移りゆく前に。」 - フローレンス・クラウフォード・グローブ
"Let me ask leave, then, to pay a tribute of respect and admiration to the once desired Matterhorn, before his head has lost the last rays of a sun departing to gild loftier and more distant ranges." - F. Crauford Grove

ロライマ山 - Mount Roraima Edit

「まさに絶景だ。見渡すかぎり、奇妙奇天烈な形の岩がありえない姿勢で屹立している。重なり合う岩、並び立つ岩。まるで重力の法則に抗っているかのようだ。」 - ゴールドスウェイトのジオグラフィック・マガジン
"It was a fantastic landscape, for all around were rocks of the weirdest forms standing in apparently impossible positions, some placed on or next to others, in ways that seemed to defy every law of gravity." - Goldthwaite’s Geographical Magazine

ウヴス・ヌール盆地 - Ubsunur Hollow Edit

「たちのぼる水の世界は暗く深く、虚ろにして形なき無窮から勝ち取ったもの。」 - ジョン・ミルトン
"The rising world of waters dark and deep, won from the void and formless infinite." - John Milton

17世紀イギリスを代表する詩人の一人。
この一文は『失楽園』第三章冒頭部からの引用…なのだが、これは天地創造における原初の光を絶え間なく流れる川の水にたとえて賛美した一節であり、水そのものをうたっているわけではない。ましてやモンゴルの湖とは何一つ関係がない。
どういう連想で拾ってきたのか不明。ウヴス・ヌールに関する引用が見つからなかったのでとりあえず一般的な "hollow quote" で検索→「もしかして:void quote」みたいなことが起きたのだろうか。

「あの空々漠々たる「無限」よりかちとられ、
 新しく出現した暗く深き滄溟(わだつみ)を、あたかも外衣(マントル)をもって
 覆うように、上から尽く覆ったことであった!」(平井正穂 訳)

張掖丹霞 - Zhangye Danxia Edit

「太陽は燦々と輝き、やがて夕暮れの霧がかかる。角を曲がるたび、景色は魔法のようにうつろう。」 - 范仲淹
"With the sun shining brightly, then dusk’s mists falling, at every turn, the scenery changes like magic." - Fan Zhongyan

北宋時代の文人。日本人にとっては「後楽園」の名前の由来にもなった『岳陽楼記』で特に有名。
この引用文はどこから拾ってきたのかはっきりしないが、おそらく岳陽楼記の中の「朝暉夕陰 氣象萬千」という八文字を意訳したものではないだろうか。ただしこれは岳陽楼の景観を評した一節であり、山に関する引用としてはあまり適切ではない。

張掖丹霞は中央から離れた少数民族領であったため、観光地として知られるようになったのは21世紀に入ってからのことである。したがって古典文学にはほとんど登場しないので、無関係な場所に関する言葉で代用するのもやむを得ないかもしれない。

レトバ湖 - Lake Retba Edit

「見渡すかぎり一面の水、だが、ただの一滴も飲めはしない。」 - サミュエル・テイラー・コールリッジ、『老水夫行』
"Water, water, everywhere, nor any drop to drink." - Samuel Taylor Coleridge, The Ancient Mariner

これも、新しい観光地であるレトバ湖には直接あてはまる名言がなかったために代用したものであろう。
コールリッジは18世紀ロマン主義の先駆者となったイギリスの詩人。本文は「老水夫行」第二部からで、凪に捕まり乾きに苦しむ船乗りたちの様子を描いた一節。
きわめて塩分濃度の高いレトバ湖は、単に美麗な観光地というだけではなく、住民たちが塩集めのために働く労働の地でもある。海と湖という違いこそあるが、額面通りの意味に加えて日々の厳しさがにじみ出たこのフレーズは悪くない選出と言えるのではないだろうか。

傑作 Edit

『マドヒャマ・ヴィアヨガ』 - The Madhyama Vyayoga Edit

彼はそそり立つ山々に落ちたる稲妻、
あらゆる鳥にとっての鷲、野の獣たちの中の獅子、
人の姿をとった死の如し。
He is as the fall of a thunderbolt to the lordly mountains,
the eagle to all the birds, the lion to the assemblies of wild beasts,
Death, in human form.

