GSで追加された。ペスト菌による黒死病が蔓延した14世紀の西欧が舞台のシナリオ。
プレイヤーは減少する人口、麻痺する
生産に対して
科学と
文化を振興してどちらかのツリーを完成させなければならない。
85ターンの中で疫病が数回訪れる。これらから国を守り切り、技術ツリーか社会制度ツリーのどちらかを完成させれば勝利である。
技術ツリーと社会制度ツリーは独自のものとなっており、本来は産業時代で建設可能な下水道が土木工学を研究することで作れる。他のシナリオ同様、戦争をすると和平を結ぶことはできない。史実ではイングランドとフランスは百年戦争中だったので開始当初からイングランドとフランスは戦争しており、またイングランドはフランス領土内に都市を2つ持っている。
イングランド、フランス、カスティーリャ、神聖ローマが参戦している。国と指導者の説明はシヴィロペディアより引用。
黒死病が大流行した時代にイングランドを統治していたプランタジネット家は、イングランドとフランス両方の王位について所有権を主張し、スコットランドとウェールズに対しても軍事的征服を試みた。しかし、やがてイングランド王は議会と貴族の力を認めざるをえなくなる。この結果、ヨーロッパの他の君主と比較すると、イングランド王の権力は弱いものとなった。
おそらくエドワード3世は中世において最も多くの栄光を得た王であったと言えるだろう。しかしその50年の治世は、度重なる戦争と議会の台頭、そして疫禍に彩られたものでもあった。父王エドワード2世は、エドワード3世がまだ若年のうちに廃位されたが、彼が自らの権利にもとづいて国を統治するのに長い時間は要しなかった。
スコットランド、そしてフランスに戦いを挑んだエドワード3世とその傘下の諸将 (とりわけ彼の長子であった黒太子エドワード) は、スロイスの海戦をかわきりに、百年戦争でイングランドに幾多の大勝利をもたらした。エドワード3世自身もクレシーの戦いで指揮を執り、ロングボウ兵を駆使してフランス貴族の花たる騎士たちを半日のうちに壊滅させている。
だが1361年の黒死病の流行が、彼の治世に暗い影を落としはじめる。病没者があまりにも多かったため、戦争を継続することは困難となり、晩年の彼はイングランド本国での社会的緊張の高まりに対処するだけで精一杯の状態だった。
中世のフランスは、ヨーロッパでは特に豊かで繁栄した国だった。この時代のフランス王は、広大な直轄地を領有していた。つまり当時のフランスは、非常に中央集権化された国だったのである。
ヴォロワ朝の初代フランス国王であるフィリップ6世の治世における最大の出来事は、イングランドとの百年戦争の開始であろう。彼が最初にしたことは、フランドルの暴動を鎮圧し、フランドル伯爵ルイ1世を領主の座に戻すことだった。この時点でイングランドのエドワード3世と彼の関係は良好だった。しかし、アキテーヌ公爵領の扱いとエドワードはフィリップの臣下であるか否かという問題を巡って対立。その他のさまざまな問題も重なり、百年戦争が引き起こされることになる。
正面きっての戦いを避け、エドワード3世に消耗戦を強いることができている間は、フランスの国力を背景としているフィリップ6世に分があった。しかし、大規模な会戦ではイングランド軍が上だった。1346年のクレシーの戦いで歴史的大敗を喫した結果、フランスは貴族と同盟者の多くを失い、三部会は戦費の供出を拒否した。さらに、1348年の黒死病の大流行によって国内は大混乱に陥り、王妃ジャンヌも病没した。
現在のスペイン中央部の多くを占めていたカスティーリャ王国は、中世の全期間を通じて、スペイン南部に勢力を保っていたイスラム諸国とほぼ常に戦争状態にあった。カスティーリャは、隣国であったレオン王国を併合することにより、イベリア半島における最大勢力となった。
アルフォンソ公正王とも呼ばれる、カスティーリャとレオン両国の王。まだ1歳のとき、父フェルナンド4世から王位を継承した。1325年、成人したアルフォンソ11世は貴族たちの争いを鎮め (さらには彼らの力を弱め)、アルカラ・デ・エナーレスの条例によって法制改革を実施。さらにベルベル人の国であるマリーン朝に戦いを挑み、アンダルシアにおけるサラード川の戦いで決定的な勝利をおさめた。