『ポラテイマ=ナータカ』 - Pratima-nataka Edit

私の心よ、汝は真実に気づいている。今こそ主が死んだことを理解し、落ち着くのだ。
Oh, my heart, be thou content with the truth of thy suspicions. Learn now of my sire's decease and for a moment be thou calm.

『イーリアス』 - Iliad Edit

苦難のない不名誉な死は迎えたくない。まずは、死後も語り継がれるような、何か偉大なことをさせてほしい。
Let me not then die ingloriously and without a struggle, but let me first do some great thing that shall be told among men hereafter.

『オデュッセイア』 - Odyssey Edit

気持ちを理解してくれる友には、兄弟と等しい価値がある。
For a friend with an understanding heart is worth no less than a brother.

『変身物語』 - Metamorphoses Edit

私はひとつかみの砂を掲げて示し、砂粒の数に等しい年数を願った。なんと愚かな! 年を取らずに、と言い忘れるとは。
I held up a fistful of sand and showed it to him, asking for as many years as grains in that pile. Foolish me! I forgot to ask they be years of youth.

『名婦の書簡』 - Heroides Edit

好機は全能だ。常に釣り針をたらしておけ。最も望みの薄そうな池にこそ魚は棲んでいる。
Chance is all-powerful. Always cast your fishing hook; in the pond where you least expect it, you'll find a fish.

『楚辞』 - Chu Ci (Songs of Chu) Edit

明を明とし暗を暗とす、これ何をか為せる、陰陽三合、いずれが本にしていずれが化なる
From the light came light, and from the dark came darkness, but from whence did they appear? Yin and yang combine to create all things, but which is the source, and which was born from it?

『哀郢』 - Lament for Ying Edit

日月は忽としてそれ淹らず
春と秋とそれ代序す
草木の零落を惟ひ
美人の遲暮を恐る
Time rolls ever forward without a pause,
The seasons cycle through spring and autumn.
As I watch the green fade all around me,
I fear the sun setting on my youth.

『カンタベリー物語』 - The Canterbury Tales Edit

一人の立派な騎士あり
最初に語り始めたるこの騎士、
天下を駆け、騎士道、真、
名誉、自由、よろづの作法を尊べり。
A KNYGHT ther was, and that a worthy man,
That fro the tyme that he first bigan
To riden out, he loved chivalrie,
Trouthe and honour, fredom and curteisie.

『トロイルスとクリセイデ』 - Troilus and Criseyde Edit

「我が君に歓びをもたらせる者ならば
嘆きの分だけ君は至福を取り戻さん」
かくて彼の腕をとり、彼と口づけをかわしたり。
If I be she that may yow do gladnesse,
For every wo ye shal recovere a blisse';
And him in armes took, and gan him kisse.

『月下独酌』 - Drinking Alone by Moonlight Edit

花間 一壺の酒
独り酌みて 相親しむもの無し
杯を挙げて明月を邀へ
影に対して三人と成る
Flowers surround me, alone with my drink,
I pour for myself, no companion to join me.
I raise my glass and toast the full moon,
Who shall with my shadow make us three.

『夏日山中』 - In the Mountains on a Summer Day Edit

白羽扇を揺るがすに嬾し
裸袒す青林の中
巾を脱ぎて石壁に掛け
頂を露して松風に灑がす
I fan myself in this most languid heat,
The forest invites one to lay all bare.
I hang my hood upon a rocky crag,
My head exposed I bathe in fragrant air.

『紫式部日記』 - The Diary of Lady Murasaki Edit

この式部の丞といふ人の、童にて書読みはべりし時、聞き習ひつつ、かの人は遅う読みとり、忘るるところをも、あやしきまでぞ聡くはべりしかば、書に心入れたる親は、「口惜しう。男子にて持たらぬこそ幸ひなかりけれ」とぞつねに嘆かれはべりし。
As a young boy my brother Nobunori studied the Chinese classics, and I liked to sit in and listen to his lessons. I found that even when he struggled to understand or memorize passages, I would find them remarkably easy. My father, a well-read man himself, often used to lament this fact, saying, 'Such a shame. Would that you were born a man!'

文意:
紫式部の兄弟の惟規(のぶのり)が子供のころ、漢籍を学んでいたとき。式部はそばでそれを聞いていたが、
惟規が読むのに苦労し、なかなか覚えられないでいるところを、式部はとても上達が早かったので、漢籍に熱心だった父親は
「この子が男であったらどんなによかったか」とつねに嘆いていた。

『源氏物語』 - The Tale of Genji Edit

生ひ立たむ ありかも知らぬ若草を おくらす露ぞ 消えむそらなき。
New grass, you don't even know where to sprout and grow. How can I, a drop of dew, vanish away in the air leaving you alone?

『燃える世界』 - The Blazing World Edit

部屋を出ると廊下があり、その先には皇帝の寝室がある。その壁は黒玉でできており、床には黒大理石が敷き詰められていた。真珠色の天井には、金剛石の月と星がまたたき、寝台は金剛石とざくろ石で作られていた。
Out of this Room there was a passage into the Emperor's Bed-Chamber, the Walls whereof were of Jet, and the Floor of black Marble; the Roof was of Mother of Pearl, where the Moon and Blazing-Stars were represented by white Diamonds, and his Bed was made of Diamonds and Carbuncles.

『実験哲学に基づく観察』 - Observations upon Experimental Philosophy Edit

人体には5つの感覚があり、それぞれは互いの感覚を認識しない。つまり、目が見たものを鼻は知らず、耳が聞いたことは目に伝わらず、舌が味わったものを耳が知ることもない。
It is known that man has five Exterior Senses, and every sense is ignorant of each other; for the Nose knows not what the Eyes see, nor the Eyes what the Ears hear, neither do the Ears know what the Tongue tastes...

『ドン・キホーテ』 - Don Quixote Edit

たとえ疑われようと、真実は私が語ったとおりであり、水に浮く油の如く、けっして消えはしない。
Doubt if you will, but the truth is that which I have told, and forever rests upon lies like oil over water.

『模範小説集』 - Novelas Ejemplares (Exemplary Novels) Edit

陽気で若い彼らが、街の美しい乙女たちに無関心でいるはずがなかったのだ。
And, being merry and young, they did not miss any chances of hearing about the beautiful maids of the city.

『リウィウス論』- Discourses on Livy Edit

ゆえに敢えて記すが、味方につけるか抹殺するか、そのいずれかしかないのだ。軽打は反撃されるが痛打は反撃を封じる。ゆえに攻撃は、報復を不可能とするほどであらねばならない。
Thus it is necessary to note, men must be either enticed or snuffed out. For light offenses they avenge, grievous ones they cannot; therefore the offense done to a man must be such as to remove any fear of revenge.

『君主論』と並ぶマキァヴェッリの論考。従来『共和国論』『政略論』などと邦題されたが、
現在では『ディスコルシ』と通称される、古代ローマ共和制をベースにした共和政体論である。
正確なタイトルは『ティトゥス・リウィウスの最初の十巻についての論考』。

『君主論』 - The Prince Edit

共和国を創設し、法を制定する者は、すべての人間は悪であり、機会さえあれば悪意を実行に移そうと常に考えているという前提に立たねばならない。
It is necessary for the one who founds a republic, and sets laws in it, to presuppose all men evil, and always ready to put the maliciousness in their soul to use, every time they have a chance...

『ロミオとジュリエット』 - Romeo and Juliet Edit

ああ、不実な月に誓わないで
月はその形を毎日変えるもの
あなたの愛まで変わってほしくないのです
O, swear not by the moon, the inconstant moon,
That monthly changes in her circled orb,
Lest that thy love prove likewise variable.

『ハムレット』 - Hamlet Edit

生か、死か。それこそが問題だ
耐え忍ぶべきなのか
すさまじい運命の矢をこの身に受けようと
あるいは武器を手に苦難に立ち向かい
終止符をそれらに対し打つべきか
To be, or not to be? That is the question -
Whether 'tis nobler in the mind to suffer
The slings and arrows of outrageous fortune,
Or to take arms against a sea of troubles,
And, by opposing, end them?