アルフォンソ11世は、1350年、ジブラルタルを攻囲中に黒死病でこの世を去り、王位は息子のペドロ1世 (残酷王) に継承された。
黒死病が大流行した時代、中央ヨーロッパ最大の政治的勢力であった神聖ローマ帝国は、無数の王国や大公国、司教区、公国、自由都市、係争地、男爵領、教区を、世俗の統治者である皇帝が治めるという体裁をとっていた。しかし有力貴族や教皇が自分たちの領地を事実上支配しようとしたり、自治権を得ようとしたりするのは、けっして珍しいことではなかった。
バイエルンの君主であったルートヴィヒ4世は、ヴィッテルスバッハ家出身の最初の神聖ローマ皇帝である。その治世の初期は、ハプスブルク家ならびにルクセンブルク家との皇帝位を巡る戦いに彩られている。この争いは教皇との対立関係にまで発展し、彼は異端者として破門されてしまう。こうしたいきさつがあったため、ルートヴィヒ4世が戴冠のために1328年にローマへおもむいた際、彼の頭に冠を載せたのはいち元老院議員であった。皇帝として即位した後のルートヴィヒ4世の地位は、ライバルたちがこの世を去り、大貴族間での継承権争いに国中が辟易していたこともあって、おおむね安泰となった。
イングランドのエドワード3世と同盟を結び、フランス (そしてアヴィニョンの教皇) と敵対したことは、国内におけるルートヴィヒ4世の政治的立場を悪化させた。彼は1347年にミュンヘン近郊で死去したが、ヴィッテルスバッハ家を帝国の政治における最有力の家門とすることは、ついにできなかった。
これらどちらかを完成させることでクリアとなる。科学技術7個、社会制度6個だが、社会制度の方がコストが高い。ブーストは今のところ確認されていない。
科学技術 | コスト | 前提 科学技術 | 解禁 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
ユニット | 区域 | 建造物 | その他 | |||
徒弟制度 | ![]() | - | 長槍兵 | ギルド会館 | ||
城 | ![]() | - | 隔離区域 | |||
教育 | ![]() | 徒弟制度 | 大学 | |||
土木工学 | ![]() | 城 | 下水道、集団墓地 | |||
医学 | ![]() | 教育 | キープ、ペスト医院 | |||
機械 | ![]() | 土木工学 | 工場 | |||
発明 | ![]() | 医学、機械 | ゲームに勝利 |
社会制度 | コスト | 前提社会制度 | 解禁政策 | その他 |
---|---|---|---|---|
封建制度 | ![]() | - | ノブレスオブリージュ、騎士道、 忠誠の誓い、農奴制 | |
賃金制度改革 | ![]() | 封建制度 | 町への勅許、都市下層民 | |
高等教育 | ![]() | 封建制度 | メトゥーディア・ジェネラリア、 メリトクラシー | |
労働経済 | ![]() | 賃金制度改革 | 家内工業、公僕、熟練職人 | |
都市化 | ![]() | 高等教育 | 後援、商業同盟、専業化 | |
中流階級 | ![]() | 労働経済、都市化 | ゲームに勝利 |
このシナリオでは隔離区域と呼ばれる特殊な区域とそれに付随する3つの建造物が追加されている。それぞれ疫病対策に特化し、大きく貢献する。
区域 | コスト | 効果 | 隣接ボーナス | 略奪 | 条件 | 建造物 |
---|---|---|---|---|---|---|
隔離区域 | ![]() | ![]() 区域に配置した ![]() ![]() 毎ターン15%の確率で死者の発生を回避 | キャンパスによる![]() 劇場広場による ![]() 聖地による ![]() 商業ハブによ ![]() | ![]() | 城 | 集団墓地 ペスト医院 キープ |