『美しきゴルディロックス』 - Fair Goldilocks Edit

あまりに美しいので、人は彼女を金髪姫と呼びました。その長い髪は黄金より豪華で、驚くほど美しく、波うちながら垂れていました。
And because she was so beautiful they called her Princess Goldilocks; for her hair was finer than gold, wonderfully fair, and it fell in ringlets to her feet.

『イルカ』 - The Dolphin Edit

イルカはつづけました。「もし、ご親切にも私を自由にしてくれたなら、これから一生、誠心誠意お仕えいたします。けっして後悔させたりはいたしません。」
"If you will be so good and generous as to let me free," the dolphin went on, "I shall render you such real services in the course of my life that you will never need to repent of your kindness."

『エヴゲーニイ・オネーギン』 - Eugene Onegin Edit

夢よ、お前はどこへ行った? あんなにも甘美であったのに。
Dreams, dreams! Where have you gone? How sweet you were.

『ボリス・ゴドゥノフ』 - Boris Godunov Edit

年をとった判事のように
公正なのか、違うのか、熟考する
善と悪に関心はなく
これが怒りでも哀れみでもないと知りながら
Like some magistrate grown gray in office,
Calmly he contemplates alike the just
And unjust, with indifference he notes
Evil and good, and knows not wrath nor pity.

『告げ口心臓』 - The Tell Tale Heart Edit

「畜生! 逃げも隠れもしない。罪を認めよう! 板をはがせ! ここだ! この音はあいつの心臓の音だ!」
"Villains!" I shrieked, "dissemble no more! I admit the deed! --tear up the planks! here, here! --It is the beating of his hideous heart!"

『大鴉』 - The Raven Edit

うとうとと眠りかけていると、突然物音がした。
誰かが優しく叩いている、この部屋のドアを叩いている。
「誰かが来て、部屋のドアを叩いている。
ただそれだけのことだ。」
While I nodded, nearly napping, suddenly there came a tapping,
As of some one gently rapping, rapping at my chamber door.
"'Tis some visitor," I muttered, "tapping at my chamber door -
Only this and nothing more."

『高慢と偏見』 - Pride and Prejudice Edit

「女性の想像力はじつに敏捷だ。憧れから恋へ、恋から結婚へ、一瞬で駆け抜けてしまうのだから。」
"A lady's imagination is very rapid; it jumps from admiration to love, from love to matrimony in a moment."

『分別と多感』 - Sense and Sensibility Edit

幸せを知ることだ。要るのは忍耐だけ… もっと魅力的な名前をつけるなら、「希望」と呼べばいい。
Know your own happiness. You want nothing but patience- or give it a more fascinating name, call it hope.

『ファウスト』 - Faust Edit

自分を信じる限り、生き方に迷うことはない。
As soon as you trust yourself, you will know how to live.

『若きウェルテルの悩み』 - The Sorrows of Young Werther Edit

「人間とは単調な存在だ。ほとんどの人は、生きるための労働に人生の大半を費やす。そしてわずかに残った自由な時間を恐れ、あらゆる手段でその時間を追い払おうとする。」
"The human race is a monotonous affair. Most people spend the greatest part of their time working in order to live, and what little freedom remains so fills them with fear that they seek out any and every means to be rid of it."

『フランケンシュタイン』 - Frankenstein Edit

私はそいつを見た。私が生み出した哀れな怪物を。
I beheld the wretch ― the miserable monster whom I had created.

『最後の人間』 - The Last Man Edit

この知性が我々を楽園への期待から引き離し、気の遠くなるような年月の間、現在地上に存在する苦痛と悲哀に留め置いたのです。
This intelligence brought us back from the prospect of paradise, held out after the lapse of an hundred thousand years, to the pain and misery at present existent upon earth.

『ユリシーズ』 - Ulysses Edit

人生は多くの日々で構成されている。我々は自分を通り抜け、泥棒や幽霊、巨人、老人、若者、夫人、未亡人、そして愛し合う兄弟と出会う。しかし、必ず自分とも出会うのだ。
Every life is many days, day after day. We walk through ourselves, meeting robbers, ghosts, giants, old men, young men, wives, widows, brothers-in-love. But always meeting ourselves.

『ダブリン市民』 - Dubliners Edit

1人また1人と影になっていく。老齢で惨めに衰え、薄れゆくよりは、情熱のもと、勇気を持って向こうの世界へ乗り出す方がいい。
One by one they were all becoming shades. Better pass boldly into that other world, in the full glory of some passion, than fade and wither dismally with age.

『小鳥が道に下りてきて』 - A Bird Came Down Edit

小鳥が道に下りてきた
私が見ていると知らず
ミミズをかみちぎり
生のままで食べてしまった
A Bird came down the Walk -
He did not know I saw -
He bit an Angleworm in halves
And ate the fellow, raw.

『成功』 - Success is counted sweetest Edit

成功を知らなかった者にとって
成功は最上の喜び
渇いた者こそ
美酒に酔える
Success is counted sweetest
By those who ne'er succeed.
To comprehend a nectar
Requires sorest need.

『戦争と平和』 - War and Peace Edit

「幸せになるために幸福の可能性を信じるべきだ、と言ったピエールは正しかった。そして今、私はそれを信じている。死者の埋葬は死者にまかせ、生きている間は幸せでいよう。」
"Pierre was right when he said that one must believe in the possibility of happiness in order to be happy, and I now believe in it. Let the dead bury the dead, but while I'm alive, I must live and be happy."

『アンナ・カレーニナ』 - Anna Karenina Edit

世界中の女性は2つのグループに分けることができる。1つ目のグループには自分以外のすべての女性が属していて、人間的な感情を持つ、どこにでもいる平凡な女たちである。もう1つのグループにいるのは自分自身、完ぺきで誰よりもすぐれた女性である。
All the girls in the world were divided into two classes: one class included all the girls in the world except her, and they had all the usual human feelings and were very ordinary girls; while the other class -herself alone- had no weaknesses and was superior to all humanity.

『ハックルベリー・フィンの冒険』 - Adventures of Huckleberry Finn Edit

「蜂はバカを刺さないってジムが言ったけど、オイラは信じないね。だって何度も試したってのに、一度も刺されなかったんだから。」
"Jim said that bees won't sting idiots, but I didn't believe that, because I tried them lots of times myself and they wouldn't sting me."

『トム・ソーヤーの冒険』 - The Adventures of Tom Sawyer Edit

自分でも気づかないうちに彼は人間の行動における重要な法則を発見していた。それは、手に入れるのが難しいと信じさせると、誰もがそれを欲しがるということだ。
He had discovered a great law of human action, without knowing it--namely, that in order to make a man or a boy covet a thing, it is only necessary to make the thing difficult to attain.

『楽園のこちら側』 - This Side of Paradise Edit

エイモリー・ブレインがひとかどの人物たりえたのは、あらゆる特質のほとんどを母から受け継いだおかげだった。
Amory Blaine inherited from his mother every trait, except the stray inexpressible few, that made him worth while.

『美しく呪われし者』 - The Beautiful and Damned Edit

彼女は眩いほど美しく、一目見ただけで心が激しく揺さぶられた。
She was dazzling―alight; it was agony to comprehend her beauty in a glance.

『宇宙戦争』 - The War of the Worlds Edit

19世紀も終わりに近づく頃、この世界が知的生命体によって観察されていたなど、いったい誰が信じよう。その生命体は人類よりも優れた知性を持ち、しかし同程度の生命力しか有していなかった。人が日々の生活に汲々とする中、この生命体は人類を観察し、分析していた。それはちょうど人間が微生物を顕微鏡で観察するようなものだった。
No one would have believed in the last years of the nineteenth century that this world was being watched keenly and closely by intelligences greater than man's and yet as mortal as his own...

『タイム・マシン』 - The Time Machine Edit

私の説明は簡潔にして十分なものだ。多くの間違った仮説がそうであるように!
Very simple was my explanation, and plausible enough - as many wrong theories are!