このほかに、初期から使えるものとして、聖地、キャンパス、劇場広場、用水路、工業地帯、商業ハブ、総合娯楽施設、港、兵営がある。
このほかに、初期から使えるものとして、穀物庫、モニュメント、水車小屋、社、大聖堂、図書館、兵舎、厩舎、武器庫、灯台、造船所、市場、アリーナ、円形闘技場、工房がある。
労働者、交易商、伝道師、審問官、斥候、弓兵、剣士、騎乗兵、騎士、長槍兵、キャラベル船は通常と変わらないが、長槍兵は徒弟制度で解禁される。ユニットは疫病が蔓延しているタイルではHPが減少するが、海上ではどんなに地上が大変でも問題ない。ここでは民間ユニットのペスト医師、学者、鞭打ち苦行者、神聖ローマ帝国の固有ユニットのチュートン騎士について扱う。
民間ユニットはそれぞれ疫病の流行によるイベントによって解禁される。
ユニット | コスト | 購入 | 維持費 | 移動力 | 効果 |
---|---|---|---|---|---|
ペスト医師 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | チャージ:2 チャージを1消費して疫病期間を削減する チャージを1消費して都市の忠誠心を回復する |
学者 | ![]() | ![]() | - | ![]() | チャージ:2 チャージを1消費して感染した都市から ![]() |
鞭打ち苦行者 | ![]() | ![]() | - | ![]() | ユニットを消費して感染した都市から![]() ![]() |
代表的な騎士修道会のひとつであったチュートン騎士団は、バルト海沿岸地域の異教徒に対する北方十字軍活動の担い手であった。チュートン騎士団の勇猛さ、頑固さ、富、そして禁欲的な生活は、騎士修道会の中でも飛びぬけていた。今作ではシナリオ「ヤドヴィガの遺産」でも敵対勢力として登場。
ユニット | 固有 | クラス | コスト | 購入 | 置換前 | 移動力 | 戦闘力 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
チュートン騎士 | 神聖ローマ | 近接戦闘 | ![]() | ![]() | 剣士 | ![]() | ![]() | 維持に![]() 敵地での ![]() |
全ての国がカトリック王政を採用している。特にボーナスはない。軍事政策、経済政策、ワイルドカード政策が使える。フランスのみ教皇政策と呼ばれる特殊な政策スロットを使用できる(概念はWCスロットと同じだが、信仰力を2使い、マイナスの間は使用できない)。
社会政策 | 条件 | 効果 |
---|---|---|
忠誠の誓い | 封建制度 | 民間ユニットに対する![]() |
騎士道 | 封建制度 | 軍事ユニットに対する![]() |
社会政策 | 条件 | 効果 |
---|---|---|
農奴制 | 封建制度 | 都市の農場に![]() |
都市下層民 | 賃金制度改革 | ![]() 全ての都市に ![]() |
町への勅許 | 賃金制度改革 | 商業ハブ区域の隣接ボーナス+100% |
家内工業 | 労働経済 | 都市の工房に![]() |
熟練職人 | 労働経済 | 工業地帯区域の隣接ボーナス+100% |
後援 | 都市化 | 劇場広場区域の隣接ボーナス+100% |
労働市場 | - | 都市の区域ごとに![]() 全ての都市に ![]() |
社会政策 | 条件 | 効果 |
---|---|---|
ノブレスオブリージュ | 封建制度 | すべてのユニットの![]() |
メリトクラシー | 高等教育 | キャンパス区域の隣接ボーナス+100% |
ストゥーディア・ ジェネラリア | 高等教育 | 新規の学者のチャージ+2 新規のペスト医師のチャージ+1 |
公僕 | 労働経済 | 建造物や民間ユニットの購入に必要な![]() |
専業化 | 都市化 | 都市の工房に![]() |
商業同盟 | 都市化 | 都市のギルド会館に![]() |
隔離 | - | 都市のキャンパス区域に![]() 疫病に感染している都市で10%の確率で ![]() |
ポグロム | - | ![]() 全ての都市に ![]() |
本シナリオではいくつかのイベントがある。イベントの選択により、学者か鞭打ち苦行者を得られたり、信仰力が増えたりする。
技術ツリーの方はペストに対抗するための建造物などが揃っており、社会制度ツリーは特別素晴らしい政策がゴロゴロしているわけではないので、科学勝利がおすすめである。
難易度神では初手から信仰力がマイナスで一部文明のUAに影響するが増やしても勝利に直接関係しない、文化と信仰を保つ方向でマイナスイベントを選択すると生産力が著しく下がって区域が建てられなくなる、そもそも文化力を増やす手段の解禁に科学力が必要、など文化・信仰ルートは仕様面での逆風が著しいため、低難易度で達成するのが望ましい。
開始数ターンで疫病が到来するため、人口減少後のために穀物庫と工房(ついでにゴールド系)の建設は急いだ方が良い。しかしロンドンレベルの生産力がなければ疫病到来までに建設し終わらないため、最初からいる労働者で生産力増備が重要である。研究は城が優先的だが、自由に進めれば良い。また、難易度が高くなると(特にイングランドでプレイすると)AIがより宣戦布告してくるので、チュートン騎士やキャラベル船、騎士の増備も大切である。百年戦争は余裕があれば中盤以降に攻めれば良い。
第一波は対抗手段がないため、かなり苦戦を強いられる。ペストの初期発生都市はランダム性があり、ゲームごとに変わるので自信がないなら弱都市から発生するようリセマラを狙うのも手。ペスト医師の準備が整う頃に城の研究が終わり、隔離区域が作れるようになるが、生産力の低下により作り終わるはずがないので、(アイルランド島などあまりに余裕な地域を除いて)ペスト医師の増産を急ぐと良い。
第一波が去ったら各都市に最低一ユニットのペスト医師を配備し、そこからキャンパスだの劇場広場だの商業ハブだのを作れば良い。第二波あたりから学者と鞭打ち苦行者のどちらかを選択して作れるようになるが、科学路線なら学者、
文化路線なら鞭打ち苦行者を選ぶと良い。他にも科学と文化などに関わる選択を求められるが、科学路線のときは信仰力は捨てて構わない。
チュートン騎士は敵地において戦闘力が高くなる。神聖ローマ帝国は特に周りに自由都市が多いので、これらの都市の区域を略奪すると勝利しやすい。しかしピサあたりまでいくと疫病で危険なので注意。イングランドもまた、フランスが区域を作っていればそれらを略奪できる。フランスはグレートブリテン島に渡るのが難しいのでおすすめしない。
この世界でも難易度が上がるとAIは戦争を仕掛けてくる。神聖ローマ帝国は基本的に戦争には巻き込まれず、フランスはイングランドに注力していれば良いが、イングランドはカスティーリャが攻めてくる恐れがあるためアキテーヌを守っておこう。反対にカスティーリャはアキテーヌ地方を狙ってイングランドに宣戦布告するのも手だろう。civ6のプロは高難易度の方がクリアしやすいかもしれない。
神難易度の場合、2度目のペストの後に忠誠心がマイナスになりそのままでは都市が離反してしまうため、一工夫必要。毎ターン忠誠心が6減っていくので、ペスト医師や鞭打ち苦行者による忠誠心回復だけで凌ぐのは難しい。2度目のペスト後に離反した自由都市を軍事ユニットで再征服すると、忠誠度の減りはなくなり忠誠心維持のためにペスト医師を生産・購入する必要がなくなる。ただし自由都市に離反した後なるべくすぐに都市を征服しないと、AIが大量の弓兵と騎乗兵を生産して面倒なことになるので注意が必要。社会不安で都市の生産量にペナルティがかかる前に十分な量の騎士やキャラベル船を生産・購入しておこう。勝利することだけ考えた場合、技術ツリーがある程度進んでいるときは都市の維持や回復に力を注ぐよりも略奪で科学力や文化力を稼いだほうが手っ取り早い。ちなみに、学者や鞭打ち苦行者から得られる科学力や文化力はあまり多くなく、後半になると効率が悪い。