『家と世界』 - The Home and the World Edit

祖国に仕える意志はあるが、自分の権利を大切に思う気持ちは国家に対するそれよりずっと大きい。国を神としてあがめるのは災いの元だ。
I am willing to serve my country, but my worship I reserve for Right which is far greater than my country. To worship my country as a god is to bring a curse upon it.

『園丁』 - The Gardener Edit

流浪の者がここに来て、頭を垂れ、闇夜のささやきに耳を傾けたとして、もし私が扉を閉ざし、定命の束縛から自由になろうとあがいていたら、誰がその人物に人生の秘密を聞かせることができるだろう?
If some wanderer, leaving home, come here to watch the night and with bowed head listen to the murmur of the darkness, who is there to whisper the secrets of life into his ears if I, shutting my doors, should try to free myself from mortal bonds?

『R.U.R. (ロッサム万能ロボット会社) 』 - Rossum’s Universal Robots (R.U.R.) Edit

親愛なるミス・グローリー、ロボットは人間ではない。我々よりもよほど完璧な機械であり、驚くほど高い知性を有しているが、魂を持ってはいないのだ。
My dear Miss Glory, Robots are not human. Mechanically, they are more perfect than us, they possess an amazing rational intelligence, but they do not have any soul.

『山椒魚戦争』 - War with the Newts Edit

大いなる蟻の神よ、あまねく勝利をもたらしたまえ! 君を「大佐」と名づけよう。
Great God of the Ants, thou hast let the victory prevail! I hereby name thee the Colonel.

『孫子』 - The Art of War Edit

勝者は勝利を手にしてから戦場におもむくが、敗者は戦場におもむいてから勝利を得ようとする。
Victorious warriors win first and then go to war, while defeated warriors go to war first and then seek to win.

書き下し原文:「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む」(軍形第四)

ランキング (ver. 1.0.0.26) Edit

アウグストゥス・カエサル - Augustus Caesar Edit

私はレンガの都ローマを受けつぎ、大理石の都を遺した。
I found Rome a city of bricks and left it a city of marble.

ハンムラビ - Hammurabi Edit

人々を支配し国土に秩序をもたらすために、マルドゥク神が余を遣わしたとき、余は正しく善をおこなった。そして虐げられた人々に幸せをもたらしたのだ。
When Marduk sent me to rule over men, to give the protection of right to the land, I did right and righteousness, and brought about the well-being of the oppressed.

エイブラハム・リンカーン - Abraham Lincoln Edit

成功しようという意識を常に持つことが、他の何よりも重要なのである。
Always bear in mind that your own resolution to succeed is more important than any other.

シャルルマーニュ大帝 - Charlemagne Edit

余の軍勢を岩に、森に、そして空を羽ばたく鳥にせよ。
Let my armies be the rocks and the trees, and the birds in the sky.

ウィンストン・チャーチル - Winston Churchill Edit

悲観主義者はすべての好機に問題を見出し、楽観主義者はすべての困難に好機を見出す。
A pessimist sees the difficulty in every opportunity; an optimist sees the opportunity in every difficulty.

ネルソン・マンデラ - Nelson Mandela Edit

やり終えるまでは不可能に思えるものだ。
It always seems impossible until it's done.

マルクス・アウレリウス - Marcus Aurelius Edit

あなたには困難に思えるからといって、誰にとっても達成不可能だなどと考えてはいけない。
Because a thing seems difficult for you, do not think it impossible for anyone to accomplish.

ジャンヌ・ダルク - Joan of Arc Edit

私は恐れなどしない… これを成し遂げるために生まれてきたのだから。
I am not afraid... I was born to do this.

シャルル・ド・ゴール - Charles de Gaulle Edit

人格者は危機に直面しても他人に頼ることはない。独自のやり方を全面に押し出し、それに責任を持ち、己自身で切り抜けるのだ。
Faced with crisis, the man of character falls back on himself. He imposes his own stamp of action, takes responsibility for it, makes it his own.

シモン・ボリバル - Simon Bolivar Edit

判断は経験によってくだされる。経験は愚かな判断によって形づくられる。
Judgment comes from experience, and experience comes from bad judgment.

レフ・ヴァウェンサ - Lech Walesa Edit

歴史の車輪を素手で止めようと試みるものは、指をつぶされることになるだろう。
He who puts out his hand to stop the wheel of history will have his fingers crushed.

イワン雷帝 - Ivan the Terrible Edit

それだけでなく、国政や敵対国家との度重なる戦争、そして国民の幸せというものに、私はひどく心を悩ませているのだ。
Withal, I concern myself greatly regarding the affairs of state, constant wars against hostile nations, and the welfare of my poor people.

ヘンリー8世 - Henry VIII Edit

神よ、これがこの世と我が国のためでなければ、今日この世のものとは思えぬ者の為に成さねばならぬことを、決して行いはしないでしょう。
My Lord, if it were not to satisfy the world, and my Realm, I would not do that I must do this day for none earthly thing.

ハーバート・フーバー - Herbert Hoover Edit

若者は幸いである、国の債務を引き継がねばならぬのだから。
Blessed are the young for they shall inherit the national debt.

ルイ16世 - Louis XVI Edit

盗み聞きをする者が自分の良い噂を耳にすることはない。
Listeners never hear any good of themselves.

ネビル・チェンバレン - Neville Chamberlain Edit

戦争において、どちらの側が勝利を宣言しようとも、そこに勝者は存在しない。関わったものすべてが敗者なのだ。
In war, whichever side may call itself the victor, there are no winners, but all are losers.

アンドリュー・ジャクソン - Andrew Jackson Edit

すべきことが何もなければ悦びはない。やることがあるのにそれに手をつけないから愉快なのだ。
There is no pleasure in having nothing to do; the fun is having lots to do and not doing it.

ネロ - Nero Edit

私という偉大な芸術家はここに死す。
So great an artist, I die!

ウォーレン・ハーディング - Warren G. Harding Edit

どこかその辺りに税のすべてを記した本があるはずだ。それがあれば、税の何たるかを明確に示してくれるに違いない。しかしその所在はわからないし、たとえ探し当てたとしても私には理解できないだろう。
Somewhere there must be a book that tells all about it, where I could go to straighten it out in my mind. But I don't know where the book is, and maybe I couldn't read it if I found it.

エゼルレッド無策王 - Ethelred the Unready Edit

わかった、5分だけだ。よいな?
Yeah, just five minutes, all right?

ダン・クエール - Dan Quayle Edit

成功しなければ、我々は失敗の危険を冒すことになる。
If we don't succeed, we run the risk of failure.

ランキング (ver. 1.0.0.38) Edit

civ6発売時のランキング格言はciv5の使い回しであったが、2016秋パッチで刷新された。

アウグストゥス・カエサル - Augustus Caesar Edit

私はレンガの都ローマを受けつぎ、大理石の都を遺した。
I found Rome a city of bricks and left it a city of marble.

ハンムラビ - Hammurabi Edit

政府の第一の務めとは、力なき者を力ある者から守ることである。
The first duty of government is to protect the powerless from the powerful.

エイブラハム・リンカーン - Abraham Lincoln Edit

今日やれることを明日に持ち越すな。
Leave nothing for tomorrow which can be done today.

ウィンストン・チャーチル - Winston Churchill Edit

大きな力のあるところには、大きな責任がある。小さな力しかないところにも、小さな責任がある。何の力もないところには、まあ、何の責任もあるまい。
Where there is great power there is great responsibility; where there is less power there is less responsibility; and where there is no power there can, I think, be no responsibility.

ネルソン・マンデラ - Nelson Mandela Edit

真の指導者には、国民の自由のためにすべてを犠牲にする覚悟が必要だ。
Real leaders must be ready to sacrifice all for the freedom of their people.

エカチェリーナ2世 - Catherine the Great Edit

国家の信任なき権力は無価値である。
Power without a nation's confidence is nothing.

アショカ王 - Ashoka Edit

他宗を非難してはならない。真の仏教徒とは、価値を認めたすべてのものに対して賛辞を送る者である。
It is forbidden to decry other sects; the true believer gives honor to whatever in them is worthy of honor.

マルクス・アウレリウス - Marcus Aurelius Edit

人生の目的は多数派につくことではない。おかしな輩の仲間にならぬよう、心してかかることである。
The object of life is not to be on the side of the majority, but to escape finding oneself in the ranks of the insane.

レフ・ワレサ - Lech Wałęsa Edit

国として、私たちには自分たちのことを決め、自分たちの未来を築く権利がある。
As a nation, we have the right to decide our own affairs, to mold our own future.

ハトシェプスト - Hatshepsut Edit

聞け、皆の者! そなたら民は大いに増えた! 私は心の声にしたがい、なすべきことをなした。
Hear ye, all persons! Ye people as many as ye are! I have done things according to the design of my heart.

シャルル・ド・ゴール - Charles de Gaulle Edit

私たちは揺るがず、純粋で忠実な心を持ちつづけよう。悲しみの果てに、輝かしい地上の栄光がある。その栄光は、屈しなかった人々のものだ。
Let us be firm, pure and faithful; at the end of our sorrow, there is the greatest glory of the world, that of the men who did not give in.

アキテーヌ女公アリエノール - Eleanor of Aquitaine Edit

私は惨めで、もはや哀れむ者もない。なぜ、このような忌まわしい老境に至ったのか。2つの国を統べ、2人の王の母となった私が。今や私ははらわたを裂かれ、家族を取り上げられた身だ。
Pitiful and pitied by no one, why have I come to the ignominy of this detestable old age, who was ruler of two kingdoms, mother of two kings? My guts are torn from me, my family is carried off and removed from me.

イワン雷帝 - Ivan the Terrible Edit

その髭を剃るのは、世界中の殉教者の血をもってしてもあがなえぬ罪。それは神の似姿を汚すに等しい。
To shave the beard is a sin that the blood of all martyrs cannot cleanse. It is to deface the image of God.

ハーバート・フーバー - Herbert Hoover Edit

国に必要なのは、腹の底から笑うことだ。10日に一度、誰かが楽しいジョークで大笑いさせてくれれば、私たちの問題は片付くに違いない。
What the country needs is a good big laugh … if someone could get off a good joke every ten days, I think our troubles would be over.

ルイ16世 - Louis XVI Edit

高官の空きを埋めるたび、私は100人の不満な男と、1人の恩知らずを作ることになるのだ。
Every time that I fill a high office, I create a hundred discontented men and an ingrate.

ネビル・チェンバレン - Neville Chamberlain Edit

私たちの時代に平和を。
Peace in our time.

ネロ - Nero Edit

言われたことを真に受けてばかりの者は、何事もなしえない。
A man who is always ready to believe what is told him will never do well.

ウォーレン・ハーディング - Warren G. Harding Edit

我々の最も危うい傾向は、政府に多くを期待しながら、政府のためにほとんど行動しないことである。
Our most dangerous tendency is to expect too much of government, and at the same time do for it too little.

エゼルレッド無策王 - Ethelred the Unready Edit

三位一体の名において、我が臣民たるキリスト教徒たちに3つのことを約束する。第一に、私は神の教会と我が領土のキリスト教徒に真の平和をもたらす。第二に、あらゆる境遇の者に対する強奪と不正を禁じる。第三に、あらゆる裁きにおいて正義と慈悲を約束し、これを命じる。
In the name of the Holy Trinity, three things do I promise to this Christian people my subjects: first that I will hold God’s Church and all the Christian people of my realm in true peace; secondly that I will forbid all rapine and injustice to men of all conditions; thirdly, that I promise and enjoin justice and mercy in all judgments.

メアリー1世 - Mary Tudor I Edit

神よ、あなたを信じています。どうか私を惑わせませぬように。神が私たちの味方なら、誰が私たちに逆らえましょう?
In thee, O Lord, is my trust; let me never be confounded: if God be for us, who can be against us?

ダン・クエール - Dan Quayle Edit

我々は準備ができている。起きるかもしれないし、起きないかもしれない未知の出来事に対して。
We are ready for any unforeseen event that may or may not occur.
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